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依頼者~緑の過去(8)

2017 09 01
革靴を脱いだ彼のつま先は、人妻の性を目覚めさせようとするかのようにスカートの内側で細やかに震えた。

「どういうおつもりですか」
面談室の椅子に座ったまま、緑は危うさを感じさせない、しっかりした声を彼に投げた。

表情には、弁護士としての正義感がまだ存在している。だが、彼の要求に抗うわけにはいかないという人妻の切迫感もそこにはあった。

「あの学生さんが人妻弁護士になるなんて」
椅子に座ったまま、目の前でうごめく緑の肢体をじっと見つめる彼。

懸命に脚を閉ざす緑。彼はこんないやらしい行為に慣れているとでもいうように、そのつま先を好きなように動かしてくる。

ひざ丈のスカートからなまめかしく覗く人妻の美脚。その隙間を時間をかけてこじ開けた彼のつま先が、少しずつ緑のスカートの奥に伸びていく。

むちむちとした人妻の太腿が、彼の足を迎え入れる。テーブルの上に置かれた緑の指先が、所在なさげに動いた。

「何がお望みですか」
先刻と変わらぬ毅然とした口調で、緑はもう一度彼に訊いた。

椅子を前に動かし、足を更に延ばすように腰を落として、彼は落ち着いた風に言った。

「今、申し上げた通りです」
「・・・・」
「緑先生に教えてあげたいだけですよ」

人妻の危うい瞳を観察するように見つめながら、彼はずっとつま先を動かし続けている。足の指先が、緑の内腿の随分奥にまで届いている。

「18年経って私がどれぐらい上達したのか」
「そんなこと、知る必要ありません」

緑はきっぱりとそう言いながら、こじ開けられようとしている両脚に更に力を込めた。だが、一度侵入した彼の足は、簡単に追い払うことなどできなかった。

「緑先生がもし私の提案に同意してくれるのならば」
「・・・・」
「写真も映像も全てお返しします」

信憑性などない彼の言葉。だが、緑はその言葉に僅かに心を揺らした。そんな動揺が、人妻にこんな台詞を吐かせた。

「信じられません、そんな言葉」
「これでもまっとうに働いている人間です。弁護士を脅迫したという罪で人生を棒に振りたくないですから」

「既に立派な脅迫罪ですわ」
「私は交渉しているだけですよ、緑先生と」

体を売ったという疑惑を世間に持たれたならば、彼の人生だけでなく、私のそれだって終わるのかもしれない。少なくとも、この仕事を続けることは難しくなる。

だが、素直に彼の要求を受け入れることなど、できるはずはない。

「あのとき、いくら我々が払ったか覚えてらっしゃいますか、緑先生」
人妻の動揺を突くように、彼がささやいた。

彼のつま先が更に伸びた。緑の肢体が、彼に気付かれることなく、かすかに震えた。

「やめてください、こんなところで」
「他の場所ならいいんでしょうか」

「そういう意味ではありません・・・・」
ショーツを確かに撫で始めた彼の足先を感じながら、緑は鼓動が少しばかり高鳴っていることに気付いた。

ドアの向こうに、人の気配はしない。二人のスタッフにはここに入ってこないよう指示を出してある。

それは、別に珍しいことではなかった。彼女たちは、何の不審を感じることなく、仕事を進めているに違いない。

そんな日常がドアのすぐ向こう側にあることを感じ、緑は更に焦りを感じた。

「緑先生、脚を開いてください」
「断ります」

彼と視線をあわせぬまま、緑は小さな、しかししっかりとした声で答えた。彼の責めは的確だった。緑は、一番触れられてほしくないスポットを彼の足先が突いてくることを感じ始めていた。

「声を出しますよ」
「事務員さんたちがこの部屋に飛び込んできて、私は糾弾されますね」

「ええ」
「18年前のある出来事について相談に来たんです、と私は説明するでしょう」

彼の足の親指が、緑の股間の中心をぐいと突いた。確かな刺激を感じながらも、緑は表情を歪めることなく、そのまま椅子に座り続けた。

繰り返し、執拗に彼のつま先が動き始めた。人妻は唇を僅かに噛み、やや下を向いて肢体を固めた。それは、彼の与える罰を受け入れるかのようなポーズだった。

「動かないで、緑先生」
彼の言葉には、抗うことのできないような気配が漂っている。このままこの部屋で少しばかり我慢すれば、全て解決されるかもしれない。淡い期待が、緑の体奥に芽生えていた。

それに、緑には自信があった。彼に何をされても自分が乱れることはない、という人妻としての自信が。

時間が経過していく。面談室は静寂に包まれている。彼の足は人妻のスカートの奥で震え続けている。緑は敢えて、抵抗を放棄し、彼の望むようにさせた。

最初は、けだるさを感じるような彼の行為だった。少しずつそれに慣れた緑は、確かな余裕を感じ、息を整えた。

だが、彼に慌てた様子はなかった。この先の展開を読んでいるかのように、彼は単調につま先を動かし、人妻のショーツを突き続けてくる。

ストライプの入った紺色のスーツに身を包んだ緑。白いシャツの下に、僅かな汗を緑が感じたのは、彼の足を股間に導き入れてから20分程度経過した頃だった。

緑は、目の前に座る彼の顔を見つめた。その表情は依然穏やかで、紳士的と形容できるほどの落ち着きがそこにはあった。

人妻のほんのわずかな心の揺れに気付いたのか、彼が静かに口を開いた。

「暑いですか?」
「・・・・」

「暑いようなら、スーツを脱いでください、緑先生」
「いえ、結構です」

緑は明らかな汗の滴をシャツの下、脇の辺りに感じながら、彼に答えた。上半身のプロポーションを観察するような彼の視線.。肉体を彼に想像されている。

それが、人妻の熱を更に刺激した。

「いつまで続けるおつもりですか」
暑さと喉の渇きを感じながら、人妻は彼を見つめ返して言った。

「緑先生が私を欲しがるまでです」
「それならば、時間の無駄かと思いますが」
「そうでしょうか」

緑の挑発的な言葉に、彼が動揺するような様子はなかった。再び唇を閉ざした人妻を見つめ、彼は更に深々と椅子の上に腰を沈めた。

「緑先生、これをお受け取りください」
つま先の動きを停止させ、彼は自らのカバンの中から取り出したものを机の上に置いた。

それは旧式の小型ビデオテープと写真のネガのようだった。

「信用いただけないかと思いますが、コピーなど持っていませんので」
「・・・・」

「交渉成立と考えていいですね」
「待ってください」

それを押し返そうとする人妻の腕には、真剣な力はこめられていなかった。彼に渡されたものを手の中でもてあそぶように、緑は指先を絡めた。

彼の足が再び動き始めた。それは、先刻までとはまるで違う動きだった。5本の指がそれぞれの意志でばらばらに、秘所付近をいじめ始めたことを緑は感じた。

「まだ続けるんですか」
「まだ始めてもいませんよ、緑先生」

白く柔らかな内腿の付け根。ショーツに隠された大切なスポット。人妻のそこは、夫にしか許したことのない箇所だ。

その付近を動き始めた彼の足の5本の指。くすぐったさと震え。何か、声をあげずにはいられないような衝動。

息苦しさを紛らわすかのように、人妻の躰が椅子の上で動く。逃がすまいと巧みに吸い付いてくる彼のつま先。

それを思わず、緑は両脚で強く挟み込んでしまう。

「どんな気分ですか、緑先生」
「普通です」

「まだ我慢できるんですね」
「勿論ですが・・・・、ただ次の面談アポもありますから」

緑は思わずそんな嘘を口にした。

彼の足の指が、人妻のショーツの裏側に滑り込むような気配を示した。緑は思わず腕を伸ばし、初めて彼の腕を片手でつかんだ。

「いい加減にしてもらえますか」
「緑先生、それを受け取ったからには、もう少し我慢してもらいますよ」

机の上に置かれたものに片手を置く人妻を見つめ、彼は足先の動きを続けた。既に30分以上、彼の責めは続いている。

2本の指で挟まれ、下着がめくりあげられるような感触を人妻は感じた。汗の滴が緑の脇腹をつたった。

「本当に声を出しますよ」
「どんな声をですか、緑先生」

ぐいぐいと下着を引っ張るように動く彼の足先。ドアの向こうで二人の女性スタッフがのどかに笑いあう声が聞こえる。

机の上で、緑はこぶしを握り締めるように指先を動かした。

「そろそろ次の面談が・・・・」
「そんなもの、最初からないんでしょう、緑先生」

ひも状にまでされたショーツが、人妻の美唇をこするように動く。

「いやっ・・・・・」
人妻は、彼に屈するような声を初めて漏らし、椅子を強く後方に引いてその足から何とか逃げた。

「今度は手でしてあげますよ、緑先生」
彼はスーツの上着を脱ぎ、静かにその場に立ち上がった。


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