FC2ブログ

脅迫(35)

2010 03 23
「ううっ・・・・」
想定外の男の行為に、志織は苦しげな声を漏らすことしかできなかった。

後頭部を押さえつけられ、逃げることができない。立ったままの格好で、志織は唇に押し付けられたビール缶の中の液体を喉に流し込み、そして激しく咳き込んだ。

「酔っ払いたい気分でしょう、奥さん?」
赤木はしかし、その行為に固執しようとはしなかった。わずかでも志織がそれを飲んだことを知ると、それに満足したかのように、缶を持つ手を引っ込める。

「そんな気分じゃないです・・・・」
濡れた唇を右手で拭いながら、志織は背後の男の表情を見つめた。相変わらず、紳士然とした落ち着いた男の姿が、そこにはあった。

「さあ、スカートを早く脱いでくださいよ」
志織と少し距離を置き、赤木がそうつぶやく。人妻に何かを主張するかのように、彼は手にしたビールを自分でも口に含む。

その様子を見つめながら、志織は思い出していた。この男が不正な薬物を入手し、それを利用して女性たちを毒牙に染めているという、刑事の言葉を。

薬を使ってセックスの快感を加速させるんですよ・・・・

志織は妙な妄想を抱かずにはいられなかった。冷蔵庫から取り出した缶ビールの蓋を開け、志織の背後で素早く「それ」を混入させる赤木の姿を。

飲んだ液体に、特におかしな味は感じられなかった。だが、いったん思い込んでしまうと、体が勝手にその憶測を支持するかのような反応を示し始める。

志織は急速に喉の渇きを覚える自分を感じていた。汗ばむほどの熱を素肌が帯びてきたのは、いったい何のせいなのか・・・・。

「さあ、奥さん、早くしてください」
赤木の言葉に、志織は自分が今、どんな状況に置かれているのかを思い出した。

とにかく、早くこの男に私を襲わせればいいのよ・・・・

赤木に背を向けたまま、志織は腰のジッパーを完全に下ろすと、覚悟を決めたかのようにスカートを床にすとんと落下させた。

薄桃色のスリップ1枚だけの姿になった志織は、高鳴る鼓動を感じながら、背後から男の手が自分に伸びてくる瞬間を想像した。

しかし、赤木はアクションを起こそうとはしなかった。無言のまま、背後で立ち続けている。妖しい緊張に包まれた室内には、静寂だけが漂い続けた。

男の視線が自分の体を這い回っているのを、志織ははっきりと感じた。スリップに包まれた肉体の曲線を確認するように、彼はいやらしく私を見つめているのだ。

早く・・・・、さあ、早くしてっ・・・・

彼の視線に犯されるような気分に襲われ、志織は耐え続けることが苦しくなってきた。いつも以上に、肢体全体が敏感に何かを待っているような気がする。

赤木の手に触れられるのを待っているのだ。背中、脇腹、ヒップ、そして乳房。体の至る所が、男に触れられるのを覚悟すると同時に、それを待望している。

あの日、携帯電話を握り締めて自慰行為に淫した自分が、少しずつ目を覚ますのがわかる。冷静な感情とは別のところで、肉体が興奮の予感に包まれていく。

早くしてっ・・・・、早く好きにしてってば・・・・

心の中で繰り返すその叫びが、志織には次第に別の意味を伴っているような気がしてきた。夫には決して教えてもらうことのない、濃厚な快感を欲しがっているのだ。

あの山小屋で知った悦びを、自分がこんな場面で求めている。志織はそんな自分をコントロールすることが、次第に難しくなっていくのを感じていた。

「赤木さん・・・・・」
「どうしましたか、奥さん?」

「早く・・・・、早くすればいいでしょう・・・・」
これ以上焦らされることに耐え切れず、志織は自分から沈黙を破ってしまう。

「奥さん、何をでしょうか?」
「だから・・・・、だから調べたいんでしょう、私のことを・・・・」

自分から体を差し出すような言葉を口にした自分に、志織は深い戸惑いを感じた。一部始終を夫に見つめられていることを思い出し、人妻の動揺は加速する。

「まあ、そんなに慌てないでくださいよ、奥さん」
「・・・・」

「奥さんの見事な体をもう少し拝見させてください」
赤木は志織の耳元でそうささやくと、再びビール缶の端で人妻のヒップをいやらしく撫で上げた。思わず、志織の体がぴくっと揺れる。

「動かないで、奥さん」
赤木の指示が絶対のものであるかのように、志織は何の抵抗もできない。まっすぐに立ったまま、男が美尻を撫でることを許し続ける。

男の体が少しずつ接近してくるのを感じる。カメラ越しの夫の視線から逃れるように、志織は瞳を閉じ、何度か深い吐息を漏らす。

「リラックスしてください、奥さん」
「・・・・」

「ずっと欲しかったんでしょう、あの快感が」
低い声でささやき続ける男が、ビール缶で志織のヒップの谷間を撫で上げる。ぞくぞくと震えるような感覚が、志織の全身を走り抜ける。

いやんっ・・・・

赤木のもう一方の手が背後から、志織の乳房へと伸びてくる。人妻の反応を確かめるように、男はスリップに隠されたその膨らみを、ゆっくりと撫で回す。

触れているのかわからないほどに、柔らかなタッチだった。胸元から脇腹へとそっと動かす手のひらに、男は人妻の見事なスタイルを記憶させようとする。

「完璧な体ですよ、奥さん」
右手を志織の前のテーブルにまで伸ばし、ビール缶を静かに置く。空いたその手で、赤木は志織のスリップを後ろから捲り上げる。

駄目っ・・・・

男の手がショーツに触れ、人妻の割れた桃尻を5本の指先でくすぐるように刺激する。思わず、志織は小さく首を振ってしまう。

「どうしましたか、奥さん?」
余裕を漂わせる男の声が、人妻を更に追い込んでいく。志織はもう、この男に自分が罠を仕掛けているのかどうか、それさえもわからなくなる。

あなた、早く・・・・、もうこんなことされてるのよ・・・・

ヒップを撫でられているだけなのだが、志織にはそれが、男を拘束するための十分な理由になるような気がした。彼は確かに、私を襲おうとしているのだ。

だが、あの刑事が家の中に踏み込んでくる気配は一向に感じられない。まるで、男の行為がまだ十分ではない、とでもいうように。

「奥さん、何を待っているんですか?」
「・・・・・」

「いくら待ったって、誰も来やしませんよ」
赤木の腕に突然力が込められ、志織の体が強く引き寄せられる。強引に顔を横向きにされ、志織はその唇を男に奪われる予感に包まれる。

志織、もっとその男の好きにさせてやるんだ・・・・

赤木の唇が静かに重なってきたとき、志織は夫がそう指示するのを感じた。唇は懸命に閉じながらも、志織は赤木の求めるままに口を吸われた。



(↑クリック、凄く嬉しいです)


エルシーラブコスメティック
Comment

管理者のみに表示