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嘘のしずく(3)

2010 05 01
「Number 18, please・・・・」
建物の中に入る通路を塞ぐように、中年の男が座っている。無言のまま不機嫌そうにこちらを見ているその男に、私はそう告げた。

ショーウィンドウの中の女性は、既に自分が指名されたことに気づいている。ミニスカート姿で私に手を振りながら、嬉々とした様子で外に出てくる。

日本円で5000円少々の金額を男に渡す。現実を逃れるための30分間の時間が、私に与えられる。

「Come on・・・・・」
そう声をかけてくる女に手を引かれ、私は建物内に足を踏み入れた。

建物とは言っても、長屋のような小汚い一軒家だ。木製の狭い階段を昇れば、小さな部屋がいくつか並んでいる。女はその1つに私を招き入れる。

周辺国から出稼ぎに来ている若い女に違いない。恐らく20代前半だろう。彼女はまさに、この部屋に住んでいるのだ。

カラフルなカーテン、CDコンポ、ファッション雑誌、そして壁に貼られたデビッドベッカムの切り抜き写真。そこには彼女の生活の匂いが確かに漂っていた。

「Take a shower?」
女がそう言いながら私のワイシャツに手を伸ばしてくる。ためらうことなく脱ぎ捨てたそのシャツを、彼女は丁寧にハンガーにかけてくれる。

タンクトップ、そしてミニスカートを脱ぎ、女自身も下着姿になった。立ったまま、私の素肌にキスをしながら、伸ばした手でベルトを外し、ズボンを下ろしていく。

明らかに豊胸手術をしたと思わせる、見事な乳房が桃色のブラに包まれ、目の前にある。私はそれを乱暴な手つきで揉みしだく。

「Ummm・・・・・」
戸惑った声をあげながら、女は私のトランクスを引き摺り下ろす。全裸の私をシャワー室へと押し込み、自らも下着を脱ぎ捨て、生まれたままの姿になる。

お湯を浴びる私に背後から抱きついてきた彼女が、私の全身に石鹸を塗りたくっていく。経験の少ない若者のように勃起したペニスを見つめ、女が笑う。

ソープで濡れた右手で、彼女は硬い棒をゆっくりとしごき始める。目を閉じた私は、それを妻にされていることを想像してみる。

妻は、そんな淫らな行為をしてくれるような女ではない。それだけに、私はそれを妄想することで、どこか背徳的な興奮を感じることができた。

晃子・・・・・

半年以上も肌を重ねていない妻のことを思いながら、私は一気に興奮が増してくるのを感じる。女の手首を掴み、強引に下腹部から離す。

「Can't wait・・・・」
女の方に振り向き、その肉感的な裸体をきつく抱きしめる。私の首筋にキスを浴びせながら、女はやがてシャワーを止め、白いバスタオルを渡す。

互いの体の水滴をふき取りながら、部屋に戻る。部屋の大部分を占めるベッドに彼女を押し倒し、私は右手で女の片脚を押し広げる。

「UUHH・・・・」
色っぽい声を女があげる。それが意図的なものであることを知りながら、私は更にペニスを硬くせずにはいられなかった。

腿の裏側を撫で上げ、狂ったように女の乳房をしゃぶる。よがり声をあげる女が、私の背中に腕を絡めてくる。互いの興奮を伝え合うように二人は強く抱き合う。

熱を帯びた素肌が密着する。この温もりを自分がどれほどに欲しているのか、私は改めて感じる。妻のことを少しばかり恨みながら、私は一匹のオスと化していく。

「Let me do it・・・・」
挿入の予感を察知したのか、女は私の耳元でそう囁くと、巧みに肢体を入れ替え、自分が上になった。いつのまにか、彼女はコンドームを手にしていた。

仰向けに寝る私をなまめかしい視線で見つめ、そのゴムを私の肉棒に装着する。そして、天井を向いたそれを口に咥え、じゅるじゅると音を立ててしゃぶりあげる。

「ああっ・・・・・・」
10秒近くそれをされただけで、私はもう我慢できなくなった。彼女の両肩に触れ、私は早くその行為が欲しいことを伝えた。

ペニスから口を離し、うっとりとした表情で女がこちらを見つめてくる。そして私の上で大胆に脚を広げ、ペニスを握りながらゆっくりと腰を沈めていく。

「AAHH・・・・」
私のものを根元まで招きいれた瞬間、彼女の口から濃厚な吐息が漏れた。

たいした前戯もしていないのに、彼女の秘所は既にぐっしょりと濡れていた。私の胸に手を置き、女は声をあげて腰を振り始める。

「AH・・・、AH、Come on・・・・・」
嬌声を漏らす若い娼婦の腰に手を伸ばし、私はそれを激しく前後に揺すった。粗末なベッドがきしむ音を感じながら、何度も腰を突き上げる。

晃子の裸体の記憶が、私の脳裏をよぎる。深い罪の意識に襲われ、私はそれを懸命に振り払おうとした。しかしそれは消え去るどころか、私を完全に支配していく。

本社役員の出張アテンドが終わったという開放感、そして妻との間に横たわる見えない壁の存在が、私の興奮を狂気の淵へと導いていく。

晃子・・・・・

妻とはほとんど試したことのない体位で、私は晃子が激しく乱れる姿を想像した。自分が妻にそこまでの悦びを与えたことがないという事実から目を逸らし、私は妄想の中で晃子を絶頂にまで導く。

まだ私が聞いたことのないような妻の叫びが、私の耳に何度も響く。

ああっ、あなた・・・・・、ああんっ、凄いっ・・・・・・

飾り窓にいる女の体が欲しかったはずの自分が、実は妻を抱くことに強烈に飢えていたことを感じながら、私は我慢しようともせず、欲情を解き放った。

晃子・・・・、ああっ、いくぞっ・・・・・

あなたっ、早くっ・・・・・、早くっ、出してっ・・・・・・

私の放出を察知した女は、すぐに腰のスライドを停止した。膣の中のペニスを引き抜き、精液のたまったコンドームを慣れた手つきで取り去る。

「So good?・・・・」
あまりに早いフィニッシュをなじるようなこともせず、彼女はそう私に笑いかけてきた。そして、ぐったりとした私の隣に寄り添うように横になる。

「married, Huh ?」
私の左手薬指の指輪を撫でながら、女がささやいてくる。私が妻を抱いていることを想像しながら果てたなどとは、この若い女は想像さえしていないだろう。

女の出身地、この国にいつ来たのか、いつ帰国するのか、ボーイフレンドはいるのか。他愛もない話を交わしながら、私は表現できない不安感に包まれていた。

いったい俺はどこに向かおうとしているのだろうか・・・・・

毛嫌いしていたはずのこんな場所に、今や何の戸惑いもなく一人で足を踏み入れている。もう半年以上も晃子と愛し合ってもいない。

駐在して2年、何かが狂い始めている。異国の売春婦の肌を撫でながら、私は予感していた。歪み始めたレールはもう元に戻すことはできないかもしれない、と。



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