FC2ブログ

波涛の彼方(9)

2010 07 01
「やめてくださいっ・・・・・・」
朋子は、伸びてくる村岡の手を懸命に制した。立ち上がることを許されず、彼女は座ったままの姿勢で男の接近から逃れようとした。

男の行動はあまりに非礼なものだった。初対面と言ってもいい自分に、なぜこんな大胆な振る舞いができるのか、それを考えただけで、朋子は陰鬱な気分になった。

自分はこんな人間が存在する島に来てしまったのだ。村岡への怒りは、自分が足を踏み入れたこの島にそのまま向けられた。

やはり東京とは違う。東京にだって酷い男はいくらでもいるだろうが、少なくともこんな男に遭遇したことは、これまでの朋子にはなかった。

朋子のそんな思いは、しかし、村岡にはっきりと伝わっていた。

「奥さん、この島のことを馬鹿にしてるんだろう?」
「・・・・・」

「俺みたいな男が住んでるこの島に、やっぱり来なきゃよかったって、はっきり顔に書いてありますよ、奥さん」
「そんなこと・・・・・・・・」

「働きたくても仕事がないんだよ。この気持ちはあんたみたいな温室育ちの人妻にはわからないだろうなあ」

村岡はつぶやくようにそんな言葉を口にしながら、再び朋子の胸元に手を伸ばした。抵抗する人妻の腕を無視できるほどに、彼の力は勝っていた。

「これが東京の女の体ですか」
片腕を朋子の腰に回し、もう片手で男はシャツの上から彼女の胸を愛撫した。

「いやっ・・・・・・・、声を出しますよ、村岡さんっ・・・・・・・」
「奥さん、ここは東京じゃないんだ。叫んだって誰も来やしませんよ」

何度も立ち上がろうとしたが、その度に男の腕の力が増していく。男の手はもう、朋子の豊かな乳房を完全にとらえていた。

「思ったとおり、やせてるのに巨乳なんだな、奥さんは・・・・・・」
「・・・・・・・」
「東京にもこんないい女はなかなかいるもんじゃないでしょう・・・・・・」

晴れ渡った海岸とは、あまりにかけ離れた状況に追い込まれた自分を、朋子は信じることができなかった。だが、素肌を伝う汗のしずくが、これは現実のものであることを朋子に教えてきた。

あなた・・・・・・、どうすればいいの・・・・・・・

隆夫のことを思い出さずにはいられなかった。結婚後、別の男にこんな風に体に触れられたことなど、朋子には一度たりともなかった。

人妻の変化を楽しむように、男は執拗に朋子の乳房を責め続けた。無骨でありながら時折微妙に力を緩めるようなその手つきは、夫のそれとはまた違うように思えた。

「いやですっ・・・・、お願い、もうやめてくださいっ・・・・・」
抵抗する声は、男のことをまだ気遣うかのように弱々しいものだった。朋子は誰か早くここに来ないか、それだけを心に願った。

「感じてきたのか、奥さん?」
次第に口数の少なくなってきた朋子の耳元で、村岡がささやいてくる。朋子の後頭部を掴み、男は強引に唇を重ねる。

「ううんっ・・・・・・」
タバコの香りが混在した、男の不潔な舌の存在を感じた。それは夫にはない、野生的なものだった。

動物みたいに暮らす、という男の言葉が朋子の脳裏をよぎった。これほどの上質な女を襲う機会に遭遇した幸運を確かめるように、彼は激しく朋子の唇を吸った。

「奥さん、ほら、唇を開けよ・・・・・」
村岡の要求を、朋子は激しく首を振って拒絶した。唇をどれだけ舐められようと、この男の舌先を口内に侵入させるのだけは、朋子には許せなかった。

「この島じゃもっと素直にならなきゃ駄目だぜ、奥さん・・・・・・」
「・・・・・・・」

「もう逃げられないんだ、あんたは。海に囲まれたこの島じゃ、どこに隠れたってすぐに見つけ出してやる・・・・」

男の指先が朋子のシャツのボタンに伸びる。それを外される気配を感じながら、朋子は激しく肢体をくねらせた。

その隙を突くように、男の指は素早く移動し、朋子のかすかに開いた両脚の隙間に入り込んだ。デニムの上から、男は朋子の大切な箇所をぐいぐいと押した。

「ううんっ・・・・・・・・」
唇を閉じたまま、朋子は懸命に耐えた。しかし、男の責めが過激なものになってくるにつれて、朋子は覚えたことのないような気分に包まれ始めていた。

夫に抱かれたこの島での初夜。嵐の中、自分でも戸惑うほどに濡れた朋子は、初めての絶頂の寸前まで導かれながら、そこに到達することはできなかった。

その記憶が、体の奥からじわじわと湧き上がってくるような気がした。あれをまた欲しがっている自分を感じ、朋子は混乱した。

駄目っ・・・・・・、こんな汚れた男に好きなようにさせちゃ・・・・・・

「奥さん、こうやると体がぴくぴく反応するじゃないですか・・・・・」
朋子の秘所をデニム越しに繰り返しいじめながら、村岡はおかしそうにそう言った。

やめてっ・・・・・、そんな風にしないでっ・・・・・・

このままでは、男のペースから逃げることなどできやしない。朋子が半ば観念するような気分になりかけたときだった。

すぐ背後の道路でクラクションが数回鳴り響いた。車が急停止する音が聞こえたと思うと、1人の女性がそこから降りてきた。

「ちょっと! 何やってるの、そこで!」
彼女の姿を見た途端、村岡はくやしそうに舌打ちをした。そして、シャツのボタンを数個外された人妻の姿を見つめ、捨て台詞のように言った。

「奥さん、いつか続きをしてやるよ・・・・・」
彼は足早にそこを走り去ると、自分の車に乗り込んで瞬く間に姿を消した。

コンクリートの上に座ったまま、朋子は動くことができなかった。



(↑クリック、凄く嬉しいです)


エルシーコスメ&ラブグッズ体験談


Comment
あ~良いですね(*'Д')
こういう無理矢理な感じ好きです……

管理者のみに表示