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波涛の彼方(16)

2010 07 01
「これは珍しい方がいらっしゃいましたなあ・・・・・」
遅刻してきたその男の姿を見るなり、座敷にいた面々からそんな声が漏れた。

その声色は彼の到着を意外に思っていると同時に、決して歓迎していないことを示すものだった。賑やかだった座敷に、白けたような雰囲気が漂った。

「どうしたんですか、村岡さん?」
司会役を務めていた男は、今、朋子のすぐ隣にいた。人妻の腕に伸ばしていた手を引っ込め、彼は入口に立つ男に少し不機嫌そうにそう言った。

「別にいいんでしょう、俺がここに参加しても」
「まあ、そりゃそうだけど、でもあんた・・・・・・」
「今年は邪魔するような真似はしませんよ。ちゃんと祭に協力しますから」

村岡は皆を制するような声でそう言うと、立ったまま参加者の顔を見渡した。そして、探していた人間がやはりここにいることに、彼は気づいた。

「おっさん、ちょっとここに座らせてもらうよ」
迷うことなく朋子のそばにまでやってくると、村岡は司会役の老人を強引に押しのけ、そこに割り込んだ。

「さあ、今夜は立ち上げ会なんでしょう。派手に飲みましょうよ」
周囲の冷たい視線を振り払うように、村岡は再びそう声を荒げた。仕方ないといった様子で、参加者たちは彼とは距離を置いたテーブルで、食事を再開した。

大半が老人と言ってもいいような世代だ。隆夫と同じく、恐らく40代前半だろうと思われる村岡は、この集団の中では明らかに浮いた存在だった。

朋子も勿論そうだったが、参加者達はその人妻のことを歓迎していた。そこに欲情が混在していたことは確かだが、彼らは朋子に接近しようとしていた。だが、村岡に対しては違った。別世代のこの男に、彼らは近づこうともしなかった。

「奥さん、しばらくです」
村岡は意図的に周囲に聞こえるような声でそう言うと、空のグラスを手に持ち、朋子の前に差し出した。

無言のまま、朋子はそこにビールを注いだ。自分とこの男が何か関係を持っていると周囲に思われるのが、朋子にはたまらなく嫌だった。

「今日はまた一段と色っぽいですね、奥さん」
一気にビールを飲み干すと、村岡は朋子のスカートの上から軽く脚に触れた。

「さあ、奥さんも飲んでよ。いやらしいじいさんの相手はもう飽きたでしょう?」
周囲の視線を感じながら、朋子は少しだけコップに口をつける。村岡は、その人妻が自分のものだと言わんばかりに、朋子の腰に手を巻きつけた。

「やめてくださいっ・・・・・・」
「さっきはじいさんたちに好きにやらせてたんだろう?」
「そんな・・・・・・・」

村岡の指摘は、決していい加減なものではなかった。彼がここに姿を現す前、朋子は確かに隣に座った男たちに体を触られていた。

司会役の男に腕を握られていただけでなく、反対側の隣の男にも、朋子は脚を撫でられていた。それは、飲みの席での軽いおふざけといった類の行為だった。

やんわりと制しながらも、朋子はそれを激しく拒絶することはなかった。彼らの機嫌を損ねるようなことはしたくなかったのだ。

この島での孤独な状況を、自分なりに楽しんではいたが、しかし朋子は、この夏祭りの企画をきっかけに、少しでも住民達と交流できればと考えていた。

そんな気持ちが、男達の欲望を少しだけ満たしてやることを許していた。村岡は、朋子のその行為を、まるで目撃していたかのように指摘した。

「どうなんです、奥さん、三原のおやじに触らせてたんだろう?」
村岡の視線が司会役の老人のほうに向いた。三原という名前らしいその男は、ばつが悪そうな表情で顔を背け、料理に手を伸ばした。

「奥さん、この島のことをまだよく知らないようですね」
「えっ・・・・・・」

「こういう集いがあるときはね、無礼講なんですよ」
「・・・・・・・」

「男と女が酔って触りあうことぐらい当たり前なんだ。みんなそれを楽しみに参加してるんだから。聞いてみなよ、まわりのじいさんたちに」

朋子は言葉に詰まった。島の慣習を知らないだろう、という村岡の言葉が、冷たく突き刺さる。周囲に彼の説明を否定する雰囲気はなかった。

「こんな楽しみでもないとやっていけないんだよ、この島では。前もそう教えてやっただろう、奥さん?」

脚を少し崩した格好で座布団に座る朋子のヒップを、村岡はいやらしく撫でた。朋子は男の腕に手を伸ばし、それを退けようとした。

「ここに参加したってことは、そうされる覚悟で来てるんだって、みんな思ってるぜ。だから奥さんの体に遠慮なく手を伸ばしてきただろう?」

次第に、村岡の説明が真実のように思えてきた。確かに、三原という老人やその他の男たちの視線は、どこか好色めいたものだった。

「今日は余計な邪魔が入る心配もないな」
菊地あずさに現場を目撃された先日の記憶を匂わせながら、村岡は朋子の抵抗を無視し、彼女の丸い桃尻をきつく揉みあげた。

「やめてっ・・・・・・」
「すぐによくなるよ、奥さん・・・・、この前みたいに・・・・・・」

あの浜辺で下着をかすかに湿らせてしまった朋子のことを、村岡はまるで知っているかのように、そうささやいた。

「三原のおっさんにもまた参加してもらおうか、奥さん?」
「困ります・・・・・・・」
「ほんとかな、二人にやって欲しいんじゃないのか?」

村岡の手が脇腹に伸びてくる。乳房の裾野あたりに小指を達しながら、彼は朋子の腹部をゆっくりと撫でた。薄いシャツの下の素肌に、男の欲情が伝わってくる。

「胸も触らせてたのか、奥さん?」
「そんなこと・・・・・、するわけありません・・・・・・」

「じゃあ俺が最初ってわけか」
手にしていたコップを置き、彼は両手で朋子の肢体を抱き寄せた。背中から男に倒れこむような格好のまま、朋子は乳房をシャツ越しに愛撫された。

「いやっ・・・・・・・」
小さな声でそう漏らしながら、朋子は村岡の先程の言葉に誘導されるように、三原の座るあたりを見つめた。

村岡を制することなく、その老人は、朋子の乱れていく様子をじっと見つめている。



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Comment
今回のストーリーもわくわくしますね!
毎日とても楽しみにしています。
のりのりさんは人妻が好きなのですか?
たくさんのストーリーをつくることができて、すごいと思います。

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