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誘われた妻~香奈の秘め事(6)

2010 11 01
私は何度も迷いました。自分が下した決断はあまりに飛躍したアイデアで、現実的でないように思えたのです。

ハンドルを握り、深夜の道路を病院に向かう途中でも、私はまだ迷っていました。果たしてこんなことをする意味があるのだろうか、と。

恐らく、あかりは明日には退院できるでしょう。そうなれば、妻が娘の付き添いで病院に泊まるのは、今夜が最後ということになります。

それが、あの水口という名の若い医師にとってどんな意味を持つのか。夕刻、彼が私に投げかけてきた言葉に、その答えが隠されているような気がしました。

彼が私の妻に好意を抱いていることは間違いありません。妻と会話を交わす彼の姿から私が感じた印象は、決して間違ったものではなかったのです。

しかし、だからといって、彼が私が想像しているような思い切った行動にでるものでしょうか。妻と過ごすため、深夜の病室に忍び込むなんて・・・・。

考えを巡らせているうちに、車は病院の駐車場に到着しました。もう、悩んでいる余裕はありません。私は固い決意とともに、車を降りました。

もやもやとした疑いが、この数日間、私を覆っています。それを早くはっきりさせる必要があります。事実をこの目で確かめてみるのです。

妻の病室の様子を伺い、そこに異常がなければすぐに自宅に戻ればいい。恐らく、こんな行動をとった自分を、私はただ笑うことになるでしょう。

腕時計を見ます。深夜1時になろうとしています。あの医師が妻の部屋を訪れるとしても、それがいったい何時なのか、その保証はありません。ただ何となく、私はこの時間にここに来てしまっただけです。

時間外の出入口を通り、病院内に入ります。薄暗いロビー、そして廊下には誰もいません。私は緊張を感じながら、エレベーターホールに向かいます。

誰かと出会ったらどうしよう。一瞬、そんな危惧を感じましたが、私はすぐ冷静さを取り戻します。患者の父親なのです。ここにいても何の不審もありません。

顔見知りの看護師も何人かいます。夜勤のスタッフがいれば、当然病院内にいるでしょう。そのときは、極自然な様子で挨拶をすればいいだけです。

娘が入院しているフロアにエレベーターが到着します。廊下に足を踏み出し、ゆっくりと歩みを進めます。

照明は一応ついてはいますが、廊下は薄暗く、やはり昼間とは違います。ナースセンターからは確かな人の気配が伝わってきます。

そこを静かに通り過ぎ、私は娘の病室の前にまでたどり着きました。いったい俺は何をしてるんだろう。迷いを捨て去ったはずの私に、再びそんな声が届きます。

しかし、もう引き返すことなどできません。すぐに用件は終わるはずです。この場で何もなければ、あっさりと今来た道を戻ればいいだけです。

ドアは固く閉ざされています。私はしばらくの間、そこで立ったまま、室内の物音を聞き取ろうとしました。しかし、何も聞こえてくる様子はありません。

やはり、妻は熟睡しているのだろう。私はそう思いながらもなおもしばらくそこに立ち、ドアに耳を当てるようにして中の様子を窺いました。

気のせいか、何か声のような音が聞こえてきます。酷くくぐもったその音は、まるで誰かに隠れてテレビを観ているような類のものでした。

そのかすかな音量が私の体を勝手に動かしました。ドアノブに手をかけ、音を立てることなく、静かに回し、わずかにドアを押します。

確かな空間がそこに生じます。室内は闇に包まれています。私はあたかも見舞いに来たかのような雰囲気で、ドアを更に押し、室内に体を滑り込ませました。

カーテン状の巨大な衝立が、昼間と同じようにすぐそこにあります。ドアを閉めた私は、その影にしゃがみこむような格好をとりました。

信じられないほどに鼓動が高鳴っています。すぐそこに妻が寝ているのです。私はポロシャツの下がじっとりと汗ばんでいることに気づきました。

息を潜めたまま、廊下で感じ取った音の正体を掴もうとしました。それは、すぐにわかりました。私の予想は正しくありませんでした。

妻は眠ってなどいなかったのです。

「だって、あんな風にお願いされたことなんてなかったですから」
それは、確かに妻の声でした。一瞬、私は妻が携帯で会話しているのかと思いました。しかし、妻の声に続いた男の声が、私の願いを打ち砕きました。

「へえ、ご主人に言われたこと、ないんですか?」
水口の声です。私は一気に血が沸き立つのを感じました。

「ないですよ~、そんなの。一度も言われたことないかもしれません」
年下であるはずの男に、妻は丁寧な口調で答えています。私は二人が何について話しているのか、すぐにはわかりませんでした。

「こんなに奥さんの脚が綺麗だったら、スカート履いてってお願いすると思うけどなあ」
「そうですか? ほんとはこれ、退院する日に履くためにって持ってきたんですよ」

どうやら、妻が身につけているタイトスカートが話題に上がっているようでした。今日、妻がそれを履いている理由が、水口のリクエストだというのです。

「ご主人がうらやましいですよ。ほら、こんなに脚細いし・・・・・」
二人は窓際のソファに座っているようです。ベッドの向こう側ですが、方向としてはこちらを見ている格好になります。

ただ、二人は私には全く気づいていない様子です。それもそうでしょう。まさか、こんな深夜の時間に、夫である私がここに来るとは想像もしていないはずです。

暗闇の室内で二人がどんな風に並んで座っているのか、私はそれを見たい激しい欲求を抱きます。しかし、勿論そんな勇気はありません。

会話が止み、ちょっとした沈黙が室内を支配します。穏やかな寝息だけがそこにあります。ベッドの上で、娘が熟睡しているのです。

その沈黙は、私の妄想を酷く刺激するものでした。娘の寝息の向こう側から、かすかな息遣いや、服が擦れるような音が、私の耳に届きます。

妻の美脚を褒めた水口はいったい何をしようとしているのでしょうか。スカート姿を望んだ彼が、ただ見るだけで満足するはずはありません。

「だあめ・・・・・・・」
まるでいたずらをする子供を叱るような妻の甘い声が、突然聞こえました。

「だって触らずにはいられませんよ」
「もう、先生ったら、人妻くどいてどうするつもりなんですか?」

妻の声には、どこか危ういゲームを楽しんでいる響きすら感じられます。それに対し、水口もまた、若者とは思えないような狡猾さを漂わせています。

「少しだけいいじゃないですか、奥さん」
「主人に叱られます、病院でこんなことしてるって見つかったら」

依然として、妻は笑みを感じさせるトーンの声で話しています。年下の男を弄ぶようなそんな妻の態度は、私の知らないものでした。

「昨日の夜の続きですよ。奥さん、約束してくれたじゃないですか」
水口の言葉が、私の体を更に熱くさせます。やはり、昨夜も何かあったのです。

妻の抵抗の言葉が止まりました。もう少しだけ、男の要求を受け入れてやることを決めたのでしょうか。淫らな妄想を誘う沈黙が、再び私を包み込んできます。



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Comment
月曜日の更新が待ち遠しかったですf^_^;)
早く香奈のはしたない声が聞きたいです!

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