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誘われた妻~香奈の秘め事(17)

2010 11 16
あの時、既に私が香奈と交際していたという事実を知り、諸原綾香は何かを伝え合うかのように、隣に座る彼氏、山崎と見つめあいました。

8年ほど前、あの夜の出来事。香奈が諸原綾香のアパートに泊まった経緯は聞かされていても、それ以上のことは何も知らないことに私は改めて気づきます。

香奈が同僚達と食事に行くと聞いた時、特に私に危惧することはありませんでした。おとなしいメンバーであり、不安を抱かせるような要素はなかったのです。

その夜、私は確か残業で遅くなり、午前零時頃に自宅に着いたはずです。香奈から電話やメールはありませんでしたが、それは珍しいことではありませんでした。

交際はしていましたが、私たちに毎晩必ず連絡をとりあうような習慣はなかったのです。毎日職場で顔を合わせているせいだったかもしれません。

帰宅した私は、深夜の食事を済ませると、シャワーを浴び、布団に入りました。そして、そのまま何の心配をすることもなく、眠りに就きました。

まさか、その夜、香奈が帰宅できない時間まで外にいて、そのまま諸原綾香のアパートに泊まったとは、私は想像もしていませんでした。

私がそれを知ったのは、確か翌日出勤した後のことです。その朝、香奈の様子が少しおかしいことに気づいた私に、彼女はそれをそっと教えてくれたのです。

その夜、私は仕事後に香奈と会い、改めて前夜のことを聞きました。同席した二人が想像以上に盛り上がって帰れなくなったこと、諸原綾香の家に泊まったこと。香奈は、戸惑った様子でそれを説明してくれました。

話を聞く限り、香奈は他の2名の派遣社員に完全に振り回されてしまったようです。しかし、諸原綾香の世話になるとは本当に意外でした。

「諸原なんて、香奈は別に親しくもないのになあ」
「うん、でも、諸原さんしか泊めてくれそうな人がいなかったみたいで・・・・」
「なるほどな・・・・。で、どうだったんだ、諸原の家は?」

私は、好奇心に煽られるかのように、そんなことを香奈に聞きました。派手な異性関係を噂される彼女が本当に男と同棲しているのか、興味本位で気になったのです。

「びっくりしたよ、諸原さん、彼と一緒に住んでてね・・・・」
「へえ、やっぱそうなんだ。どんな男?」
「うーん、どうって・・・・、まだ若そうな人だったよ」

泊まりにいった同僚のアパートにまさか男がいるなんて、3人はどうやら知らなかったようです。皆が戸惑った様子を、香奈は面白く話してくれました。

「諸原さんしかいないって思ってたから、皆、もうびっくりしてさ・・・・」
「でも、あいつ男と同棲してるって噂あったぜ」

「え~、そうなの? みんな、知らなかったよ~」
「若いって、何歳ぐらいの男なの?」
「私と同じくらいかなあ。ひょっとして諸原さんより年下かも」

8年前の夜、そんなエピソードがあったことを、私はもう、完全に忘れ去っていました。当の本人である諸原綾香との再会が、その記憶を再び蘇らせたのです。

「ねえ、大島さん、あの夜のこと、香奈ちゃんから詳しく聞いた?」
「聞いたよ、君が若い男と同棲してたってさ」

私はにやにやと笑いながら、綾香にそう答えてやりました。しかし、彼女が期待していた答えは、私の言葉とは少し違うものだったようです。

「それだけ、ですか?」
「えっ、それだけって?」

「他に何か聞いてないんですか? 例えば、私の家で何をしたとか・・・・・」
「何をしたって、終電がなくなったから3人で泊まりに行っただけだろう?」

私の言葉に、綾香は少し気まずそうな笑みを浮かべ、再び山崎のことを見つめます。彼もまた、何か迷うような様子で綾香と視線を絡めています。

二人の意味深な素振りをしばらく見つめていた私は、その意味が何となくわかるような気がしてきました。あの夜、私が知らないことが何かあったのです。

おとなしいタイプの女性3人が、同僚でもある女性のアパートに突然訪問し、泊めてもらうことになった。そして、そこには若い男が1人いた。

話が盛り上がったというくらいですから、3人の女性は酔っていたに違いありません。それほど強くはないですが、香奈もお酒を飲めなくはありません。

食事の席で、いったいどんな話をしていたのでしょう。仕事上の不満か、或いは、異性関係の話か、恐らくはそんなところでしょう。

アパートに場所を移し、諸原綾香が加わったことで、更に話が続いたのかもしれません。深夜の心地よい酔いは、その場の雰囲気を思わぬ方向に導いて・・・・・。

そこまで考えたとき、私は息を止めるほどの衝撃を感じました。ある言葉が、私の体奥で響きます。病院の夜、妻が水口に密かに告白した言葉です。

「諸原、教えてもらえるかな、あの夜、君の家で何があったのか・・・・」
私のその要求に答えたのは、綾香ではなく、山崎のほうでした。

「いいんですか、ご主人には少しショックな話かもしれませんけど・・・・」
「でも、是非、聞いてみたいね」
「うーん、どうしようか、綾香・・・・・・」

山崎は少し困ったように、綾香にそう訊きます。彼女は少し考えた後、話題を変えるように、隣にいる私のことを見つめると、口を開きました。

「大島さん、香奈ちゃんと別に気まずい関係とかじゃないですよね?」
「まあ、仲良くやってるけど・・・・」

「結構濃い話ですから、お二人の関係に影響しなきゃいいですけどねえ」
意図的に明るい口調で話す綾香にあわせるように、山崎もまた、うーん、確かに濃い話だ、とおかしそうにつぶやきます。

「どんな話でも構わないさ。もう大昔のことだから、何とも思わないよ」
「そうですか・・・・、ま、ご主人としては知っておくべき話かもしれませんね、これは」

自分を納得させるようにそう言うと、山崎はやがて話を始めました。それは、彼が忠告した通り、夫である私を揺さぶると同時に、酷く興奮させる話でもありました。



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