FC2ブログ

誘われた妻~香奈の秘め事(21)

2010 11 22
「どうですか、大島さん、濃い話だったでしょう?」
隣に座る諸原綾香が、少しふざけた様子で私にそう言いました。話を終えた山崎も、喉の渇きを癒すようにビールを飲むと、彼女に続きます。

「すみません、1人で話し続けてしまって」
「い、いえ・・・・・・」

「本当はこんな風に話すなんてこと、あり得ないんでしょうけど」
「まあ、そうでしょうね・・・・」

山崎の言葉通り、確かにそれは酔狂な行為でした。8年前のこととはいえ、ある女性を寝取った事実を、彼女の夫となった男に堂々と告白するのですから。

しかも、さらりとした告白ではありません。その夜の状況を克明に再現するかのように、山崎の話は具体的で、強烈なイメージを伴ったものでした。

香奈がどんな風に抱かれ、乱れたのか、彼の話は私にそれをはっきりと教えてくれるものでした。私は、そこに嘘がないことを本能的に感じ取っていました。

あの夜、妻はこの男に本当に抱かれたのだ・・・・。私は、娘が入院した病室で、妻が若い医師に漏らした言葉のことを思い出しました。

夫以外に、過去にもう1人にだけ抱かれたことがある。妻のその科白を、私は彼女がとっさに口にした嘘だと考え、無理にそう信じ込んでいました。

しかし、そうではなかったのです。まさかこんな形で妻の言葉が事実だったことを知るなんて、私は想像もしていませんでした。

山崎と諸原綾香は、親密そうに肩を寄せ合い、すぐ隣にいる私の様子を観察しています。今夜の二人との遭遇が、何やら運命的なものに思えてしまいます。

妻の過去の秘密を私に教えてくれるために、綾香は私の前に姿を現した。そんな風に思えるほど、彼女達の告白は、私の心を妖しくかき乱すものでした。

「大丈夫ですか、大島さん?」
心配そうにそう訊いてくる綾香の視線には、いたずら心が混在しているようです。彼女は、このストーリーをずっと私に教えたがっていたのかもしれません。

おとなしい派遣社員、香奈と私が結婚したことを知り、彼女は意外に感じたのでしょう。そして、香奈の秘められた過去を私に教え、私たちの関係に少しばかりの波風を立てようとしたのでしょうか。

「大丈夫だよ。結婚前の昔のことだから、別に何とも思わないさ」
「でも、香奈ちゃん、このこと、大島さんには教えてなかったんでしょう?」

「そりゃそうだけど。でも、俺だって過去のこと全て香奈に教えてるわけじゃないし」
「へえ、じゃあ、大島さんも香奈ちゃんに内緒で浮気したことあるんだ~」

「おい、そういう意味じゃないよ・・・・」
「ふーん。まあ、そういうことにしておきましょうか」

私をからかうようにそうつぶやくと、綾香は再び山崎のことを甘えたように見つめます。この2人の関係が、私には更に不可思議なものに見えてきました。

今ではどうなのか知りませんが、当時、男遊びを繰り返していた綾香と別れようともしなかった山崎。そんな彼に、目の前で香奈を抱かせた綾香。

結婚することなく、2人は今でも同棲しているのでしょう。私は想像しました。体の相性がいいんです、と山崎が言ったように、このカップルが濃厚に愛し合う姿を。

その話しぶりからすると、山崎は自らのセックスに随分自信を持っているようでした。果たして妻は、この男の何を覚えているのでしょうか。

その秘密をずっと隠しながら、香奈は私に抱かれ続けてきたのです。あの若い医師に教えてもらう以前に、妻は私以外の男のセックスを知っていたのです。

私の行為には一切不満を漏らしたことのない妻。ただ、体奥のどこかでは、妻は感じていたのでしょうか。夫には決して言えない物足りなさを・・・・。

「香奈ちゃんももう33歳かあ。かなり大人っぽくなったんじゃないですか?」
私の戸惑いを煽り立てるように、綾香がささやいてきます。

「娘もできたから、すっかりママになってるよ」
「大島さんも心配でしょう。香奈ちゃん、昔から男に好かれるタイプだから」

「男に好かれるタイプ?」
「とびきり美人って訳じゃないけど、男が何故か構いたくなっちゃうタイプ。ねえ?」

同意を求めるように、綾香が山崎に視線を投げます。彼は、少し照れるように頷きます。綾香が口にしたその意見は、山崎の考えなのでしょうか。

妻の雰囲気には、確かにそんなところがあるのかもしれません。それがこの山崎を刺激し、そして、若い医師、水口をも誘った・・・・・。

「駄目ですよ、大島さん、香奈ちゃんのこと、ちゃんと見てないと」
「大丈夫さ。まあ、今はずっと家で主婦してるから、そんな機会もないし」
「そっか~。なら安心ですかね~」

勿論、あの病院で起こった出来事をここで告白するわけにはいきません。私は、水口に抱かれる妻の姿を思い出しながらも、平静を装いました。

会話はここで途切れました。私はしばらくの間、静かにカウンターに座り、酒を飲みました。綾香と山崎は距離を縮め、時折何か話しています。

もう、私がここにいる必要はありません。同僚達が待つ元のテーブルに戻ればいいのです。しかし、私にはそれができませんでした。

周囲に多くの人間がいる酒場だというのに、私は激しい興奮を感じていました。水口、そして山崎に激しく愛される妻の姿が、脳裏に何度も浮かんできます。

娘が退院したあの日に感じたあの刺激的な欲情を、私は再び思い出していました。もう否定することはできません。私は「それ」をはっきりと望んでいます。

今夜強引に妻を抱き、別の男に犯されていることを想像させるようなゲームをもう一度仕掛けようか。そう考えた私は、しかし、すぐにそれを却下しました。

もはや、そんな程度では満足できない自分に気づいたのです。私は、自分自身が何を望んでいるのかを、正直に認めようとしました。

あの病室で覗き見した光景。別の男に実際に犯される妻の声、そして姿を、もう一度味わいたい。そう考えたとき、1つの邪悪な計画が私の心に浮かびました。

待て、いったい何を考えているんだ。理性が私を制止しようと、そう叫んできます。お前はこの連中に試されているだけだ。

水口、そして諸原綾香と山崎。香奈への愛情を試そうと、彼らは一緒になってお前に妙な誘惑を仕向けているんだ。そんなもの無視して、元の生活に戻るんだ。

真面目な会社人間、そして家庭人としてこれまで40年弱の人生を歩んできた私には、甘い匂いを漂わせた誘惑が持つリスクの意味が、勿論わかっていました。

しかし、私を支配する欲情は、そんな理性を遥かに凌駕するものでした。私は妻の素顔を見たいと思ったのです。夫である私がまだ知らない、妻の素顔を。

「山崎さん、1つお願いがあるんですけどね・・・・」
その一言を発してしまった私に、もう後戻りはできませんでした。



(↑クリック、凄く嬉しいです)


エルシーコスメ&ラブグッズ体験談

Comment

管理者のみに表示