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近くに住む男(6)

2011 01 06
この男は異常な性癖の持ち主なのだろうか。想像もしなかった要求を口にした男の不吉な笑顔を見つめ、依子はその本音を探ろうとした。

「奥さん、被害者からの要求だぜ。早く準備するんだ」
互いの立場を依子に改めて認識させるように、本城は意図的に被害者という言葉を使った。唇を噛みながらも、依子は抵抗するわけにはいかなかった。

「わかりました。それであなたが満足されるっていうのなら・・・・・」
再び覚悟を秘めた口ぶりでそう言うと、依子は寝室をゆっくりと出た。

裁縫セットの中に、確かテープ状のメジャーがあったはずだ。階下に降りた依子はそれを手にし、長さが2メートルであることを確認する。

ワンピースのポケットにそれを入れ、浴室へと向かう。途中だった洗濯は既に終了し、洗濯機の音は止んでいる。その脇にある棚の下に、依子は手を伸ばす。

以前、通販で購入した体重計がそこにあった。スタイリッシュなデザインで薄型のそれは、男が危惧したように、重いものではなかった。

「これで私の体重を知って、いったい・・・・・・」
体重計を手にしながら、依子は小さくつぶやく。あの男に自分の体重が知られたからと言って、別に生活上支障が出るわけではない。

しかし、依子はどうしようもなく不快な気分だった。近くに住む人妻の体重に、普通の男なら関心など抱くはずなどないのに・・・・・。

体重計を抱え、階段を上がっていく。寝室のドアを開けた依子の姿を、窓際の椅子に座った本城が、うっすらと笑みを浮かべながら見つめる。

「ご苦労だったな、奥さん。早速、始めようか」
「いったい何をするのかしら、身体測定って・・・・・・」

依子の言葉に挑発するような香りが漂っていることに、本城は勿論気づいた様子だった。座ったまま、彼は顎で指図するように依子を睨みつける。

「何するって、奥さん、あんたの体を順番に測っていくんだよ」
包帯を巻いたつま先を気にしながら、本城が椅子から立ち上がる。ベッド脇の空間で、依子はどうすべきかわからないまま立ち尽くす。

「奥さん、メジャーを貸しなよ」
すぐそばにまで歩み寄ってきた男に、依子は素直にメジャーを渡す。それを手にした本城は、依子の横に回る。

「まずは身長からだ。ほら、つま先でこれを踏みな」
巻尺の先端を依子に踏ませ、するするとそれを上に伸ばしていく。テープ状のメジャーが依子の肢体の横に触れる。

男の息遣いが依子の耳に届く。タバコの香りが鼻腔を襲う。過去に見たことはなかったが、本城がどうやらタバコを吸うらしいことを、依子は初めて知る。

密着するように男が立っている。どういうわけか鼓動が早まるのを感じながら、依子は居心地の悪さを避けるように、そっと瞳を閉じる。

「えっと、165センチか。やっぱりでけえな、奥さん。ええっ?」
メジャーでの測定である。厳密に測った場合よりも、数センチ大きいその数値に、しかし、依子は何の反応も見せなかった。

実際に身体測定を受けるかのように、依子はじっとそこに立ったままでいた。冷静になろうと考えても、高鳴る鼓動は更に激しくなる一方だ。

何かに怯えているのだろうか。依子はそう自問してみる。恐怖とは少し違うような気がする。じれったいような気分とともに、喉の渇きが依子を襲う。

「お次はスリーサイズと行こうか、奥さん」
「ねえ、そんなこと・・・・・・」
「つべこべ言う権利はないはずだぜ、奥さん」

不満げに開かれた依子の瞳を、本城が至近距離から見つめる。男の汚れた無精ひげ、タバコの匂いが混じる息、不気味に光る目が、依子のすぐそばにある。

「ほら、手をどけるんだよ、奥さん。すぐ終わるから」
両手でメジャーを持ちながら、男が無愛想につぶやく。背後に回り、白く長いテープを38歳の人妻の尻に触れさせる。

ワンピース越しに、その冷たい感触が伝わってくる。されるがまま、依子は手をかすかにあげ、男が測定するのを助けてしまう。

「奥さんのヒップは・・・・・、87センチか。でけえケツしてるねえ」
肢体を拘束するようにメジャーがヒップに巻きついてくる。屈辱と、妙な感情が入り混じった戸惑いを抱えながら、依子は窓の外の景色を見つめ続ける。

男の手が少しずつ上にあがってくる。決してワンピースに触れることはないその手の動きを、しかし、依子は敏感に感じてしまう。

ウエストにメジャーがきゅっと巻かれたとき、依子の肢体にかすかに震えるような刺激が走った。それに気づく様子もなく、男は淡々と作業を進める。

「ウエストは64センチだな。それほど脂肪はついてねえな、まだ」
その男の言葉を、依子は冷静に聞くことができなかった。彼が次にどこを測ろうとしているのか、当然、想像してしまうのだ。

「奥さん、もう1箇所、測るところがあるだろう」
背後からささやかれるその声に、依子は応じようとはしなかった。そんな人妻の覚悟を促すように、メジャーを持った男の手が依子の脇腹を昇っていく。

「ほら、両手をあげるんだ、奥さん」
刃物か拳銃で脅迫されているように、依子の両手がゆっくりとあがっていく。そして、依子は後頭部に手のひらを重ねるように置く。

「いい子だ・・・・、そのままじっとしてるんだぜ・・・・・・」
男の手が依子の乳房の前に動く。そこにテープを押しやり、刺激するように力を込めて引く。ワンピースを通じ、メジャーが依子の敏感な箇所に触れる。

服の下の人妻の乳房の先端部を探るように、メジャーが微妙に動く。猥褻な意志が隠された、ごく自然な風の男の行為が、かえって依子を妙な気分にさせてしまう。

「いやっ・・・・・・・・・・・」
聞き取れないほどの小声で、依子は抵抗を示す。それに気づかないかのように、本城はワンピース上で更にメジャーを動かし、依子の背中でそれを交錯させる。

「奥さん、自分のおっぱいは何センチだと思う?」
「知りません、そんなこと・・・・・・」

本城に耳たぶを舐められる予感が依子を包む。それほどに、男の息遣いが背後から接近している。そうされてしまう自分を想像し、依子は言葉に詰まる。

「86センチだよ。いい胸してるじゃねえか、旦那に毎晩揉まれてるんだろう?」
「もう、そんなことする年じゃないですから・・・・・・」

男に誘導されるように、依子はつい素直な言葉を漏らしてしまう。無言のまま、ゆっくりと本城が離れていく。やがて彼は再び椅子に座り、依子を見つめる。

「恥ずかしかったかい、奥さん?」
「別に・・・・・、大したことないです、これぐらい・・・・・・」

自分が発してしまった言葉に、依子はすぐに後悔を感じる。計測した数字を記憶するように、男は依子の肢体を見つめ、床に視線を投げる。体重計がそこにある。

「最後は体重だ、奥さん」
本城を睨んだまま、依子はそれに乗ろうとする。しかし、男はすかさずそれを制する。

「おいおい、その格好じゃ駄目だろう、奥さん」
「えっ・・・・・・・」
「せめて、そのおしゃれなワンピースは脱いでもらわないと。俺が見てるここでな」

窓の外から注ぎ込む光の量が、更に増えたような気がする。依子の肌がかすかに汗ばんでいるのは、しかし、その陽光がもたらす暖かさのせいではない。



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