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欲情のトライアングル(20)

2011 10 11
「ご、ごめんなさい・・・・・・」
僕の頬を平手で強く張った直後、藍子さんは少し慌てた様子でそう言いました。

自らのとっさの行動に、藍子さん自身、戸惑いを感じていたようでした。僕は、しかし、片手で握り締めた藍子さんの左手首を離そうとはしませんでした。

手を振り下ろされるにふさわしいだけの酷い言葉を、僕は確かに口にしました。藍子さんに向かって、自分でも信じられないほどに脅迫めいた科白を投げたのです。

でも、僕は何故か、そんな自分を後悔していませんでした。それどころか、本当の姿をつい見せてしまった目の前の人妻を、もっと追い詰めたいような気分に包まれていました。

「藍子さん、酷いじゃですか、暴力を振るうなんて・・・・・・」
「ごめんなさい・・・・、でも、宮崎君、あなただって酷いことを・・・・・・」

「僕が悪いっていうんですか、藍子さん?・・・・・・・」
「・・・・・・・・」

「藍子さんのあんな姿を、監督が知ったらどうなるかなって、僕はただそう言っただけですよ」
「待って、宮崎君・・・・・・、あなた、確か、こう言ったわよね・・・・・・」

藍子さんは僕のすぐ目の前に立ったまま、主導権を奪い返すように強い口調で言いました。冷気を感じさせるほどの空気が、屋外にいることを僕に思い出させます。

選手達はまだナイター練習に打ち込んでいるに違いありません。この洗濯場は寮内の死角であり、当分誰もこないことは、僕だけでなく、藍子さんも知っているはずです。

「黒木さんに抱かれて私が感じてまくってた、って、宮崎君、あなた、そう言ったわよね・・・・・」
「違うんですか、藍子さん・・・・・、だってあんな色っぽい声出してたじゃないですか・・・・・」

「それは・・・・・・、それは違うわね、宮崎君・・・・・・」
「どう違うんですか、藍子さん?」

「だって・・・・・、あれはわざとあんな声を出してただけなんだから、私・・・・・・・」
「・・・・・・・・」

「それに黒木さんは自分だけ先に気持ちよくなっちゃったのよ。宮崎君、あなただって確かに目撃したはずよ。私が最後まではあの人に気持ちを許さなかったことをね・・・・・」

藍子さんはそこまで言い切ると、ずっと掴まれていた手首を僕の手から強引に振りほどきました。僕は認めるしかありませんでした。藍子さんの言葉に嘘はないのです。

あれほどに強気な態度で藍子さんを犯そうとしていた黒木さんは、結局は敗れ去ったのです。手中に収めたはずの人妻の肉体があまりに魅力的で、刺激的なものだったから。

でも、僕には引き下がることはできませんでした。ここ最近、僕に対してずっと冷たい態度をとってきた藍子さんに対する怒り。いえ、それだけが理由ではありません。

暗闇の中、ただ屋根だけがあり、屋外とも呼べるような空間で藍子さんと2人きりでいるうちに、僕は自慰行為に勝るほどの激しい興奮を感じ始めていたのです。

「藍子さん、だけど、もう少しでイきそうだったんでしょう?」
「馬鹿なこと言わないで、宮崎君・・・・・、あなたに何がわかるって言うの?・・・・・」

「えっ・・・・・・・・」
「だって、あなた・・・・・・、まだ童貞君なんでしょう?・・・・・」

蛍光灯は相変わらず消えたままです。暗がりの中、しかし、僕は気づきました。藍子さんは僕を小馬鹿にしたような笑みを浮かべていることに。

寮に住む学生達に、そんな風な挑発するような態度を藍子さんはよく披露します。綺麗な年上の女性にそうされることに、僕達は逆に喜びを感じてしまうものです。

しかし、このときばかりは違いました。女性経験のない僕を、藍子さんは明らかに見下していました。童貞君、という響きが、僕の中の何かを激しく衝き動かしました。

「藍子さん、だから何だって言うんですか・・・・・・」
僕は再び藍子さんの肢体に手を伸ばしました。腕を掴んだのではありません。ジャージに包まれた腰に腕を回し、僕は藍子さんの体を強く引き寄せたのです。

「宮崎君、離しなさいっ・・・・・・・」
「僕が何も知らないかどうか、藍子さんに見せてやるから・・・・・・」

藍子さんときつく抱き合うような格好のまま、僕はじりじりと前進しました。腰ほどの高さがある壁を伝うように、藍子さんと僕の体は移動していきます。

何台か並んだ洗濯機の端に、更に奥に曲がりこんだスペースがあります。周辺を掃除するための道具やら、洗濯かごがいくつか積まれたエリアです。

その暗がりに藍子さんを押し込むように、僕は強く力を込めました。積んであったかごが音を立てて崩れ去り、藍子さんと僕の体が再び離れます。

奥の壁にもたれるような格好で、藍子さんが僕のことを見つめてきます。そこにいる女性が人妻であり、僕がお世話になっている監督のものであるという事実を、僕は思い出します。

人のものに手を出すという禁じられた行為が、どういうわけか僕を興奮させます。黒木さんに陵辱された際に覗き見した、藍子さんの抜群のスタイルを僕は想起します。

僅かに息を荒げながらも、助けを呼ぶこともなく、藍子さんはそこに立っています。まるで僕の行為を待っているかのように、挑発的な笑みさえ浮かべているのです。

「いいわよ、宮崎君・・・・・・、じゃあ、見せてもらおうかしら・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「でも約束よ。もしも私が勝ったら、あの夜のことはきれいさっぱり忘れること。いいわね?」

僕自身に藍子さんを満足させる自信など、あるはずもありませんでした。でも、そんなことはどうでもよかったのです。僕はただ、狂ったような己の欲情を満たしたかっただけですから。

「約束できるわよね。私のことを満足させられなかったら、こんな脅迫ごっこは二度となしよ」
「い、いいよ、わかったよ・・・・・・・」

僕が搾り出すようにそう言うと、藍子さんが満足したようにゆっくりと近づいてきました。そして立ったまま、僕の唇にそっとキスを与えてきました。

藍子さんの熱い舌先が、僕の唇を割り、瞬く間に中に入り込んできます。夢中で舌を絡めあいながら、僕は両手を伸ばし、藍子さんの桃尻を強く掴みました。

「あっ・・・・・・・・・」
少し驚いたようなかすかな吐息が、藍子さんの口から漏れました。

この息遣いも、藍子さんの演技なんだろうか。僕はそう思いながらも、藍子さんの肉体を確かめるように、ヒップを撫で、そして激しく揉み始めました。

僕にとって生まれて初めてのキスであり、初めての女性の肉体でした。既に硬く勃起した自分のものが、藍子さんの肢体に確かに触れるのを感じながら、僕は思いました。

藍子さんは夫である監督と、毎晩こんなことをしてるのだろうか、と。その質問は、僕の理性を激しく刺激し、ペニスを更に巨大なものへと変貌させていきました。



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