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終着駅(16)

2012 03 07
部屋に入るなり、二人は立ったまま強く抱き合い、激しく唇を求め合った。

狭い室内はほぼ全てがベッドで占有されている。壁に沿って配置された細長い家具には、大画面のテレビが置かれ、その横の壁にはこれも巨大な鏡が設置されている。

駅反対側の改札口から10分以上歩いた場所にあるホテル街。二人は互いの意志を無言のまま確かめ合い、そこの一室へと誘い合った。

巨大な鏡の前にある僅かなスペースで、京子は真哉に正面から強く抱かれた。ベッド上にバッグを投げ出し、京子は両腕で彼のことを受け入れようとする。

ワンピースが乱れ、両肩を隠していたストールが剥ぎ取られる。露わにされた京子の首筋に、真哉が情熱的に唇を這わせ、音を立てて人妻の素肌を吸う。

「はんっ・・・・・・・・・・」
小さな声を漏らした京子の唇を、再び真哉が奪う。濃厚に舌を絡め合い、互いの体をきつく擦り付け合う。服の下に隠された裸体の曲線を、二人は無意識のうちに想像しあう。

瞬く間に呼吸が乱れ、京子は素肌に汗を伴った熱が浮かび上がってくるのを感じる。興奮しているのだ。京子はそれを認め、更に加速していく自分を制御することができない。

彼の手が京子の背中を下り、大胆にヒップに伸びてくる。京子は想像する。その手でその曲線を撫でられ、きつく掴まれることを。そして彼は、人妻の望み通りの行為に出る。

「あんっ・・・・・・・・・・・・・」
舌を吸われながらも、京子は男を誘うような甘い声を漏らす。舌先をくすぐられ、それだけの刺激で京子の肢体に快楽の気配が走り抜ける。

ああっ・・・・・・・・・

敏感な人妻に我慢できない風に、真哉の両手が京子のヒップを揉みしだく。立っていられない程の震えに襲われ、京子は背後にある家具にもたれかかるような格好になる。

真哉の片足が、京子の美脚の隙間に割り込んでくる。彼の意志を待望していたように、京子は自然に緊張を緩め、僅かに脚を開いてしまう。

京子の美尻を愛撫していた真哉の両手が、更に下方に移動し、太股へと達する。力強くそれを掴み、真哉は京子の肢体を持ち上げる。そして、背後の棚の上に座らせようとする。

「いやっ・・・・・・・・・・・・・・」
自分がそれを望んでいるくせに、そんな言葉を口にしてしまう自分に京子は戸惑ってしまう。人妻のその言葉を素直に受け止め、棚の上に座った京子の瞳を真哉が見つめる。

「やっぱり、ご主人に申し訳ない・・・・・・・・・・」
それ以上見つめ合うことに耐えられないように、真哉が京子の肩に腕を回し、強く抱き寄せる。彼の耳元付近に招かれた唇から、京子は自らの決意をささやきかける。

「中倉さん・・・・・・・・・・、いいんです・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」

「今夜は主人の酷い仕打ちのことを・・・・・、全部忘れるためにここに来たんですから・・・・・・・」
「僕なんかでいいんですか?」

「あの・・・・・・・、変に思わないで欲しいんですけど・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」

「中倉さんじゃなきゃ駄目な気がするんです・・・・・・・・・・・」

真哉の肩を強く引きつけたまま、京子はそうささやき続ける。自らが発する言葉の大胆さに困惑し、しかし、直後にはその素直さに満ち足りた気分に包まれる。

「奥さん・・・・・・・・・・・」
人妻の言葉を受け入れようとする真哉に、京子は更にもう一つの要求を口にしようとする。彼の耳元から顔を離し、京子は再び真哉と視線を絡め合う。

「奥さん、じゃなくて・・・・・・・・・・、今夜は名前で呼んで欲しいんです・・・・・・・・・・・・」
幼ささえ漂わせたそんな人妻の望みを、男はしかし、笑って済ませるようなことはしなかった。

潤んだ瞳で見つめてくる京子の唇に、真哉は軽く、しかし、親密なキスを与える。そして棚に座った人妻の両脚をこじあけ、その隙間に自らの体を割り込ませていく。

「いいんですね、本当に・・・・・・・・・・」
「はい・・・・・・・・・・・・、中倉さんじゃなきゃ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「不思議ですね・・・・・・、僕も同じことを感じてたんです・・・・・・、京子さん・・・・・・・・」

初めて名前を口にしてくれた彼の態度に、京子は情熱的な口づけで応えた。切れ切れに息を漏らしながら、京子は自らの欲情を素直にさらけ出していく。

開いた太股の間に、彼の肉体を感じる。自分から強くそれを挟み込むようにし、京子は彼を迎え入れる。座った格好の京子の上半身を、真哉は少し乱暴な様子で背後の鏡に押しつける。

「あんっ・・・・・・・・・・・・・・・」
男の乱暴さが欲しかった。激しく、自分を愛して欲しい。京子は真哉の顔を強く引き寄せる。

首筋から鎖骨付近に激しいキスを浴びせられる。脇腹を撫でるようにしながら、真哉の両手が上方に這っていく。ワンピースを乱す程の勢いで、真哉の手が京子の胸元を包み込む。

「はうんっ・・・・・・・・・・・・・・・・」
人妻の乳房の形の良さを確かめるように、真哉はゆっくりとその膨らみを愛撫する。過去にそんな刺激を与えられたのはいつだったのだろうか。京子は懸命に記憶を辿ろうとする。

こんな気分にさせられたことなんて・・・・・・・・・。真哉の指先が優しく、しかし、情熱的にうごめく度に、全身に深い快感の波が、繰り返し押し寄せ始める。

ああっ・・・・・・・・・・・・・・

ゆったりとした間隔だが、その都度、波の深さは高まっていく。抗うことができず、京子はかすかに唇を開き、官能的な息を吐く頻度を高めていく。

「あっ・・・・・・・・・・・・・・・・、はんっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
過去に同じ体験をしたことなどないことに、京子は気づく。真哉の手が、遠慮がちにワンピースの下側に滑り込み、ブラに達する。

男の熱い手の感触を、京子は素肌で感じる。その刺激に震えながら、京子は両脚できつく彼の体を挟む。真哉の指先が人妻のブラの刺繍を優しく撫でる。焦らすような彼の態度に京子は思わず言葉を漏らす。

「激しく・・・・・・・・、激しくしてください、中倉さん・・・・・・・・・・・・」
人妻のその言葉に刺激されるように、真哉の両手がワンピースの胸元に伸びる。引き裂く程の勢いでその薄い衣服を腰の辺りまで引きずり下ろし、男は人妻の上半身を淫らな下着姿にする。

「いやんっ・・・・・・・・・・・・・・」
38歳の人妻の熟れた肉体が目の前にある。スリムな体型を維持しているが、色気を伴った肉付きの良さをも同時に漂わせた裸体だった。

京子を見つめたまま、真哉は人妻の乳房をブラ越しにわしづかみにし、ゆっくり愛撫を与え始める。男と視線を絡めながら、京子は快楽の淵に引きずりこまれていく。

「あっ・・・・・・・・・・・、あんっ・・・・・・・・・・・・・・」
両手を投げ出すようにして背後の鏡に密着させる。キスと乳房への責めを同時に与えられ、京子は下腹部に急速に熱が宿り始めたことを感じる。

過去の夫との行為でこれほどの興奮を感じたことなど、一度だってなかった。別の男と戯れているという背徳心だけで、こんな風に昂ぶっているわけじゃない。京子は確信を深める。

中倉真哉に抱かれようとしているから、私はこんなに濡れているのだ、と・・・・・・。

「京子さん・・・・・・・・」

いつしか、目の前には全裸になった彼がいる・・・・・・。


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Comment
No title
自分の中にも、渇望する愛情を
埋めたい衝動があることに気付かされました。
すべてを忘れるような
激しい性愛の展開を期待しています。
No title
素晴らしいです。

更新を期待しています。

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