FC2ブログ

終着駅(26)

2012 05 23
「京子、おまえって女は・・・・・・・」

夫、繁樹に容赦する気配はない。何度も手を振り上げ、京子の頬に鈍い痛みを与える。そして妻の肢体を床に組み伏せ、ブラウスを音を立てて引き裂く。

「いやっ!・・・・・・・・・・・」
瞬く間に、京子は服を剥ぎ取られ、下着姿を露わにしてしまう。閉じようとするその強固な意志をあざ笑うように、刺激は妻の両脚を力任せに開いていく。

「ううんっ、いやっ・・・・・・・・・・」
「別の男には自分から広げたんだろう、この脚を・・・・・・・・・・」

ショーツの隙間から、夫の指先が乱暴にあそこを責めてくる。遠い過去に抱いた感情がもはや蘇ることはない。嫌悪と悔しさだけが京子の体奥に湧き出してくる。

欲情などあり得ない。この男とは関係を断ち切ったのだ。私は・・・・・・・、私は、あの人のもとに・・・・・・・。

「欲しいんだろう、京子。こんなに濡れてるぜ・・・・・・・・・・」
夫の言葉を信じることができない。だが、やがて京子は気づく。自分の肉体が怖いほど敏感に反応し、淫らな蜜で秘唇を濡らし始めていることを。

嘘・・・・・・・、嘘に決まってる、こんなの・・・・・・・・・・

心の叫びを裏切るように、くちゅくちゅという湿った音が響き始める。繁樹の指先が、妻の花芯を巧みに責めていく。京子の唇がかすかに開く。

「いやっ・・・・・・・・・・・、あんっ・・・・・・・・・・・・・・」
「ほら、もっと動かしてやろうか・・・・・・・・・」
「ううんっ・・・・・・・・・・、ううんっ、駄目っ・・・・・・・・・・・・」

夫の舌が裸体を這い回る。抵抗の意志が、急速に弱まっていく。ぐったりと肢体を投げ出し、妻の性は、ただ夫への屈服を示していく。

「待ってろよ、すぐにしてやるから・・・・・・・・・・・・・」

いつしか下半身の全てを夫に披露してしまっている。彼が己のものを露出し、一気にそれを求めてくるのを感じる。

「いくぞ、京子・・・・・・・・・・」

これ以上ないほどに太腿を押し広げられ、夫の腰が割り込んでくる。その隆起したものが、別の女のそれをたっぷりと愛した事実を、京子は思い出す。

いやっ・・・・・・・・・・・、助けてっ、真哉さん・・・・・・・・・・・・・・・

激しい衝撃と同時に、京子は自分がきつくシーツを握りしめていることを知る。全身が汗に包まれている。息を乱したまま、京子は自分がどこにいるのか、懸命に感じ取ろうとする。

いったい、私は・・・・・・・・・・・・・・・

ゆっくりと瞳を開く。窓のないその部屋では、時間の経過さえ把握することができない。京子は気づく。自分が深い夢を見ていたことを・・・・・・・・・。

中倉真哉とここにやってきた自分。ベッド上で、京子は疲労に包まれた裸体を懸命に起こしあげる。枕元の時計が午前8時前を指していることに気付く。

「真哉さん・・・・・・・・・・」
はっきりと声を出して、京子は彼の名を呼んだ。夢の続きの中にいるように、京子は夫から逃れようと、真哉の姿を探した。

だが、そこに人の気配はなかった。私はもはや一人なのだ。重い現実が、38歳の人妻の前に再び姿を現したとき、彼女はしかし、そこに差し込む光の存在に気付く。

TVの横にある僅かな空間に、それはあった。1枚の紙切れ、そして、名刺らしきカードが一緒にある。京子は何かに目覚めたように俊敏に動き、それを手に取った。

************

京子さん

おはようございます。

昨夜はとても素敵な時間を過ごすことができました。

何と言うか、自分自身、あんな風になるなんて、想像もしていなかったです。

しかし、人妻であるあなたと一夜を過ごしたことに、何かを感じている自分もいます。

京子さん、もう1度あなたに会いたい。

でも、今のままでは、もうそれは許されない・・・・・・・・。

京子さん、もしもあなたにその準備ができたなら・・・・・・・。

では、仕事に行ってきます。

眠っているあなたも、凄くきれいです。

中倉真哉

************

何度もそれを読み返しながら、京子は瞳を潤ませた。彼がどんな思いでこの手紙を書きあげ、名刺を置いていったのか、その人妻には十分すぎるほどに理解ができた。

私は行動すべきなのだ・・・・・・・・・・・。

確かな意志とともに、京子は素早く立ち上がり、裸体に服を身に着け始めた。

夫、繁樹があの若い女とベッドで戯れる姿が、妻の脳裏をよぎる。


(↑クリック、凄く嬉しいです)
Comment
No title
なんとなく、純愛の雰囲気のこの作品。
私個人としては、是非!!ヒロインには、真哉さんと幸せになって欲しいです。
そういう、ハッピーエンドを希望です。
でも、のりのりさんの作風からすると難しいのかな^^;
そこを何とか、一読者としては、ハッピーエンド希望です。
その気持ちも、汲んで頂けると、嬉しいです。
よろしくお願い致します。

管理者のみに表示