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終着駅(39)

2012 08 10
締め切られた襖の向こう側から、くぐもった声が廊下に漏れ聞こえてくる。かすかな音量ではあるが、それが何を意味しているのか、推測するのはさして難しいことではない。

既に30分以上は続いているだろうか。だが、その途切れがちで艶めいた女の息遣いは、いっこうに終焉に向かう気配はない。

奥の部屋に敷かれた布団の上で、全裸の男女が下半身を密着させている。仰向けに横になった男は、己のたるんだ肉体とは裏腹に、無尽蔵な欲望を全身にみなぎらせている。

男の上に跨った人妻が、自らの意志で腰を振っている。下方から貫いた男のペニスの根元が、人妻が腰を滑らせる度に垣間見える。依然としてそれは、猛々しい硬さを維持している。

「奥さん、さあ、もっと好きに動いてください」
真鍋のその言葉が、どこか限りなく彼方から意味深に響いてくるのを感じる。後背位から絶頂にまで導かれた京子は、それ以降しばらくの記憶を失っていた。

自分が今、どんな格好にされているのか、次第にその自覚が芽生えてくる。同時に、蕩ける秘部に漂う快感が、再び京子の全身に拡散していく。

どうしようもなく熱い肉体を感じる。全身に汗の滴を浮かべながら、京子は自分が激しく、淫らに腰を前後に振っていることに気付く。

男の手が腰のくびれを撫でてくる。上方に這い上がってくる指先に、乳房をいいように愛撫される。更に首筋から顔にまで達した男の指先を、京子はしゃぶるように迎え入れる。

指を咥えた人妻の表情にたまらない様子で、男が満足げに笑みを浮かべる。そのまま口を犯したまま、自らの重たい腰を上下に動かし、人妻の肢体を弾ませる。

「あっ・・・・・・・・・・、あんっ・・・・・・・・・・・・・・・・」
瞳を閉じたまま、京子が小さな声を漏らす。汗に濡れた髪の乱れ具合が、逆に男の興奮をそそる。

人妻の腰のくびれをがっちりと拘束し、ぐいぐいと腰を押し上げてやる。悶えるように肢体をくねらせ、人妻が激しく首を振り、唇を噛みしめる。

膣壁が己のものをぎゅっと締め付けてくることを男は感じる。人妻が快感のステージを漂っていることを知り、男は膝を曲げ、角度を変えて下方から更に責めたてる。

「はんっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
その夫婦関係が崩壊しているとはいえ、この女は部下の妻である。自らがよく知る男の所有物を今、好きなようにいじめていることに、真鍋は屈折した欲望を満たす。

あの男よりも、俺のほうがこの奥さんを悦ばせることができる。そんな妙な自信を感じながら、真鍋は京子の背中に両手を回し、その上半身を引き寄せる。

前方に倒れこむようにしながら、人妻は男と裸体を密着させる。触れ合った唇を逃がさぬよう、男の片手が人妻の後頭部を拘束する。互いの欲情を確かめ合うように、二人は濃厚なキスを交わす。

男が腰を浮かせるほどに己の膝を曲げ、更に激しいピストンを与えようとする。その弾みに、人妻の肢体が大きく揺れ、挿入されていたものが外に飛び出してしまう。

「奥さん、さあ、自分でそれを入れてください」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「自分で握って腰を沈めるんですよ」

下にいる男を見つめたまま、人妻はその言葉に操られるかのように、後方に手を伸ばす。男の太くたくましいものを握る。その瞬間、牝の本能が覚醒し、激しくそれを欲しがる。

自分から腰を浮かせ、京子はその先端を導いていく。脚を猥褻に広げ、ゆっくりと腰を下降させていく。しびれるような衝動が全身を貫き、瞬時にそれは悦楽の感覚に転化する。

「ああっ・・・・・・・・・・・・・」
声を漏らす人妻の乳房に、半身を起こした男の唇が吸い付く。自分からそれを与えるように上半身を無防備にしながら、京子は腰のくびれから下方を欲深く弾ませる。

乳首と淫唇から、同時に快感の波が責めてくる。男の勢いに圧倒されるように、人妻の肢体が何度も震え、汗ばんだ髪が妖しく揺れる。

漏れ出す声を防ぐように、京子は自分から真鍋の唇を吸う。強く抱き合いながらも、この汚れた男が行為の前に発した約束を、人妻はぼんやりと思い出す。

「早くっ・・・・・・・・・・・、早く終わりにしてくださいっ・・・・・・・・・・・・・」
「一度だけ満足すればすぐに終わりますよ、奥さん」
「もう・・・・・・・・・・・・、もういい加減に許してっ・・・・・・・・・・」

人妻の懇願をあざ笑うように、男が更に腰の突き上げを増していく。再び横になった男の上で、背筋をピンと伸ばして座るような格好になった人妻の両手を、男が強く握る。

指先を絡めあったまま、下腹部の交接を続けていく。口にしたばかりの抗議の言葉とは裏腹に、人妻の表情に恍惚の色が浮かび、追い詰められたように唇を開く。

「ああっ、もういやっ・・・・・・・・・・・・・・・・」
「すごくお綺麗ですよ、奥さん」

「あっ・・・・・・・・・・、あんっ・・・・・・・・・・・・・」
「イきそうな奥さんの顔が、一番お綺麗だ。私だけが眺めるのはもったいないですな」

男の言葉が何を意味しているのか、人妻にはすぐに理解することができなかった。だが、しばらくの後、室内に漂う空気に変化が起きたことに京子は気づく。

他人の視線・・・・・・・・・・・・

濃厚な快楽に漂いながらも、京子は懸命に自分自身を取り戻し、ゆっくりと瞳を開く。敷かれた布団の脇に、彼らがいることに、京子は初めて気づく。

「いやっ!・・・・・・・・・・・・・・・」
それは、この料亭のスタッフだった。確か、食事の後にやってきてこの部屋の布団を敷いた若者、2名だ。恐らくはアルバイトだろうと想像したことを、京子は思い出す。

「早く終わってほしいんでしょう、奥さん」
「・・・・・・・・・・・・」
「以前から実現したかったんですよ。軽い女じゃない奥さんをとことんまでいじめたいっていう」

ゆっくりとそうささやきながら、男は貫き続けていた肉棒を引き抜く。そして仰向けだった体を起こし、布団に座る人妻の裸体を見つめる。そこに二人の若者が近づく。

既に服を脱ぎ去り、二人はトランクス姿であった。まだ大学生と思われる二人は、どこかおどおどした様子で、こんな雰囲気に慣れていないことをその表情で伝えている。

「どうだ、綺麗な女性だろう。とても人妻とは思えないんじゃないのか」
真鍋のその言葉に、二人は依然として緊張した様子で押し黙ったままだ。

「奥さんをしっかりと掴まえていてもらおうか。ほら、やるんだ」
意を決したように接近する二人の手が、京子の素肌に触れる。

「やめなさい・・・・・・・・、触らないでっ!・・・・・・・・・・・・・・」
京子の勢いに一瞬、若者たちがためらうような素振りを見せる。そんな彼らを試すように、真鍋が視線を注ぎ続ける。やがて、男たちの腕が再度人妻の裸体に伸びる。

「いやっ・・・・・・・・・・・」
彼らがもう怯むことはなかった。こんな場に慣れていないとはいえ、2人の若者の力は圧倒的だった。両腕を2人に押さえつけられ、京子は布団の上に今度は仰向けに拘束される。

「ちゃんとそうやって腕を掴んでるんだぞ」
これまでたっぷりと肉体を交わしてきたにもかかわらず、こんなシチュエーションに京子は抵抗の意志を強くする。自由な両脚を蹴り上げるようにして、真鍋の接近を防ごうとする。

「奥さん、そろそろ終わりにしようって言ってるんですよ」
「・・・・・・・・・・・・」
「さすがの私ももう我慢できませんからな。最後は妙なことをお願いして申し訳ないですが」

真鍋の言葉に、京子は抵抗の姿勢を無意識のうちに緩めてしまう。早く終わりにしたい。その願望と同時に、男に再び貫かれることへの覚悟と息苦しさが、人妻の体奥で交錯する。

「さあ、奥さん、脚の力を抜いて下さい・・・・・・、ゆっくり広げて・・・・・・・・・・・」
両腕を2名の若者に拘束されたまま、人妻の太腿が開かれていく。天井に向けてそそり立つ真鍋のものに一瞬視線を投げ、京子はそれを信じたくないように、瞳を閉じる。

男が腰を推し進め、再び、人妻にその瞬間が訪れる。

「ああんっ!・・・・・・・・・・・・・・」
すぐに終わるという言葉を裏切るように、真鍋はゆっくりとしたペースで腰を動かし始める。腕を拘束する二人の若者たちが、息を殺しながら自分を見つめてくることを京子は感じる。

噛みしめた人妻の唇が、耐えきれないように再び開き始める。


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