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闇の奥からの誘惑(11)

2013 09 06
周囲に人の気配は一切ない。夏山のキャンプ場の夜の静寂を私に教えてくれるように、耳に届くのはただ、秋を待ち焦がれる虫たちの声だけだ。

それぞれのテントの中で、皆、安らかな眠りに就いているに違いない。このキャンプ場にいる他の人々のことを、私は意味もなく想像した。

それほどに、このテント内の空気は異質なものだった。息苦しいほどの興奮と熱気が、濃厚に漂い始めている。私は己のものを握りしめることも忘れ、目の前の光景に心を奪われた。

「あっ・・・・・・・・・・・」
聞き取れないほどの声が、妻の口からかすかに漏れている。夢を見ているのではない。何かを我慢しながら、それを抑えきれないような妻の仕草が意図的なものであることは、背後から見つめる私にも容易に理解できた。

妻は、まだ起きているのだ。はっきりと覚醒した意識の中、妻がいったい何を想像し、妖しげな手の動きを続けているのか、私はそれに思いを巡らせた。

左腕を上に向ける格好で、妻はこちらに背中を向けたままだ。寝袋の中に伸ばした妻の左手は、自らの胸の辺りからお腹の辺りをまさぐっているように見える。

下になっている右手の動きは全くわからない。だが、その指先もまた、何らかの刺激を妻自身に与えていることは、間違いなさそうだった。

寝袋の中で、妻の腰からヒップの辺りが時折くねるように動くのがわかる。息遣いに変化はないようだが、時折漏れ聞こえる喘ぎ声は、かつて私が聞いた記憶のない類のものだった。

「あっ・・・・・・・・・・・」
我慢できないような妻の艶めいた声が、闇の包まれた夜のテント内に響く。男たちのあらゆる妄想をかき立てるような、刺激的な環境がそこに醸し出されようとしていた。

藤原のことを想像しているのか・・・・・・。私はとっさにそう想像した。だが、それをあざ笑うかのように、すぐに別の思いが私の心に差し込んでくる。

藤原と同じバイクに乗っていたという、妻の学生時代の知り合い。片思いだったその男のことを想像しながら、妻はこんな行為と戯れているのではないのか。

忘れていたはずの過去の記憶が、今夜の出来事をきっかけに妻の心によみがえったとでも言うのだろうか。いや、結婚後も妻は、密かにその思いを抱き続けていたのかもしれない。

結婚後、妻がこんな行為をしている姿など、一度も目撃したことがなかった。私に隠れて密かに・・・・、或いは、今夜何かに刺激されて、我慢しきれずに初めて・・・・・。

錯綜する思いに翻弄される私に気づかぬまま、妻の行為は少しずつ加速していくようだった。寝袋の外に出たがるように、僅かずつ上半身が動き出す。

黒色をしたワンピースタイプのパジャマを着ているのがわかる。完全な闇のはずなのに、私の目はもはやそこにすっかり馴染み、鮮明に妻の姿を確認することができた。

欲情に溺れ始めた妻の姿は、私の興奮を別の次元から追い込み始めた。いったん収まりかけた荒々しい感情を、私は再び取戻し、ペニスを激しく刺激し始める。

私が起きていることに、勿論妻は気づいてはいない。ここで私が突然妻に襲いかかったならば、いったいどう反応するのだろうか。

6年近くベッドを共にしていない夫に、今、こんなキャンプ場で突然体を求められたのなら・・・・。私は、思ってもいなかった計画を自らが想像し始めていることに、更なる興奮を覚え始める。

夫婦なのだ。何もためらうことなどない。そして、妻は今、明らかに男を欲しているのだ。一線を越えることを誘うような声が、いつしか私の耳に届き始める。

手を伸ばすだけでいい・・・・・・、ヒップをそっと撫ででやるんだ・・・・・・・・

それは、藤原が私をけしかけているような言葉にも聞こえた。妻に触れてしまうほどに私は背後から接近し、硬くそそり立つ己のものを曝け出した。

そうだ、それを奥さんに握らせてみればいい・・・・、奥さんだってそれを欲しがってる・・・・・・

激しい喉の渇きが、私の息を乱し始める。藤原と濃厚な口づけをし、肢体を彼に愛撫される妻の姿を想像する。あの男が欲しがった妻の熟れた肉体が、すぐ目の前にある。

駄目だ、もう我慢なんかできない・・・・・・・。誘惑の声に完全に支配される自分を許し、私はそっと左手を伸ばす。そして寝袋の上から妻のヒップを包むように撫でた。

「あんっ・・・・・・・・・・・」
その瞬間、妻は先刻よりもやや大きな声をはっきりと漏らした。私にそこを撫でられていると、妻ははっきりと自覚したのだ。

自らの行為を恥じる様に、妻はその手の動きを停止させた。妻はこちらを向こうとはしなかった。私に背中を向けたまま、そこに静かに横になり、誘うような曲線を描くヒップを私の手に近づける様に動かした。

奥さんはもっとして欲しいんだよ・・・・・・、ほら、もっと大胆にやってやれ・・・・・・・・

完全に体を密着させ、私は肉棒を握っていた右手で妻の美尻をきつく刺激し始めた。そして左手を妻の胸元に伸ばし、その丘陵を確認するように動かし始める。

パジャマ越しに、私は妻の乳房がブラに包まれていることを確認する。薄い生地のパジャマは、直接下着に触れているような錯覚を与える。耐えきれず、私はその膨らみを乱暴に愛撫する。

「いやっ・・・・・・・・・・・・」
僅かな声と共に、妻が肢体を妖しげにくねらせる。忘れかけていた妻の肉体の記憶を、私は瞬時に呼び戻す。覚えていた以上に豊かで、柔かな妻の胸元を、私は荒々しく揉んだ。

「駄目っ・・・・・・・・・・・」
「いいだろう、麻由美・・・・・・・・、もう我慢なんてできない・・・・・・・・・・・」

6年間の長すぎる空白期間、或いは藤原と妻のあのきわどい接近、そのどちらを理由にそんな言葉を漏らしたのか、それは私自身にもわからなかった。

藤原と一緒にいる姿を私が目撃していたことに、勿論妻は気づいていないはずだ。長い間、その行為を遠ざけられていた夫が漏らす、ただ素直な要求ととらえているに違いない。

もはや、自らを制御することができなかった。横になったまま、妻を背後から激しく抱き寄せ、その柔かで官能的な肉体を両手で繰り返し、乱暴に愛撫する。

懸命に息をこらし、時折苦しげな様子で首をわずかに振りながら、声を抑えようとする妻。しかし、私の行為を決して拒もうとはしない。それは刺激に溺れ始めていることを恥ずかしげに示唆する姿のようにも見えた。

妻は合意しているのだ。私はそう確信しながら、妻の背中の辺りから下半身を覆っている寝袋を乱暴に剝ぎとろうとした。焦るような私のその要求に、妻はしかし、抵抗しようとはしなかった。

脚だけに寝袋を絡ませ、黒色のワンピースタイプのパジャマ姿で横になる妻。闇の中の錯覚なのか、そのパジャマからは妻の下着、そして素肌が透けて見えるような気がした。

36歳になっても、妻のスタイルに変化はない。いや、以前よりも僅かに肉付いたその肢体は、熟れた牝としての魅力を男たちに披露し始めたばかりかもしれなかった。

後方から再び妻にしがみつき、私はきつく引き寄せた。無意識のうちに妻の首筋に接近し、そこに息を吹きかけ、いやらしく舌を這わせ始める。

「いやっ・・・・・・・・・・・」
いやがるような仕草で応える妻をいじめることに、私は快感を覚え始める。自らのスエットを完全にずりおろし、私は硬直したものを妻の腰の辺りに突き立てる。

先端が触れた瞬間、妻の息遣いに更なる変化が生じたような気配が漂う。夫のそんな状態を知った牝の本能が動き始める様に、妻は左手を大胆にそこに伸ばしてくる。

「麻由美・・・・・・・・・・・」
その手を迎え入れる様に、私は自らのものを動かし、触れさせる。

妻はためらうことなくそれをしっかりと握る。いまだこちらを向こうとしない妻の首筋から耳のあたりを舐め回し、私は声を漏らす。

「麻由美、こっちを向いて・・・・・・・・・」
いったん左手をそれから離し、妻がゆっくりと体の向きを変える。闇の中に、パジャマをわずかに乱した妻の姿が浮かび上がる。その表情には明らかな快楽の気配が漂っている。

キスを求める私を制しながら、妻は半身を起こすように顔をあげた。そして、私を完全に仰向けに寝るように促しながら、その右手で私の腹部を撫で始めた。

肌に触れる妻の手のひらの感触が、私に震えるような快感を与えてくる。闇の中、妻の指先はやがて下方に移動していき、くすぐるように私のペニスに絡んでくる。

「今、気持ちよくさせてあげるから・・・・・・・・・・」
過去の自らの態度を詫びる様に、妻はそんな言葉を漏らした。

しかし、妻がその後に与えてくれた行為は、殊勝なそのセリフとは裏腹なものだった。横になる私を試すように見つめたまま、妻の右手がゆっくりと上下運動を始めた。


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Comment
No title
なぜ夫のキスを受け入れなかったのか?背を向けているときは、愛撫を受け入れ感じていたのに・・・・。夫に向き合ったら別の官能に変化してしまったみたいですね。なぜなのかその理由が知りたいです。早く早くつづきの更新をお願いします。
旦那さん(-_-;)
寝袋の擦れる音が聞こえてきそう。お子さんは目を覚まさないかしら。寝返りして起きかけちゃうから旦那さんへの処理はおあずけにしようよ!
No title
奥さんが想像していたのは
藤原のような気がします。

既婚女性の友人から、色気のある
男性に誘われた場合、それを思い出して
自慰することがあると聞いたことがあります。

かなりリアルな話なのではないでしょうか。

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