FC2ブログ

闇の奥からの誘惑(完)

2013 11 28
小さなナイフを準備してきたのは彼女のほうだった。

「いいのよ、好きにして・・・・・・・。ほら、したいんでしょう、私と・・・・・・・・・・」
高慢な雰囲気を漂わせた彼女のその言葉を、しかし、私に否定することはできなかった。

眩しいほどの光が満ちたこの狭いホテルの一室の中で眺める彼女の外見は、数時間前に自宅前の薄闇の中で目撃したそれよりも、はるかに官能的で、男を挑発する色香を備えていた。

金髪に染めた髪は、美しく束ねられている。細身な肢体に不釣り合いな胸元の膨らみは、私の興奮を先刻から刺激している。ベッドの上で、彼女は私を見上げ、試す様な視線を投げてくる。

促されるまま、私は右手に小型ナイフを握っている。普段の私であれば、理性が十分に機能し、こんな行動を確かに抑制するのだろう。だが、その時の私は、普通の状態にはいなかった。

他の男に抱かれ、絶頂に導かれた妻の姿を目撃したばかりの私は、依然として強暴な興奮を引きずっている。何かに憑かれたように、私は彼女の肢体にナイフを近づけていく。

「切り裂くのよ・・・・・・・・・、このバイクスーツを・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「したくてたまんないんでしょう・・・・・・・・、麻由美が彼に抱かれるのを見て・・・・・・・・・・」

その挑発に私はもはや抵抗することができなかった。慎重な手つきで黒色のスーツに傷をつけ、一転して大胆な仕草で一気にそれを切り裂いていく。

黒色の革製のバイクスーツはまぶしく光っている。その腹部の辺りから胸元を切り裂けば、女の白い素肌が視界にとらえられる。女は何かを想像するように、目を閉じたままだ。

瞬く間に切り裂かれたスーツを、私は強く左右にこじ開ける。女はスーツと同じ色をした下着しか身に着けていない。私にこうされる自分を、彼女は明らかに計画していた。

深い谷間にある下着の紐を、ナイフの先端で切る。豊満な乳房が露わにされ、その先端が桃色に突起しているのを私は知る。服を脱ぎ捨てながら、私はそれに狂ったようにしゃぶりつく。

「ムードも何もないのね、あなたって・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
「女性経験、ほとんどないんでしょう・・・・・・・・・・・」

ナイフを投げ捨て、女のスーツを全て引き裂く。肢体にまとわりつく皮革を取り去り、黒色のブラ、そしてショーーツを強引に剝ぎとる。その瞬間、女の表情に僅かな動揺が走る。

長く熟れた女の脚を押し開き、そこにある泉に吸い付く。濃厚なヘアに、女の欲深さを連想してしまう。舌先をくいこませた女の蜜園は、既にたっぷりと濡れている。

「こんなに濡れてるじゃないか・・・・・・・・・・・・」
「私はいつでもいいわよ・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・」
「早く入れなさいよ・・・・・・・・・・・・・・・・・」

トランクスを脱ぎ捨て、私は全裸になる。あれほどに射精を繰り返したはずの股間のものが、信じられないほどに猛々しく硬くなっている。それを見つめ、女が笑みを浮かべる。

「結構大きいのね・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「でも、私が相手でどこまで我慢できるかしら・・・・・・・・・・・・・・・」

仰向けに寝かせた女の太腿を、更に強く開く。豊かな乳房の先端に女の膝が重なる。下半身のものをゆっくり近づける。それに右手を伸ばした女に誘導されるまま、私は一気に腰を突く。

「ああんっ・・・・・・・・・・・・・・」
これまでの声色とは一転した艶めいた喘ぎが、女の唇から漏れる。腿裏を押し広げ、私はゆっくりと腰の往復を開始する。女の表情が少しずつ歪み始め、息が乱れていく。

「あっ・・・・・・・・・・・、あっ・・・・・・・・・・・・・、あっ・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「もっと激しく・・・・・・・・・、激しくしてっ・・・・・・・・・・・・・・」

何かを演じているような気配が女にはある。私は高速で腰を振りながら、目の前の乳房を乱暴に揉みしだいた。弾力のある胸の丘陵を刺激すれば、その都度女の声が震えるのがわかる。

「あんっ・・・・・・・・・・・・、そうよ・・・・・・・・・・・、もっと強く・・・・・・・・・・・・・」
熱すぎるほどの女の膣の感触が私を襲う。自在に操れるかのように、私のものを強く締め付けてくる。何かがうごめくような膣奥の快感が、私のものの先端を責める。

以前の私であれば、数分間も持続すれば十分なはずだった。しかし、その夜既に何度もの放出を経験していた私には、妙な余裕があった。女の太腿を揃え、私は深々とした突きを開始した。

「あんっ・・・・・・・・・・・・・、あんっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
それは、藤原が妻を責めた体位と同じだった。だが、その時の私は、目の前の女の豊満な裸体だけを見つめていた。女の喘ぎから、次第に演技らしき色が薄らいでいく。

同じ体位のまま、私は単調な、しかし深い責めを繰り返した。数分間、いや10分が優に経過した。ずっと目を閉じたまま、女はやがて私の背中に手を伸ばし、爪を立ててくる。

「あっ・・・・・・・・・・・・・・・、あんっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
気づかぬうちに、女の長い髪が解かれ、ベッド上に乱れている。剝ぎとられた下着を見つめながら、私は入念なピストンを繰り返す。女の指先に更に力が込められる。

「あっ・・・・・・・・・・・・・・、はんっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
本気で感じているのかしれない・・・・・・。そんな確信が、私の余裕を逆に弱めていく。私は再び腰のピッチを速め、女の肢体がベッド上でずれ動くほどに責めていく。

「ああっ・・・・・・・・・・・・、ああっ、もっと・・・・・・・・、もっと深く・・・・・・・・・・・」
「藤原のことを想像してるんだろう・・・・・・・・・・・・・」

自分でも思いがけない言葉を口にしながら、私は一気にスパートをかけた。いつしか汗ばんだ二人の裸体を密着させ、奥までの挿入を繰り返す。そして、女の唇を初めて吸う。

「はんっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
自分から舌を絡ませ、女は更に興奮を増したように息を乱す。揺れる乳房をいじめながら、私は何度目かの放出の予感を察知する。唇を離した瞬間、女が瞳を遂に開く。

潤んだ瞳には深い快楽の色が漂っている。腰を突く度に、短い喘ぎ声が確実に女の唇から洩れる。私の背中にしがみつくように手を伸ばす女の耳元で、私はそれを通告する。

「中で出すからな・・・・・・・・・・・・・」
「駄目っ・・・・・・・・・・・・・・・・・・、ううんっ、待って・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「そうされたいんだろう・・・・・・・・・・・・・・・、わかってるさ・・・・・・・・・・・・・・・・」
「いやっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、ああっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

藤原の行為を許した妻の姿が、脳裏に鮮明に蘇る。困惑する女の淫泉にとどめを刺すように、私は最深までの突きを高速で繰り返し、その漏れ出す声に最後の興奮を勝ち取る。

「いくぞ・・・・・・・・・・」
「ああっ、待って・・・・・・・・・・・、ああっ・・・・・・・・・・、駄目っ・・・・・・・・・・・・」

「ほらっ、どうだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ううんっ・・・・・・・・・・・・・・・、ああっ、早く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「ああっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「あああっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・、ああっ、奥までっ・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「出すぞ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ああっ・・・・・・・・・・・・・・・・・、ああっ、イクっ・・・・・・・・・・・・・・・・」

「ああっ、いくぞ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「イクっ・・・・・・・・・・・・・・・・・、ああっ・・・・・・・・・・・・・・ああんっ!・・・・・・・・・・・・」

迷いなど微塵もなかった。根元まで埋めたまま、私は激しい痙攣と共に己の体液を女の肉体に注ぎ込んだ。その夜、何度目かの痙攣にもかかわらず、私は大量の液体の気配を感じた。

汗だくの肉体を抱きしめあいながら、私たちはベッドの上で横になった。このラブホテルに誘ったのが女の方であることを思い出しながら、私は急激な睡魔に包まれようとしていた。

私が腰を引き抜こうとしても、女はそれを許さなかった。最後の一滴まで欲しがるように、女の膣は淫靡な収縮を繰り返し、私の全てを吸い尽くそうとしていた。

「麻由美は大学時代の親友よ。ツーリング仲間だったの、私たち。他の仲間と一緒によくいろんなところに行ったものだわ。でも、彼女が結婚してからすっかり疎遠になったのよね」

ぼんやりとした意識の中で、女の声がどこからか聞こえてくる。

「藤原さんと出会ったのは、私が長野方面に一人でツーリングに行った時ね。一目ぼれした私の一方的な関係だったけど、でも、何回か私を抱いてくれたわ、彼」

「そんな彼に相談を持ちかけられたのよね。理由は言えないけど、人妻を探してるって。それもきれいな人が希望だって。私はすぐに麻由美のことを思い出したわ」

「彼女には、家族でキャンプにでも行けば、って誘ったわ。久しぶりの連絡で驚いてた彼女に、私は秘密を少し話したの。実は私の男友達が麻由美みたいな奥様を探してるって」

「でも、まさか麻由美がそんな誘いにあっさり乗るなんてね。よほど退屈してたみたいよ、あなたとの生活に。他に理由があるのかもしれないけど」

「キャンプ場で何が起こったか、話す必要はないわよね。そして今夜。藤原さんにもう一度だけ会わないって、私が誘ったのよ。でも、麻由美は嬉しそうだったわ、それを聞いて」

記憶が混濁し、現実と妄想の境界線が曖昧なものに転化していく。私は女の蕩ける蜜壺にそれを挿入したまま、彼女の言葉を聞き、深い眠りの溝に落下していく。

下半身をきつく挟んでくる女の両脚の気配を感じながら、私は再び腰を振り始める・・・・・・。

************************

あれから数日が経過している。人妻はいつものように出勤する夫を見送り、幼稚園バスに乗り込む息子に笑顔で手を振った。

自宅に戻り、朝食の後片付け、洗濯、そして掃除と家事を進めていく。ラジオからは外国人ナビゲーターの爽やかな声が流れている。

平凡な主婦だ。夫、息子に囲まれ、幸福な日々を送っている。そこには何の不満もない。それを主張する権利など、あるはずもない。だが、何だって外見だけでは勿論判断はできない。

インターホンの音の気配を感じ、人妻は掃除機を止めた。確かに誰か訪問者がいるようだった。モニター越しに彼の姿を確認した人妻は、小走りに玄関に向かう。

「すみません、わざわざ・・・・・・・・・」
「とんでもないです。こちらこそご連絡、ありがとうございました。早速持ってきましたので、奥様、まずはこちらをご覧ください」

自宅近く、幹線道路沿いにあるバイクショップに勤務する若い男だった。人妻は、通い始めたスポーツジムのそばにあるそのバイクショップのことを以前から知っていた。

「オフロードバイクなら、今、お勧めはこちらですよね・・・・・・・・・」
男が開いた最新のカタログに、宮坂麻由美の視線が確かな意図を持って注がれる。

(完)


(↑応援クリック、凄く嬉しいです)

「闇の奥からの誘惑」
最後までご愛読、ありがとうございました。皆様からの全ての声が励みになりました。この場にて改めて感謝致します。本当にありがとうございました。次回新作は少し先になりますが、12月16日頃に開始するつもりです。引き続き、よろしくお願いします!

のりのり
Comment
No title
大変楽しく富ませていただきました
女性でも読める小説でした。次回の小説を楽しみにしています。
No title
退屈な日常を忘れさせてくれるような小説でした。のりのりさんには感謝です。次回作品もたのしみにしております。
のりのりさん(o^_^o)
あれっ、終わっちゃった(^^;)
麻由美さんと藤&菊のコラボ見たかったよ(>_<)
バイク買っちゃうの?結ばれたあの日を忘れないために空き地に“お飾り”しておくのかしら……。自由に頭の中でいろいろ考えるのは楽しいです(^^ゞ

今年の二月にのりのりさんの作品を知りました。リアルタイムで始めて読めて楽しくてコメントも送ったけども、気を悪くしたのがあればごめんなさい。作品へのこだわりがあるはずなのに、横やりを入れたかもしれないかなぁ~。と思う今日この頃ですm(_ _)m

作品ありがとうございました\(^o^)/
No title
お疲れ様でした。
次回作を楽しみに待っています。
長編を期待しています。
お疲れさまでした。
後半何かと大変だったかもしれませんが次回作も期待していますのでこれからもよろしくお願いします。
いつも読ませて頂いてます♪

作者さんの書く
喘ぎ声が リアリティがあって好きです(笑)
終わり方に不満がのこる
夫の裏切りをどこかで許せない平凡な人妻が、しかし、性欲を孕んだ成熟した肉体のやりばへの葛藤。菊原に刺激されたその肉体は、好意を抱いた藤原に激しく抱かれて麻由美の理性は脆くも崩れ去った。
麻由美にエロチックを感じる。
オフロードバイクを手に入れて、藤原との情事を、新たな人物との開発されたSEXを披露してもらいたい。
続編希望。
No title
最近、こちらのサイトを知ったので、課金をしなくていい作品のみすべて読まさせてもらいました。素人の方と思えないレベルの小説ですね。すごい実力です。ただ、どの作品もラストシーンがあっけなく、せっかくそこまでおもしろいのに、もったいないです。難しい設定はいらないから、もっと全員の気持ちを書き込んで、最後にひとひねり欲しいです。次も楽しみにしているので、頑張って下さい。
No title
いつも最後が惜しいです。もう少し書き込んで下さい。
お疲れ様でした(^_-)-☆
作品ありがとうございました。
挨拶を交わす程度のご近所さんの知られざる秘密をのぞき見してる感覚で楽しませていただきました。麻由美さん、バイクが目的じゃなく、実はショップの男の子狙い(^^)だったりして・・・。

のりのりさんからのクリスマスプレゼント。次回作も楽しみにしています。新たな主人公登場?それとも、過去作品主人公の続編?どちらかな?

ありがとうございました。お身体ご自愛下さいね(^^)/~~~

管理者のみに表示