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抵抗の果て(13)

2014 01 14
僅か数口を飲んだだけだ。しかし、正則は妻の表情が既に酔っているかのようにほの赤く染まっていることを感じた。その頬を、小野田の手がそっと撫でている。

江利子に激しく抵抗する素振りはない。ただ、男の手を嫌うように、顔を背けているだけだ。小野田はテーブルの上に置かれたワインボトルを手にし、自分のグラスに注いだ。

そのボトルには、赤いリボンが巻かれていた。何かのギフトとしてもらったものかもしれない。小野田はワインを舐めながら、江利子の肢体に密着していく。

「暑いでしょう、奥さん」
「い、いえ・・・・・・・・・・・」

「素直になっていいですよ。ここのストーブは強力だからね」
「・・・・・・・・・・」

「服を脱いだらどうですか、奥さん」
小野田の手が、江利子のカーディガンに伸びる。一瞬、江利子が襟元を閉じようとするが、男は構うことなく、慣れた手つきでそれを脱がしにかかった。

瞬く間にカーディガンを奪われ、江利子は白色の長袖Tシャツという格好になった。しっかりしたリブ素材の生地でできたそのシャツは、人妻の胸元にくっきりとした曲線を描いている。

薄暗い照明が、正則に緊迫した気配を伝えていた。二人が座るソファのすぐ後ろに、大きな木製のフロアライトが置かれているが、そのスイッチはOFFになったままだ。

「好きにさせてもらいますよ、奥さん」
ワイングラスをテーブルに置き、小野田はその手を江利子に伸ばしていった。

左手を腰に回し、江利子をきつく引き寄せる。そして、右手をスカートの上に置き、江利子の腿を撫で始めた。同時に、口元を人妻の首筋に接近させ、息を吹くような仕草を見せた。

「奥さんに髪を切られる客はみんな想像してるんだ。奥さんとこんな風になることを」
男の右手が江利子の膝元をくすぐるように細やかに動く。うつむいたまま、江利子は目を閉じ、それに耐えるように硬い表情を維持している。

スカートを抑えるように手を動かし、江利子の両太腿の輪郭をそこに浮かび上がらせる。スカート越しに、男の手が江利子の内腿に潜り込み、そこを開かせるような動きをする。

「嫌になったらいつでも言ってくださいよ、奥さん」
「私は・・・・・・・、何をされても大丈夫ですから・・・・・・・・」

正則の予想に反し、江利子が言葉を発した。小野田が少し驚いたように笑みを浮かべる。人妻の腿を掴み、マッサージを与えるように動かす。江利子の表情が僅かに歪んだ。

「そのうちに自分からこの脚を開かせてあげますよ。ご主人の目の前でね」
脚を愛撫し、人妻の耳にキスをする男。江利子は羞恥に耐えるように唇を噛んだ。

江利子・・・・・・・・・、我慢なんかしなくていい・・・・・・・・・・・・

正則は、今すぐにでもこんな行為をやめさせ、ここから逃げ出したかった。しかし、妻にそのつもりがないこともわかっている。固い決意と共に、妻はこの男に挑んでいるのだ。

男の口づけが、江利子の首筋を這って行く。逃げようともせず、江利子は男のされるがままになっている。愛撫される人妻の両脚は固く閉ざされ、隙間を生じようともしない。

男の右手が、人妻の脚からゆっくりと脇腹の辺りに動いていく。そこを撫でながら、やがて胸の膨らみに男の手が達する。豊満な肉体を堪能するように、男の手が大胆にそこを覆う。

「この前は少ししか触れなかったからな。今日はたっぷり楽しみますよ、奥さん」
江利子にカミソリで抵抗されるまで、男はその人妻の胸元をいじめていた。改めてその楽しみを思い出すように、男は今、江利子の乳房をシャツの上から覆い、ゆっくり愛撫し始めた。

「・・・・・・・・・」
江利子の肢体が僅かに動く。だが、声を漏らすこともなければ、息を乱すこともない。ただ唇を噛み、男の行為を流し去ろうとしている。

人妻の乳房をいじめながら、男は首筋を吸った。鎖骨周辺を丹念に責め、その勢いで人妻の上半身をソファに抑え込む。乳房を揉みしだき、男は江利子の顎、首筋を執拗に吸った。

江利子は両手をソファに投げ出し、男の肢体を押し返そうとはしなかった。依然として、両脚をぴたりと閉ざしている。男はやがて、両手で人妻の乳房を揉み始めた。

「やわらかいねえ、奥さんの胸は」
時折顔を離し、男は江利子の表情の変化を楽しむように見つめた。江利子が男と視線を交わすことはなかった。下方を向いたまま、ずっと瞳を閉じ続けている。

正則は過去の記憶を思い出していた。妻の乳房を愛撫したとき、決して技巧に優れてはいない自分の行為でさえも、江利子を敏感に反応させ、僅かな声を導くことができた。

そこは間違いなく、江利子の弱い部分に違いなかった。しかし、目の前の妻はそんな雰囲気は一切露呈せず、ただ男に肉体を差し出し、好きなようにさせている。

「奥さん、喉が渇いてきただろう」
小野田が再びワイングラスを持つ。妻の唇に触れさせ、それを強引に流し込む。

「ううんっ・・・・・・・・・・・・」
苦しげな息を漏らしながら、江利子が何口かを飲んだ。そして、一瞬の安らぎを求めるように深い息をついた。しかし、男が休息を許すわけもなかった。

「今度は後ろから揉んでやろうか、奥さん」
ソファに座ったまま、小野田が江利子の背後をとった。両脇の下から手を挿入し、力強く人妻の肢体を持ち上げる。そして、自分の足に座らせるような格好を求めた。

「ご主人に見せてやるといい。奥さんが気持ちよくなっていく顔つきを」
江利子を上に乗せたまま、小野田は両手で背後から胸の膨らみを責めはじめた。10本の指先がいやらしくうごめき、江利子が僅かに首を振るような仕草を見せる。

「ここは感じやすいんだろう、奥さん」
江利子の弱点を見透かすように、小野田がささやいた。男は人妻の服を脱がそうとはしない。黒色のスカート、ストッキング、そして白色のシャツ。その服装に乱れはない。

そんな日常の姿をしているだけに、正則には妻の姿が猥褻に見えた。夫の目の前で、別の男にいじめられている妻。男は何かを伝えるように、その下半身で江利子のヒップを突き上げる。

「奥さん、脚を開いてご主人に見せてやれよ」
男が巧みに自分の足を動かして、人妻の両脚を広げようとした。だが、江利子の抵抗がそれを許さない。固く閉ざされた人妻の両脚は、男の誘いをきっぱりと拒んでいた。

だが、男に焦る様子はなかった。彼は10分近くの時間をかけて、人妻の乳房を揉み続けた。江利子の様子に苦しげな色が少しずつ出てきたのは、正則にも明らかであった。

丘陵全体を愛撫しながら、男の指先が江利子の乳首を探すように動いた。指の腹でそこをいじめ、全体を揉みしだく。そして、男は時折江利子の首筋に背後からキスを与えた。

「奥さん、宣言通り、なかなかしぶといですね」
「・・・・・・・・・・・」
「心まで奪われることはない、ですか。泣かせる台詞じゃないですか」

小野田はようやく江利子を解放し、ソファに座らせた。江利子の表情には明らかな安堵の色が浮かんでいる。あのままされていたらどうなったのか、正則はそれを想像するのが怖かった。

だが、男には勿論計画があった。

「奥さん、まだまだお楽しみは始まったばかりですよ」
小野田はワインボトルを持ち、そこに縛られていた赤いリボンを解いた。

「さあ、奥さん、ここに座るんだ」
江利子の位置を動かし、その両腕を奪う。そして、頭上にそれを束ね、ソファ後方を見た。そこには、巨大なフロアスタンドの軸があった。男はそこに人妻の両手首をリボンで縛りつけた。

江利子は、ソファに座ったまま、両腕を後頭部で縛られ、固定するようなポーズを強要された。正則は理解した。全てが男のシナリオ通りなのだ、と。

「縛るなんて・・・・・・・」
正則が思わず声を漏らす。

「縛ってもらったことなんかないでしょう、奥さん。嫌ならいつでも言ってくださいよ」
無防備な人妻の乳房を再び愛撫し、男は指先を下に伸ばした。白いシャツの裾を掴み、その裏に手を潜り込ませる。シャツがずりあげられ、江利子の腹部の素肌が顔を覗かせる。

「もう一つの約束を奥さんが守ってくれたかどうか」
男がゆっくりとシャツの裾を引き上げていく。白く輝く人妻の肌が露わになっていく。

「やめてくださいっ・・・・・・・・・・」
江利子が瞳を開き、初めて抵抗の言葉を口にする。


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