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抵抗の果て(43)

2014 03 28
秋の夕暮は長くは続かない。淫靡な闇の時間を急ぎ求めるように、周辺の山々にいつしか黒い陰が忍びよっている。盛りの直前である紅葉の木々も、その姿を闇に消し去った。

照明がところどころに煌々とともされた露天風呂は、だが、そんな暗さとは無縁だった。深さを増す周囲の闇が、秘湯の風情をいっそう鮮やかなものにしている。

片隅の洗い場で、裸の男女が戯れている。二人ではない。裸の人妻を中央にし、その周辺にまるで飢えた獣のように、4人の男たちが群がっている。

人妻の魅惑的な裸体は、白い泡で包まれている。他にどうすることもできないように、すぐ背後に座る男にもたれかかった人妻の裸体に、8本の腕が伸びている。

男たちの広げた手のひらが、人妻の美肌の上に泡を丹念に擦りこんでいる。双方の乳房を、男の手が愛撫する。美脚の隙間の内腿を、更に別の男たちの指先が這いまわる。

見事なプロポーションを備えた肉体の持ち主が37歳の人妻という事実が、男たちの興奮を刺激している。今日会ったばかりの見知らぬ男たちにいじめられ、人妻は時折苦しげに息を吐く。

「うっ・・・・・・・・」
瞳を閉じたまま、懸命に耐え忍んでいる。いったん忘れた熱が、下腹部から急速に湧き上がっている。長い脚を投げ出すように、その裸体は更に後方の男に倒れこんでいってしまう。

「もういいだろう」
リーダー格の男の指示で、後方から人妻の腕を抱えて拘束していた男が力を緩める。露わにされた乳房を隠そうともせず、人妻の腕が左右に座る男たちの裸体に触れる。

「奥さん、夜は始まったばかりですよ」
泡で染まった裸体に線を描くように、一人の男の指先が立てられる。人妻の首筋から豊かな胸の丘陵を経由し、脇腹、腰の曲線へとその指先が動いていく。

妖しい震えが江利子の体奥に伝わる。小さく首を振りながら、江利子はしかし、声を漏らそうとはしない。唇をきつく噛んだまま、この男たちの正体を懸命に探り出そうとする。

「彼」に導かれてこの場所にいることには相違ない。だが、いったいどのような関係なのか。彼らの態度の端々には、週末、理髪店に来る客と同じような雰囲気が漂っている。

真っ当な会社員だ。「彼」とは異なり、辺境の世界を生きているようなすさんだ匂いはない。この場所を抜け出せば、普通の社会人として日常に溶け込んでいくような気がする。

宮地達樹の就職はどうなってもいいんですか?

彼らが口にしたその台詞を、江利子は再び思い出す。その瞬間、何かが江利子の脳裏を強く刺激し、確信めいたある考えが浮かび上がる。

「あなたたち、まさか達樹君の・・・・・・」
瞳を閉じたまま、江利子は確かな声でそうつぶやく。

世間でも名の通った一流の企業。不動産系のその会社名を、達樹は少し照れながら教えてくれたものだ。そこに達樹を導いた人間こそ「彼」であった。

「あの人の紹介で、あなたたちが達樹君を採用するのね・・・・・・」
声を震わせることのないよう、江利子は慎重にそう発する。

「彼は我々の大切なパートナーです」
隠そうともせず、リーダー格の男がそう答える。その右手が、江利子の豊満な乳房をゆっくりと揉みしだく。人妻の表情の歪みを観察しながら、言葉を続ける。

「いわば汚れ役ってところですね」
「・・・・・・・・・」

「我々が表だってできないような仕事を彼はやってくれます。逆に言えば、彼は我々の恥部を熟知している。ぱっと見は一流企業でも、裏ではあらゆる悪事を働いている、という事実を、ね」

言葉の意味を証明するように、男が江利子の首を抱きかかえ、顔を引き寄せる。強引に唇を重ねながら、手のひらで乳首を撫でる。別の男たちの手が、江利子の美脚の付け根に向かう。

「だから、彼には頭が上がらないんですよ、我々は」
「・・・・・・・・・」

「彼に何か暴露されてしまえば、我が社の運命もそこで途絶えます」
「・・・・・・・・・」

「奥さん、我々もまた、今夜は彼の指示で動いているだけです」
「・・・・・・・・・」

「我々はあくまでも前座ですよ。彼のためにステージを用意するだけですから」
誰かの指の腹が、江利子の蜜唇の上に置かれる。確かに湿ったその淵に、しかし、その指先は侵入しようとはしない。湯の中と同様に、敏感な表面を撫でるように動くだけだ。

それだけでも、江利子にはたまらない刺激だった。男の言葉に反論も疑問も投げることができず、江利子は肢体をかすかに震わせ、両腕で左右の男の裸体を掴む。

1本の指先が、依然として人妻の裸体を這っている。乳首が弾かれ、腰をくすぐられる。脚の奥に達した指先が、江利子のヘアを確かめ、剥き出しの泉をそっと撫でる。

男の言葉の意味が、江利子の体奥に伝わっていく。彼らも「彼」の指示に従っているだけだ。だからこそ、男たちは、自分たちが一線を越えることをためらっている。

それは「彼」だけの特権だから・・・・・・・。

立場をわきまえているかのように、男たちはそれ以上行為を加速させようとはしなかった。ソープで包んだ人妻の肉体を、ただ撫で、愛撫し続けるだけだ。

そんな男たちの態度が、江利子の肉体を逆にいじめている。焦らすような男たちの責め。ぎりぎりの段階までいきながら、決して一線を越えず、再び穏やかな責めに転ずる。

熱くさせるだけさせておきながら、一転して冷めた行為を繰り出す。それを欲しがる人妻の肉体をあざ笑うように、気配だけをちらつかせながら、決して与えようとはしない。

更なる行為をせがむように、江利子の裸体が淫らに悶え動く。脚のつま先に力を込め、腰をくねらせる。掴んだ男の裸体に指先を時折食い込ませ、何かに耐えるように顔を歪める。

「奥さん、我慢できないですか?」
「そういうわけじゃありません・・・・」

人妻の手を、一人の男が握り、己の腰に誘導する。そして、股間のものに、その指先を触れさせる。江利子の手に、猛々しく勃起した男のものの存在が、確かに伝わる。

「握りたいでしょう、奥さん」
人妻の指先を肉棒の周囲に巻き付けるように誘う。瞳を閉じた江利子が、無意識のままそれをそっと握る。男たちの指先の責めが、僅かに加速する。

江利子の乳首をつまみ、うなじを撫でる。内腿を愛撫し、秘所を繰り返し上下に撫でる。人妻の唇に指先を挿入し、舌先を犯す。そして、ソープにまみれた裸体にキスを浴びせ始める。

「いやですっ・・・・・・・・・・・」
かすかな声を漏らしながら、江利子は注がれる視線を感じる。

「彼」がどこかから、見つめている・・・・・。それを確信しながらも、江利子は瞳を開くことができない。仰向けになるように裸体を伸ばし、男たちに好きなようにいじめられていく。

右手に触れる男のものを、江利子はいつしかきつく握っている。たくましい男の肉体の感触が、奥多摩の山荘での記憶を蘇らせる。江利子はそれを懸命に消し去ろうとする。

「奥さん、お得意のマッサージでそれを刺激してください」
男たちの息遣いが荒くなっていく。彼らが皆、己のものをしごきあげていることを、江利子は感じる。ハアハアという男たちの息吹が、人妻の理性を激しく揺さぶっていく。

ぴんと隆起した人妻の乳首が、指先で何度も撫でられる。椅子に座るヒップを撫でられ、江利子の太腿が妖しく動く。美脚の隙間が更に開き、男たちに秘めた唇を曝け出す。

男の指がその入口を何度も撫で、ヘアと戯れる。一人の男がシャワーを手にし、熱い湯を放出する。そして、それを江利子の股間に接近させ、陰唇に強く密着させる。

「ううんっ・・・・・・・・・」
教えられたことのない感触が、江利子のあそこを襲う。勢いよく発射される湯が、膣壁を刺激する。全身に震えが走り、力が抜けていく。ぐいぐいと密着してくるシャワーヘッド。

「やめてくださいっ・・・・・・・・・」
江利子の太腿がそれを挟むように閉ざされる。その中で、シャワーヘッドが男のあれのように妖しく動く。腿肉に食い込むほどに挟まれたシャワーヘッドが、ぐいぐいと江利子の秘部を犯す。

「いやっ・・・・・・・・・・・」
熱いお湯と人妻の蜜が絡み合う。弾ける湯が膣壁に当たり、快感を誘発する。

力を込めていた人妻の脚が、再び緩む。男たちはそれを予測していたように、シャワーヘッドを離す。そして、江利子の太腿が押し広げられ、誰かの指先が唐突にそこに挿入される。

「あんっ・・・・・・・・・」
自分でも戸惑うほどの官能的な息を吐き、江利子は下半身を痙攣させるように跳ね上げる。だが、男の責めは、それ以上続くことはなかった。

「奥さん、そろそろ食事の時間です。部屋に戻りましょうか」
指先が素早く引き抜かれた。熱を帯びた江利子の裸体を置き去りにし、4人の男たちはそこから立ち去った。岩場の上にぐったりと横になったまま、江利子は動くことができない。

肉体を奪われたわけではない。裸にたっぷりと石鹸を塗られ、愛撫され、そして僅かに一度だけ、その指先をあそこに挿入されただけだ。

散々に焦らされた人妻の熟れた肉体。性の悦びの気配が濃厚な入口にたった瞬間、それ以上進むことを拒絶された様な、そんなやりきれなさだけが深く刻み込まれている。

男たちは、自分たちの満足に達することのないまま立ち去った。彼らはただ、人妻の肉体をたっぷり刺激し、欲情のスイッチに点火し、そのまま放置するという役割だけを果たした。

ただ一度挿入された男の指先の感触が、江利子の裸体を震わせている。


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Comment
No title
とても好みの展開です。

江利子さんが、迫られる前に
小野田に対して
「したい」
と言わせたいです。

江利子さんは小野田の女になるでしょう。

長く長く続けて下さいね。
江利子さん(^_-)
顔中を男たちのリキッドまみれにされてほしかったです(*^.^*)
『秘めた唇』えっちな表現で好きですよp(^-^)q

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