FC2ブログ

夫の秘密、或いは妻の秘め事(8)

2014 08 14
着替える際に利用した海の家で簡単なランチを済ませた後、二人は再びデッキチェアでのんびりと横になった。陽はますます高くなり、砂浜の熱気も一層増している。

幸い、二人が横になるデッキチェアは正午を過ぎたころから木陰に入り、僅かではあるが周囲よりは涼んだ環境となっている。希美子はしかし、どうにも形容できない熱を感じていた。

夏空のせいではなかった。午前中、一緒に戯れたあの大学生の若者たちに、海の中で肢体をまさぐられた感触が、長らく夜の営みから離れている人妻に、妙な熱を与えてくるのだ。

水着の上からヒップを撫でられ、強く愛撫された感触。股間に強引にねじ込まれ、秘所の一歩手前にまで達した若者の指先。そして、大胆に手のひらで覆われ、揉みしだかれた乳房。

どの行為も若く、稚拙なものであった。女性に悦びを与えようという意志はまるでなく、ただ自分たちの欲情を満たそうという、独りよがりの行為だ。

だからこそ、希美子には新鮮に感じられた。何も考えることなく、熱い興奮をぶつけてきた若い男たちの行動は、希美子をどこか別の世界に連れて行こうとするものでもあった。

そんな男たちに、最後は唇まで奪われたのだ。一瞬ではあったが、希美子は海の中で立ったまま若者に唇を吸われ、その舌先が口内に侵入することを許してしまった。

果たして夫は本当に気付いていないのだろうか。再びサングラスで瞳を隠し、希美子は顔に手を置くようにして横になっている。そして、すぐ隣にいる夫の様子をうかがった。

夫は再び眠りに就いているようだった。ランチの際にも、特に意味深な指摘をされることはなかった。増して、己の秘めた欲情を素直に告白する気配は、まるでなかった。

もしもあの光景を夫が見ていたのなら、間違いなく興奮を感じ取っているはずだ。別の男にいじめられる妻の姿を、妄想ではなく、現実のものとして目撃したのだから。

やはり、夫は何も気づいていないのだろう。己の欲情の過ちに思い至らせるためには、自分は更に危険な遊戯に身を投じなければならないのだ。希美子はそう感じていた。

砂浜を行きかう人々の数は、更に増えている。先ほどの学生たちはどこかに消えてしまった。だが、若者たち、特に男たちの姿が、希美子には多く感じられた。

あからさまな言葉をかけてくるような男はいない。だが、希美子は感じていた。何人もの男性が、ちらりと希美子の水着に視線を注ぎ、その裸体を記憶に刻み込むように鑑賞していることを。

それは、希美子の肢体の熱を更に高めていった。上半身は再びTシャツで隠しているとはいえ、豊満な胸を隠すブラは、くっきりとシャツの下に透けて見える。

Tシャツの向こう側に見える深い谷間は、更に猥褻さを増している。そして、剥き出しになった長い美脚。ぴたりと閉じた股間の辺りを、周囲の男たちの視線が犯すように襲ってくる。

そんなに見ないで・・・・・・・

決して自意識過剰なわけではなかった。まるで、ストリップ劇場の舞台にいる踊り子を鑑賞するかのように、行きかう男たちは大胆に希美子の姿を見つめ、視姦してきた。

夫の欲情を確かめるためにやってきたこの砂浜。そこで今、自分自身が妙に追い込まれていることを、希美子は知る。唇を僅かに噛み、希美子は肢体を隠すようにバスタオルをかけた。

そのときだった。

「失礼ですが、カップルさんですよね?」
その言葉が自分たちに向けられたことに、希美子は最初気付かなかった。

「あの、すみません、ちょっとよろしいですか?」
「えっ?」

正面に立つ男が自分たちに声をかけていることを知り、希美子はサングラスを取った。眩しさを感じながら、すぐ目の前にいる若く痩せた男の姿を見つめた。

「なんでしょうか?」
「お休みのところすみません、あの、先ほどご利用いただいたカップルさんですよね?」

「利用、ですか?」
「ええ。そこの海の家の者です」

希美子はようやく、思い出すことができた。着替えを済ませ、ランチの際に利用した海の家に、その男性らしいスタッフがいたことを。アロハシャツに短パンという、いかにも、という格好だ。

「あの、私たちに何か?」
「失礼ですが、カップルさんですよね?」

「え、ええ・・・・・・、夫婦ですが・・・・・・・・・・」
「ご夫婦ですか。えっ、全然奥様には見えませんでした。失礼しました」

「はあ・・・・・・・・」
ぼんやりと答える希美子の隣で、夫もまたその会話に気付いたように顔をあげた。

「旦那さん、すみません、起こしてしまって。あの、唐突ですがマッサージはいかがですか?」
「マッサージ、ですか?」

希美子はそう言った後、海の家のことを思い出した。比較的規模の大きなその建物には、確かにエステサービスと称してマッサージを宣伝する看板が設置されていた。

「週末キャンペーンをやってまして、カップルでのご利用は半額にしてるんです」
「それって、カップルで一緒にするんですか?」

確かにリゾート地の高級ホテルか何かであれば、あり得るかもしれない。だが、このような砂浜に設置された海の家のマッサージ、しかもカップルで、というのは、どこか胡散臭い気がする。

「あなた、別にいいわよね、そんなことしなくても・・・・・・・」
目を覚ました夫に対し、希美子はそう訊いた。そもそも、二人ともエステやマッサージの類とは、これまでまるで縁がないのだ。希美子は当然、夫がそれを嫌がると思った。

「希美子がやりたいんだったら、別にいいけど」
夫のその言葉は、希美子がまるで予想していなかったものだった。

「えっ?」
「このままここで寝てるだけじゃつまんないって言うんなら、喜んで付き合うさ」

夫の声には特に目立った変化はなく、いつもと変わらぬものだった。だが、希美子は急速に鼓動を高めていた。夫のさりげない言葉に隠された意志を、希美子は感じ取ったような気がした。

主人は私と一緒に行きたがっている・・・・・・・・・・

夫婦で一緒に、というのが、どのような環境なのかわからないが、夫婦のプライベートに全くの第三者が入り込んでくるのは間違いない。希美子は平静を装ったまま、男に質問を投げた。

「マッサージする方って男の方ですか?」
「そうなんです。いや、奥様がそれが嫌なら勿論無理にお願いはしませんが」

「夫婦で一緒にって、どんな部屋なんでしょう?」
「同じ部屋ですけど、二つのベッドの間は一応カーテンで仕切られてます」

「そうですか」
希美子は目の前の男を見つめながら、懸命に夫の様子の変化をうかがった。だが、夫は男の言葉を聞いても、その表情に僅かな揺れさえ浮かべることはなかった。

私の考え過ぎなのだろうか・・・・・・・、いえ、違うわ・・・・・・・・・・・・・・

自問自答を繰り返しながら、希美子は迷った。どうぜ大したサービスでもないマッサージに、時間とお金を費やすのはどうだろうか。だが、これはあの医師、柴田がまさに望んだ状況だ。

海の家のマッサージ、という言葉の響きに、希美子は最初から何かひっかかるものを感じていた。だが、そんな心の迷いを振り切り、希美子はやがて覚悟を決めた。

「じゃあ、やってみようかしら」
「えっ、ほんとですか?」

勧誘に来たアロハシャツの若い男は、驚いたようにそう声をあげた。希美子のことを改めてその目で見つめ、何かを想像するようにその視線を遠慮なく人妻の全身に這わせる。

「ねえ、あなたじゃないのよね、マッサージするのって」
「違います、違います。ちゃんとプロがいますから」

「あなた、ほんとにいいの?」
希美子は改めて夫にそう訊いた。どこか眠たげな表情のまま、夫は妻に答えた。

「いいさ。希美子がやりたいっていうんなら、勿論付き合うよ」
そして二人は立ち上がり、若い男に従って海の家に向かった。

案内されるがまま、二人は桃色の上品なカーテンで区切られた個室空間に入った。そこにはベッドが2台設置されており、間に薄地の白いカーテンで仕切られていた。

「しばらくお待ちください」
案内の若者が姿を消し、二人は手持無沙汰な様子でしばらくベッドに座った。やがて、マッサージを施術すると思われるスタッフが2名入ってきた。

「私たちが担当になります。よろしくお願いします」
「えっ?」

希美子が少し驚いたのは、1名が若い女性だったことだ。そして、当然のようにその若い女性は夫のベッドに向かい、仕切りのカーテンをしっかりと閉めて、完全に視界を遮断した。

「じゃあ、奥様はこちらでお願いしますね」
もう一人の男、年齢は恐らく40歳前後だろうか。確かに浮いた感じはせず、まともなマッサージ師という印象はある。希美子は戸惑ったまま、彼に促され、ベッドにうつ伏せになった。

そのとき、希美子は先刻から何か心に引っかかっているように感じていた理由に、ようやく気付いた。それは、ベッド上に横になった人妻の裸体の芯を揺さぶるには、十分な事実だった。

希美子は思い出したのだ。あの夜、夫の部屋で密かに盗み見したパソコン。そこでアクセスしたウェブサイトに掲載されていた動画の一つのストーリーを。

それは、海の家でマッサージ師に犯される水着姿の人妻を題材としていた・・・・・・。


(↑クリック、励みになります。凄く嬉しいです。次回更新、18日予定です)
Comment
性感マッサージ
セックスレスになってしまっている希美子さんに、プロのマッサージ師の技が襲い来る。まして、カーテン越しにご主人が居る状況で。ナマで、動画の再現になりそう。続きが楽しみです。
次まで待ち切れません。早めに更新願います‼︎

管理者のみに表示