FC2ブログ

刻み込まれた快感(5)

2015 03 06
一瞬目にした光景の残像が、早川の脳裏に深く刻み込まれた。

壁のこちら側で、彼は息を殺したまま、しばらく身を潜めた。このまま和室に戻り、筆を持って練習に戻るべきではないのか。見てはいけないものを見てしまったことを、彼は感じていた。

ここに来るべきではないのだ。書道教室に通う一介の生徒である。その立場では、教室がある自宅の中を勝手に歩き回る権利などないはずだ。

だが、20代の若者がそんな理性に従うわけもなかった。それどころか、彼はかつて感じたことのないような、燃えたぎる何かの存在を体奥に自覚し始めていた。

一瞬目撃しただけの光景が、早川の何かを確実に変えた。

そして、その人妻を自分がどう思っていたのか、初めて知った。

「待ちなさいっ、外山君・・・・・・・・・・」
朱里の苦しげな声が、壁の向こうから聞こえてくる。

もう我慢できない・・・・・。早川は僅かに身をかがめながら、再び壁の向こう側、台所を覗いた。ダイニングテーブルには、先刻と同じように朱里が押し倒されていた。

外山という名の中学生が、朱里の肢体を強く抑え込んでいる。もみあいながら、二人はその密着度を少しずつ高めていっているように見える。

朱里ははっきりとした言葉をなかなか発しなかった。上からのしかかってくる中学生の肉体を何とか押しのけようと、懸命に腕を伸ばし、全身でもがいている。

外山もまた、勿論そんな経験などないようだった。ただ夢中で朱里の首筋に吸い付くようにしながら、人妻の胸元の膨らみに顔を移動させていく。

「やっ・・・・・・・・・・、やめっ・・・・・・・・・・・・・・・・」
短い言葉を漏らしながら、朱里は激しく抵抗を続けている。

デニムに包まれた朱里の長い脚の間に、中学生が次第にその体を割り込ませていくのを、早川は見つめた。それに焦るように、朱里は更に激しく腕をばたばたと動かした。

ポロシャツが僅かに乱れ、人妻の腹部の白い肌が一瞬早川の目にとらえられる。顔を振るように、外山は乱暴に顔を朱里の胸元に密着させ、そして人妻の美脚を押し広げていく。

細く、長い朱里の脚が、M字に開脚されていく。こんなはずではないというように、朱里は何度も顔を振る。その手はなおも外山を退けようとするが、次第に彼の腕をつかむように動いていく。

中学生の股間が、朱里のそこに完全に密着する。朱里が再び首を振りながら、唇をかみしめるような仕草を見せる。男の手が、朱里のポロシャツの下に滑り込む。

「やめなさいっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
噛み締めるような声で、朱里がそう漏らす。そして、しばらくの後、顔を僅かに歪める。

「やっ・・・・・・・・・・・」
朱里の動きが一瞬静止し、唇が僅かに開いた。

外山の手が、朱里のポロシャツの裏側で無造作に動いていく。

朱里の腕が、ダイニングテーブルの端を掴む。何かにすがるようにそこをきつく握りしめ、全身を振るように動かす。だが、外山はもはや人妻を完全に制圧しているように見える。

「外山君・・・・・・・・・・、いけないわ、もうやめましょう・・・・・・・・・・・」
朱里が上にいる生徒を見つめ、クールな口調で諭すように言った。

この書道講師に密かにあこがれていたのだろうか。彼はやはり、まだ子供であった。叱られた子供のように、朱里の言葉に対して申し訳なさそうな表情を見せた。

「先生、ごめんなさい・・・・・・・・・」
そして、彼はその手を朱里のポロシャツの中から後退させた。

「いいのよ・・・・・・・・・、先生、驚いちゃったわ・・・・・・・・・・・・」
その場の雰囲気を和ませるように、朱里が明るい口調でそう言った。

二人はそのままの体勢で横になったまま、しばらく見つめあった。

そして、外山が唐突に朱里の唇を吸った。

「はんっ・・・・・・・・・・・・・・・」
それは、朱里にとって想定外の行為だった。

あまりの戸惑いと驚きのせいか、朱里は彼の行為から逃げることができなかった。中学生のささやかな欲望を満たしてやるように、朱里はその唇を彼に委ねた。

朱里の指先が、外山の背中を癒すようにゆっくりと撫でるのを、早川は見つめた。

キスはしばらく続いた。舌を絡めあうような濃厚なものではなかったが、早川には、朱里が自分から唇を僅かに開いたように見えた。

同時に、人妻の両脚が外山の腰を挟むように僅かに動いたことも見逃さなかった。

やがて、二人は唇を離した。外山が我に返ったように、朱里の肢体を解放し、その場に立ちすくんだ。朱里も立ち上がり、乱れた服装、そして黒髪を整えた。

「戻りましょう、外山君」
「はい・・・・・・・・」

「このことは忘れましょう。先生もそうするから。いいわね」
「うん・・・・・・・・」

早川は慌てて和室に戻った。

スマートフォンを握りしめたまま。


(↑クリック、励みになります。凄く嬉しいです。次回更新、3月10日予定です)
Comment
No title
早川に、痴態を録画されてしまったようですね。前回朱里が言った、一度体が覚えてしまったことは、決して忘れることはない、という言葉。書道教師と教え子から、男と女の関係に堕ちるのは、時間の問題?二人きりの書道教室で・・・。
スマホで何をしてたのでしょう?なんて野暮なことは聞きません(笑)
お疲れさまですp(^-^)q
早川君スマホで撮影してたの?彼じゃなく、今日はきていないもう一人の中学生がこっそり録画してるんだと思ってました(^^ゞ
朱里さん何かいきなり中学生に押し倒されたわりに扱いに慣れてますね。
これは清純な顔の裏に淫乱な一面を持っていそうで楽しみです。
次回も楽しみです!
早川さんに対抗意識を燃やしたのかな?縄張り意識でも芽生えたのかな?自己顕示欲を示して彼よりも優越感に浸りたかったのかな?中学生だけど男の子なんですね。オスの本能でしょうか。アニマルプラネットの見すぎだね(-_-)
それとも、お父さんにでもけしかけられたの?書道教室だし筆も・・・とか。いっしょに狩りの仕方を練習しないといけないねm(__)m
緊迫感がいいですねえ
e-351臨場感伝わってきます
ワクドキ 感謝です 元気が出ます

声を上げさせず、どんな技を使って押し倒したのか  最近の中学生、なかなかやりますなぁ  あやかりたい へへ

早川さん の食べっぷりにも期待です

『裕子の決意』が大好きで何度も読み返しています。あんな明るい雰囲気になるのかなぁ

管理者のみに表示