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刻み込まれた快感(18)

2015 05 31
人妻である自分が、夫以外の男に何を許そうとしているのか。

目隠しをされた状態で仰向けにされた朱里は、繰り返しそれを自問し、不貞を犯そうとしている自分を責めた。何も知らぬ罪のない夫のことを、朱里は幾度となく考えた。

しかし、欲しがる37歳の女の肉体が、理性を強引に抑えつけた。

いつだって引き返すことはできるはず。何も、全てをこの若い男に許すつもりではない。これは、大人同士が境界線を自覚した上での単なる戯れなのだから。

そんな言い訳を、朱里は心の中で繰り返している。

激しく高鳴る鼓動を感じる。彼の指先が、ブラウスのボタンに触れた。

朱里は、本能的にそれを防ごうとするかのように、自らの手を首元に伸ばした。だが、早川は言葉を発することなく、朱里の指をやさしく退けた。

「朱里先生、無心になって」
それは、朱里が生徒たちに繰り返し言い続けてきた言葉と同じだった。

無心になんか、なれずはずがないでしょう・・・・・・。彼にそう訴えたい気分であった。

彼に指示されるがまま、朱里は両手を腰のあたりにそっと置いた。無防備な上半身が、彼の手の下に曝け出されている。一番上のボタンにつづき、その次のボタンが外される。

更にその下のボタンが外され、ブラウスがはだけていく。その隙間から、人妻の胸元が少しずつ露わにされていく。ブラに覆われた朱里の乳房が、やがて剥き出しになっていく。

ボタンが完全に外され、ブラウスのあわせが大きく広げられた。

朱里は、かすかに唇を噛んだ。

「恥ずかしいですか、朱里先生・・・・・・・」
「当たり前です・・・・・・・・・」
「無心になれていない証拠ですよ・・・・・・・」

闇の中で、彼に乳房を見つめられていることを、朱里は濃厚に感じた。

早川の指先が朱里の手首に伸びていく。そこのボタンも外される気配を感じ、朱里は少し狼狽した様子で、声をあげた。

「早川さん・・・・・・・」
「ブラウスを脱ぎましょう、朱里先生・・・・・・・」

「待って・・・・・・・・・・」
「心配しないで・・・・・・。僕は朱里先生を汚すつもりはありません・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」
「朱里先生を奪おうなんて決して思ってませんから・・・・・・・。僕はただ・・・・・・・・・・・・」

複雑に絡み合った情念が朱里の体奥で渦巻いていく。朱里は息を呑んで彼の言葉を待った。

「朱里先生がまだ知らないことを教えてあげたいだけなんです」

彼に私は何を教えてもらうというのだろうか・・・・・・・。それを想像するだけで、朱里は全身に激しい熱を感じてしまう。それは、夫には決して教えられることのない何か・・・・・・・。

朱里は、彼の行為に従うことしかできなかった。目隠しをされたままで、服を脱がされていくことがこれほどに恥ずかしいことであることを、朱里は初めて知った。

仰向けになった肢体を動かし、朱里は彼がブラウスを脱がす行為を自ら手伝った。やがて、朱里はブラだけを身につけた上半身の裸体を、彼の前に差し出した。

近所でも評判の美しい人妻の裸体が、薄闇の中で白くなまめかしく光っている。細身の肢体にはぜい肉はいまだ無縁であり、くびれた腰の曲線が、妖しい肉体を描いている。

決して巨乳ではないが、その乳房は美しく、男を誘うように盛り上がっている。朱里は、早川が訪問するこの日、白色のブラを選択していた。

「とてもきれいですよ、朱里先生」
「言わないでください、そんなこと・・・・・・・」
「朱里先生のお体、凄く魅力的です」

夫にも、もうずいぶん長い間言われていない言葉だ。いや、ひょっとして、結婚前にも夫にそんな風に下着姿の自分の体を素直に褒められたことなどなかったかもしれない。

37歳の主婦は、異性にそんな風に褒められることの嬉しさを、改めて感じている。

上半身ブラだけの姿にされたときに、朱里は彼が次に何を要求してくるのか、既に想像していた。そして、彼は朱里が思った通りのことを要求してきた。

朱里は、それに応じた。

チェック柄のタイトスカートが瞬く間に脱がされ、朱里は裸体を白色のブラとショーツだけで隠すのみの格好となった。

ささやかな自慢である長く細い美脚を、朱里は無意識のうちにきつく閉じた。

長い沈黙の時間が訪れた。

目隠しをされたまま、朱里は彼の「行為」を待った。

彼がどこにいるのか、やがて朱里にはわからなくなった。

裸体でいるのに、汗ばむほどの熱を感じていく。

唇を噛み、喉の渇きを訴えるように、僅かに唇を舌先で濡らす。

ハアハアハア・・・・・・・・・

息苦しささえ覚え、朱里は遂に声を漏らした。

「早川さん・・・・・・・・・、焦らさないでください・・・・・・・・・・・・」

だが、彼は無言を貫いた。

彼の静かな息遣いが、少し離れた場所にあった。

長い時間をかけて、人妻の裸体を観察するかのように、男は無言だった。

何時間にも思えるほどの静寂。

やがて彼がそれを握った気配を、朱里は感じた。

朱里は、指先で座布団の端を握りしめた。

そして、唐突にそれが朱里の脇腹に触れた。

「あっ・・・・・・・・・・」

朱里の全身を、電流が走った。


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