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刻み込まれた快感(26)

2015 07 13
「でも先生・・・・・、いえ・・・・・・、梶さん・・・・・・・・・・・」

立ちあがった男に対し、朱里は椅子に座ったままどうすることもできなかった。

彼に酔った様子はない。それどころか、きわめて落ち着いた様子を維持したままだ。しかし、そこには人妻が知る弁護士の姿はもうなかった。

本性を遂に曝け出したのだ。

そのとき朱里は、そう感じていた。夫の長い裁判の間、この弁護士は胸の内で考えていたことを、頑なに隠し続けてきたのだろう。それを明らかにする瞬間を密かに待ちながら。

そうなのだ。彼は、最初からそれを隠したまま、夫の弁護を引き受けたのだ・・・・・・・。

「悲劇が起きたあの和室ですよ、奥さん」
「でも梶さん、あの部屋はもう何度も」

「確かに裁判中に何度も見させていただきましたが。また今夜、見たくなりましてな」
「・・・・・・・・」
「奥さんと二人きりで」

勿論、夫が帰宅するわけはない。それどころか、午後8時をまわったこの家には、今夜もう誰もやってくることはないはずだ。

何の危惧を抱くことなく、今夜招待した弁護士。

彼が、夫以外の一人の「男」に急に姿を変えた。

「では、こちらにいらしてください」
覚悟を決めたとは言えない小さな声を絞り出した人妻は、緊張気味に立ち上がる。

そして、彼を和室に続く暗い廊下へと誘導した。

背後から密着するようについてくる男。朱里は想像した。後方から、突然彼に抱きすくめられることを。

男は決して朱里の肢体に触れることはなかった。ただ黙って、朱里の背後から歩いてくるだけだ。

だが、そこには強烈な「男」の存在があった。

激しく女の何かを求める、獣のような男の性欲。

朱里の想像は、そして、間違ってはいなかった。

「こちらですわ」
襖をあけ、朱里が壁にあるスイッチに手を伸ばそうとした瞬間、その細い手首を梶がきつく握った。

「梶さん・・・・・・・・」
「このまま暗闇でいいですよ、奥さん」

朱里の手首を拘束したまま、男は背後で静かに襖を閉めた。

彼のほうを向くことができない。朱里は、前を向いたまま、そこに立ち尽くしていた。

抜群のスタイルを維持した人妻の肢体が、暗いシルエットとなって室内に浮かぶ。

男の両手が後方から伸び、人妻の胸元の膨らみをそっと包み込む。

強く引き寄せられ、朱里は後方の梶に肢体を預けるようにもたれかかる。

男の手が朱里の乳房をシャツ越しに揉みしだき始める。

朱里は肢体を震わせながら、無言を貫いた。

何かを言えば、更なる渦に引きずり込まれてしまうような気がした。

「いい体ですな、奥さん」
淡々とした男の口調に、かすかな興奮の息遣いが漂い始める。

あの夜、早川とたわむれた後、男の手には一度も触れられていない人妻の肢体。30代後半の女の体が、それを欲しがっていないわけはない。朱里は、急速に肢体が熱を帯びていくのを感じていた。

弁護士の口が、人妻のうなじを吸う。

朱里のシャツのボタンが、ゆっくりと上から外されていく。

「やめてください・・・・・・・・」
朱里は遂に、そう声を漏らした。

「奥さん、私は嘘をついてあげたんですよ」
「・・・・・・・・・・・」
「ご主人を救い、あなたの立場を有利なものにするために、世間を欺いてあげたんです」

梶の指先に力がこもり、朱里のシャツが強く引き裂かれる。まだ外されていないボタンがあった人妻のストライプ柄のシャツが、びりびりっと音を立てて、剥ぎ取られる。

ブラに包まれた朱里の豊かな美乳が剥き出しになる。梶がその膨らみを濃厚に愛撫し始める。

「やっ・・・・・・・・」
「奥さん、少しは労うべきでしょう、あなたたち夫婦を救った弁護士を」

「・・・・・・・・・・・」
「この体を弁護士に一晩貸すことくらい、ご主人だって許してくれるはずです」

ブラのホックが外され、朱里の上半身が瞬く間に裸にされる。立ったまま、朱里は暗闇に包まれた和室の壁に抑え込まれる。正面を向いた人妻の唇を、梶がねっとりと吸う。

「はんっ・・・・・・・・・」

その手が同時に朱里の剥き出しの乳房をいじめる。形よく突起した人妻の乳首を、男が軽くつまむ。

「あっ・・・・・・・・・・・」
壁にもたれたまま肢体を震わせ、朱里は弁護士の体を何とか突き放そうともがく。

「体で追加の報酬を支払ってもらいますよ、奥さん」
「できません・・・・・・・・・」
「依頼人ならそれぐらいするべきでしょう。違いますかな」

闇の中で見つめてくる男に、人妻が声を絞り出す。

「こんなこと、主人には・・・・・・・」
「秘密にしておきますよ」

「あの夜、奥さんが彼と合意していたことも内緒にしておきます」
「・・・・・・・・・・・・」

「奥さん、私は知ってるんですよ」
「・・・・・・・・・・・・」

「ここで奥さんがあの若い男とどんな風に戯れていたのかも」

朱里は、しばらくの間、梶を闇の中で見つめた。そして、ささやくように言った。

「わかりました・・・・・・・・・」
「いいんですな、奥さん」

人妻は観念したように、小さくうなずいた。

朱里の両手を束ねて拘束しながら、梶が本格的に女の乳房を舐めはじめる。

瞳を閉じ、朱里はきつく唇を噛んだ。

「奥さん、あなたには罰を与えなければなりませんな」

朱里の胸をしゃぶりながら、男が声を響かせる。

「今からここで懺悔をしてもらいますよ、奥さん」
「・・・・・・・・・・・」

「筆先に溺れてしまった人妻に懺悔をしてもらうのは、奥さんで二度目ですな」

梶の言葉には笑みが含まれていた。

朱里の脳裏に、僅かな記憶の断片がよぎった。

男の手が、人妻のタイトスカートの中に滑り込んだ。


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Comment
海の日が待ちどおしいです!
奥様が思い起こして、興奮してきちゃうのは、今は高い壁にいる人?それとも筆の子?弁護士だし尋問しながらいじめてあげてもねm(__)m
p(^-^)qお疲れさまです
このまま和室ですか。寝室には行かないの。

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