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LOVE47(18)

2015 11 30
アルコールの力を借りずとも、夢心地に至ることはできる。

人妻は今、戸惑うほどに濡れた肉体と共にそれを感じていた。

あの店から駆け出した後の記憶がはっきりしない。

酔っていたわけではない。

それどころか、最初の店で堪能したカクテルの酔いは完全に消え去り、はっきりと覚醒した自分を取り戻していたはずだった。

だが、意識は不安定だった。

自分がなぜあの店に踏み込み、あんな行為を受け入れたのか、まるでわからなかった。

ただの欲求不満な人妻。

そんな声が、どこかから聞こえてくる気がした。

そうかもしれない。

夫とは別行動を選択し、一人、夜の盛り場に飛び出してきた人妻。

終電近くの時間になっても帰宅しようとせず、あのような見も知らぬ男との戯れに興じた自分。

そこに、平凡な主婦の姿はない。

自分を受け入れられなくなってしまったなら、もう、行くべき場所などない。

そんな思いで、私はあの店を飛び出し、逃げるように走り出した。

その後の記憶が、葉子にははっきりしなかった。

いや、違う。

覚えていないわけではない。

むしろ、はっきりと記憶している。

それを現実のものとして受け止めてしまっていいのか、葉子はなおも迷っているだけだった。

自分自身、どこかで望んでいたこと、それがそのまま実現したのだから。

彼は優しかった。

そして、経験の浅さを告白するように、どこかぎこちない風に、服を脱がしてくれた。

二人は、ベッドの上で、初めて触れ合った。

ためらうことなく唇を吸い、互いの体に手を伸ばした。

触れれば触れるほど、二人の指先には力がこめられていった。

秘められた場所を、二人は大胆に刺激しあった。

すぐに息遣いは荒くなった。

自分自身の肉体が熱く、蕩けだすほどに急速に目覚めていくことを、葉子は感じた。

47年間の生で、こんな風に感じたことはない。

夫以外の男性の前で、生まれたままの姿になることにもためらいはなかった。

それが、彼の前であるならば。

「素敵です」

年下の彼にそんな風に言われ、葉子は素直に嬉しかった。

そして、自分から彼の裸体を引き寄せた。

彼にもまた、ためらいの色はなかった。

交際する女性がいる、という彼の告白を、葉子ははっきりと覚えている。

ベッド上で、葉子は何度も彼にささやいた。

「彼女に悪いわ」

しかし、彼はその激しすぎる己の欲情を自制できないようだった。

室内に入って、10分も経過していない。

脱ぎ捨てられた二人の服、そして下着が、周囲の床に落ちている。

葉子は、大胆に美脚を広げられ、彼に迫られていた。

二人は、決定的な何かを感じながら、そのまましばらく見つめあった。

葉子の肉体は、どうしようもなく熱を帯びていた。

それを収めてくれるものは何か、葉子にはよくわかっていた。

彼のたくましい欲情もまた、自分を強く望んでいることを葉子は感じた。

取り返しのつかない罪。

今、私はそれを犯そうとしている。

葉子は、自分がいつの日か、正当な罰を受けることになるのだと、はっきりと想起することができた。

必ず、私は罰を受けるのだ・・・・・。

それでも彼が欲しかった。

「来て」

葉子は小さくささやき、そして瞳を閉じた。

彼の手が、葉子の内腿を何度も撫でた。

全身が震え、葉子は唇を噛んだ。

指先が、そこに触れた。

「あっ・・・・・」

腰を浮かせるほどに、葉子は敏感に反応した。

彼の唇が、胸元のいただきに触れた。

その背中を、葉子は引き付けるように抱きしめた。

もうじらされるのはいやだった。

「早く・・・・・・、早く来て・・・・・・・・」

彼の力強い手が、葉子の太腿を強く押し広げた。

二人の唇が重なった。

しばらくの後、葉子の全身を激しい電流が貫いた。

「ああんっ!・・・・・・・・」

47歳の人妻の意識が薄れ、夢園の光景が果てまで広がった。


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