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LOVE47(42)

2016 03 09
白色のブラと濃紺色のスカート。照明が落とされた応接の空間にあっても、その対比は十分すぎるほど官能的に映えていた。

スタイルのいい肢体で直立したまま、人妻は頭上で手を重ね、苦悶の表情を浮かべている。

背後に立つ男が、ブラの紐を人妻の背中でつかみ、その豊満な胸元を刺激するように引っ張り続けていた。

「胸を揉んでくださいって言わないと、奥さん、このホックを外すぜ」

佐伯の口調には、どこかからかうような、親し気なトーンが混じっている。

葉子との付き合いはもう長いのだ。

これほどに刺激的な行為はしたことがなかったにせよ、佐伯は過去に何度もきわどい戯れを葉子に要求し、逃げられていた。

いじめてくるのは、見も知らぬ男ではない。夫の幼馴染で、自分自身、もう何年も前から付き合いを続けてきた人間だ。

だからこそ、葉子は戸惑いを深くしている。

そんな男が、私の不貞行為の決定的な証拠を握り、それをネタに私の体を奪おうとしているのだから。

「どうした、奥さん、ほんとに外しちまうぜ」
佐伯の指先がブラのホックに触れる。

「待ってください・・・・」
葉子は前を向いたまま、懇願するように声を漏らした。

今夜、どこかでその下着ははぎ取られ、この男に全てを捧げることになるのだろう。たとえそうであっても、それをすぐに許すわけにはいかない。

「それはいやです・・・・・」
「だったら胸を揉んでくださいって言うんだ」

「・・・・・・」
「若い彼氏には自分からねだってるんだろう」

「・・・・・・」
「彼に揉まれて今まで以上にいい胸になったんじゃないのかい、奥さん」

「ひどい人・・・・・・」
「ふふふ。奥さん、俺が奥さんをいじめるのが好きだってことぐらい、もう何年も前から知ってるだろう」

「そうね・・・・」

葉子は、隠すこともなく、そう答えた。

これ以上、この男と会話をするのが時間の無駄なような気もする。

今夜はもう、この男を早く満足させることだけを考えればいいのかもしれない。

何も考えず、心を許すことなく、少しの間、ただこの男の好きにさせれば、ここから解放されるのだ。

だが、最後の瞬間までこの男には抵抗し続けるべきだ、という感情も、やはり、葉子の体奥でうごめいている。

「どうするんだ、奥さん」
「裸にはなりたくないですから・・・・・・」

「じゃあ、言うんだよ、奥さん・・・・・」
「わかりました・・・・・・」

佐伯はあくまでも葉子の背後に立ち続けている。前を向いたまま、葉子はそっとささやいた。

「揉んでください・・・・・・」
「聞こえないな。もっとはっきり言うんだ、奥さん」

「胸を揉んでください、佐伯さんの好きなように・・・・」
美しい人妻の表情に、一筋の陰が走った。

夫に対してではなく、それは、別の彼に対する罪を感じた人妻が見せた、心の揺れだった。

佐伯の両手が、葉子のウエストラインを確認するように伸びてくる。

露にされた人妻の白い肌を撫でながら、男の手が再び上方に向かって動き始めた。

先刻とは違い、もう退行しようとはしない。

突き出すように盛り上がった人妻の胸を、男の両手が大胆に覆う。

ブラの刺繍の感触を確かめるように、動き始めた男の指。

武骨な男の指先は、しかし、どこまでもこまやかに、柔らかな丘陵の上を動き回る。

やがて、全体のふくらみを、男の手が堪能するように運動を始めた。

葉子が表情を変えることはなかった。

瞳を閉じ、依然として両手を頭上に重ねて置いている。

姿勢を震わせることもなく、男に好きなようにさせている。

「いい体だ」
佐伯が、積年の願望を遂に満たそうとするように、つぶやく。

以降は無言のまま、男は人妻の乳房に愛撫を与え続けた。

一定のペースを守り、決して焦ることなく、10本の指を動かし続ける。

ブラを外そうともせず、約束した通り、下着の上からその行為を与えていく。

二人とも言葉を発しようとはしなかった。

男と女は、相手の感情の揺れを互いの息遣いの変化で探ろうとしていた。

人妻の息に、依然乱れはない。

男の呼吸は、時折興奮を隠しきれない様子で、深い吐息を示している。

葉子の様子に変化はなくても、佐伯にはまるで焦りは見えなかった。

人妻の後方に立ち、かすかな笑みを浮かべながら、その行為を続けている。

それは10分以上も続いた。

佐伯の手のひらが、葉子の胸のふくらみの頂点を、さっきから探すように動いている。

いや、彼はブラの下に、既にその秘密の突起の位置がどこにあるのか、はっきりと気づいている。

佐伯が執拗にそこを責めてくるのを、葉子は確かに感じている。

いやな人・・・・・

ぐいぐいと手のひらを押される度に、葉子は熱を感じ始めている。

それは息の乱れなど引き起こさない、本当にかすかな兆候だった。

それが何の兆候なのか、葉子は気づかぬふりをしている。勿論、佐伯に察知されるわけにもいかない。

しかし、下着の下で、それはもう、はっきりと盛り上がっていた。

やがて、佐伯の手の動きが止まった。

葉子は、密かに安堵を得た。

だが、それは長くは続かなかった。

男の指先が、人妻のブラの下側に強引に滑り込んできた。

「下着を剝ぎとるわけじゃないからな」
自らの誠実さを訴えるように、佐伯が葉子の耳元でささやく。

葉子は冷静さを装い、男の強引な行為にも、敢えて反応を示さない。

ブラの裏側で、彼の指先が、葉子の乳房の頂点を左右同時につまんだ。

葉子は前を向いたまま、その瞬間、唇をきつく噛んだ。

何かの兆候のような妖しげな熱が、いつの間にか、全身に拡散していることに、葉子は気づく。


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