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LOVE47(53)

2016 04 15
その電話を受けたとき、葉子はしばらくの間、言葉を発することができなかった。

「葉子さん・・・・・・・」

この名前で彼に呼ばれることは、これが初めてだ。

以前は偽名で互いに呼び合う仲だった。

この時が来ることを、葉子は既に放棄すると共に、どこかで恐れてもいた。

「葉子さん、僕です。垣内剛です・・・・・・・・」

彼もまた、偽名を使おうとはしなかった。そこには、若者なりの覚悟が確かにあった。

言っておかねばならないことがたくさんある。だが、今の葉子にそれを口にすることはできなかった。人妻はただ、携帯を握りしめたまま、涙で頬を濡らすだけだった。

「会いたいんです」
彼の言葉には、どこか切迫した雰囲気がこもっていた。

あの温泉旅行から、もう何か月が経ったのだろう。この間に、二人の間には激動とも形容できそうな出来事が続いた。

娘、理穂と彼の関係を知ってしまったこと。

そして、佐伯との関係・・・・・・・・。

あの夜、佐伯は葉子を朝まで解放することはなかった。

一度満たされた男の肉体には、尽きることのない人妻への欲情が湧き出していた。

佐伯は、応接の密室で、葉子の体を時間をかけ、あらゆる体位で激しく抱き続けた。

絶頂に導かれた人妻の肉体は、一度知ってしまった悦びを欲しがるように、何度も男のものを受け入れ、そして、淫らに嬌声を上げ続けた。

「あっ・・・・・・・・・・・、ああっ、また・・・・・・・・・・・・、イクっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

理性を完全に振り払った人妻の性が、何度も素直な告白を口にした。

愛蜜と汗でたっぷりと濡れた葉子の肢体を、佐伯は明け方、バスルームで抱いた。

熱い湯を浴びながら、葉子は彼にバックから、そして正面から、立ったままの格好で貫かれ、裸体を淫らに震わせた。

シャワー室の壁に、立ったまま背中を押し付けられた人妻。彼の裸体に爪を立て、乳房に彼の顔を強く引き寄せ、葉子は自分から腰をくねらせた。

「あっ!・・・・・・・・・、あんっ!・・・・・・・・・・・・・」

顎を何度も上に向け、悦楽の色を大胆に告白する人妻。抱えあげられた片脚、葉子はその太腿を彼の腰に巻き付けるようにし、男のたくましいものを欲した。

狂ったように腰を突きまくる佐伯。

「あっ・・・・・・・・・・、ああっ、イきそう・・・・・・・・・・・・・」
「奥さん・・・・・・・、また中に出すぜ・・・・・・・・・・・・・」

「ううんっ・・・・・・・・、あっ・・・・・・・・・・・、早くっ・・・・・・・・・・・」
「ほらっ・・・・・・、ああっ、奥さん・・・・・・・・・・・・・・」

「あっ・・・・・・・・・、ああっ、いいっ・・・・・・・・・・・・、ああんっ!・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

我を忘れ、人妻は奔放に性の魔性に支配され、そして、男に完全に屈服した。

彼のものを、葉子はその体奥に何度も受け入れた。

その記憶が、今もなお、葉子を苦悶させている。

いや、既に、人妻にある「覚悟」をさせてもいた。

「垣内さん・・・・・・・・・」
葉子は、彼の名前を初めて口にした。距離を置くように、彼の名前ではなく、姓を。

「私・・・・・・、もうあなたとは会えないわ・・・・・・・・・・・」
「葉子さん、僕・・・・・・・、理穂さんと別れましたから」

それは、葉子が想像していなかった告白だった。

だが、同時にそれは、葉子の覚悟を更に強固にすることになった。

「理穂と別れてどうするつもりなの・・・・・・・・・」
「葉子さんと会いたいんです」
「それは駄目・・・・・・・、許されない・・・・・・・・・・・・」

秋の冷たい雨が外では降り続いている。二人の会話にも、雨音は奏でられていた。

「葉子さん、もう僕とは会いたく」
「言わないで、それ以上」

「葉子さん・・・・・・・・」
「私、もうあなたに会えるような女じゃないわ・・・・・・・・・」

「理穂さんの母親だから?」
「それだけじゃない・・・・・・・・・、私はもう・・・・・・・・・・・・・・」

佐伯に快楽の言葉を告白してしまった自分自身の姿。あの瞬間、葉子は悟った。

私は、全ての過ちを受け入れ、償わなければならないのだ、と。

「葉子さん・・・・・・・・・・・」
彼の呼びかけに対し、葉子はしばらくの間、沈黙を貫いた。

背景にはただ、秋の雨音だけがあった。

「理穂を幸せにして」
「葉子さん・・・・・・・」

「わかったわね。理穂を必ず幸せにしてください。お願いします」
「ちょっと葉子さん、待って・・・・・・・・・」

「もう会うことはないと思うわ」
「・・・・・・・・」

「垣内さん・・・・・・・・・・」
「葉子さん・・・・・・・・」

「今までありがとう・・・・・・・・・・」

電話が切れた後、垣内剛は自分が何か、取り返しのつかない過ちを犯したような気分になった。同時に、暗示めいた何かを与えられたような気がした。

波多野葉子の涙に染まった最後のメッセージを、頭の中で繰り返しながら・・・・・・。

「いいのかい、そんな風に別れてしまって」
乳房を愛撫しながら、佐伯が葉子の耳元でささやく。

「ええ・・・・・・・・・・」
「奥さん、これで完全に俺の女になる決心ができたってわけだな」
「はい・・・・・・・・・・」

佐伯の手に裸体を揉みしだかれ、葉子は自分から大胆に脚を広げ、彼を迎え入れた。

「死ぬまで俺の女だ・・・・・・・・・」
「ええ・・・・・・・・・・・」

「入れるぜ、奥さん・・・・・・・・・・・」
「早く・・・・・・・・・・・・、早く来てっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

挿入を果たした佐伯は、激しく腰を振りながら、葉子の乱れる姿を見つめ続けた。

「あっ・・・・・・・・・・、あっ・・・・・・・・・・・・・、あっ・・・・・・・・・・・・・・・・・」
快感に身悶え、両手でシーツを掴みながら、瞳を閉じ続ける葉子。

官能に顔を歪め、唇を噛み締めながらも、人妻は体奥の中で密かにつぶやいている。

これが最後の夜よ・・・・・・・、佐伯さん・・・・・・・・・・・・・・


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次回は
怖い展開になるのか?…
楽しみにしてます

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