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目覚め(2)

2017 01 20
紺碧の海がどこまでも広がっています。

見上げれば真っ青な夏空、そしてぎらぎらと照り付ける眩しい太陽。唯一不安だった台風の恐れもどうやらなさそうです。

リゾートホテルは、期待通り、南国ムードたっぷりに私たち夫婦を出迎えてくれました。

「あなた、素敵なホテルね」
「ああ。それほど大きくもないし、何よりまだ新しいね」

「こんな場所に来れるなんて、私、想像していなかったわ」
「結婚15年じゃないか。たまには1週間、ゆっくり楽しもうよ」

「あなた、ありがとうございます」

38歳の妻、佐代子は、珍しく喜びを素直に表現し、私に笑みを投げかけました。

本島から更に離れたこの小島には、同じようなリゾートホテルが何軒かあるようです。それぞれが一定の距離を保って作られているようで、このホテル前には小さなビーチがありますが、ここの宿泊客が独占できる区画となっています。

9月になったせいか、ホテルには子供連れがほとんど見当たりません。私たちと同じような年齢の男女、或いは20代と思われる男性、或いは女性グループが何組か滞在しているようです。

ホテル自体はこじんまりしたもので、他の客の喧騒に悩まされることもないようでした。

「あなた、ほら、海釣りツアーもあるって書いてあるわ」
チェックイン後、海が見渡せる素敵な部屋に案内された私たちは、ホテル内の施設やサービスが載ったパンフレットを一緒に眺めました。

宿泊客が参加できるツアー、そして希望者を対象に開催されるいくつかの体験教室が紹介されていて、妻が言う通り、確かに半日の海釣りツアーもありました。

「せっかくだから、あなた、行ってらしたら?」
「面白そうだけど、今回は佐代子と一緒に過ごすよ」

私の言葉に、妻は少し嬉しそうに笑みを浮かべたものです。

普段は滅多に着ない純白のワンピース姿の妻。すらっとした体型を強調するだけでなく、妻の肢体は私がこれまで気づかなかった魅力を伝えているようにも見えました。

「佐代子、早速プールに行こうか」
このホテルの一つの売りが、ビーチを見渡せる位置に作られた大きなプールです。

「何だか恥ずかしいわ、あなた」
人前で水着になるのが嫌なのでしょう。妻はそれほどに控えめで、内気な性格の持ち主です。

「恥ずかしがることなんかないさ。こんなに素敵な体じゃないか」
リゾートホテルに来たせいか、私もいつになく、大胆な言葉を口にしてしまいます。

「水着は持ってきたんだろう、佐代子」
「ええ」

「せっかく来たんだ。たっぷり楽しもうよ。さあ、着替えていらっしゃい」
「じゃあ・・・・、そうしようかしら」

妻の水着姿を見ることなど、もう何年もありませんでした。結婚直後に近郊の海に行って以来のはずです。

最近では夜の営みもめっきり減ってしまいました。本当にたまに妻を抱くことはあっても、決して照明をつけることは許してもらえず、私には妻の裸体の記憶さえ薄れていました。

やがて、ベッドルームから妻が水着姿で出てきました。恥ずかしそうに両腕で胸元を隠しています。

ワンピースタイプの水着はやはり控えめなデザインでしたが、それでも妻の魅力的なボディを存分にアピールするものでした。

「佐代子、とても素敵じゃないか」
「いやだわ、あなた・・・・・。そんなに見ないでください・・・・・・・」

「結婚前より魅力的だよ、佐代子」
「そうでしょうか・・・・・」

「自信を持ちなさい、佐代子。凄く、綺麗だよ」

そして、私たちのリゾート生活が始まりました。

プールはそれなりに賑わいを見せていましたが、プールサイドに設置されたデッキチェアの数にはたっぷり余裕がありました。

私たちはそこに横になり、冷えたフルーツジュースを楽しみながら、ゆっくりと流れる時間を過ごしました。

強い日差しが気になるのか、パラソルの下で、佐代子は常にタオルを体に置き、白い肌を露出しないようにしています。

「少しプールに入ろうか、佐代子」
「あなた、でも・・・・」
「すぐに慣れるさ。さあ」

しばらく後、私はためらう妻を少しばかり強引に、プールに誘い込みました。白くすべやかに伸びる妻の美脚が、私が知っている以上に長く、魅力的に見えます。

いくらおとなしいデザインといっても、そこはやはり水着です。控えめながら、確かな膨らみをたたえた妻の乳房が、水着に包まれて揺れています。

水着姿を見られることを嫌がるように、妻は素早く水の中に肢体を潜らせました。私たちは、しばらくの間、一緒にプールの中で過ごしました。

「水が気持ちいいな、佐代子」
「そうね」

あれほど嫌がっていた妻も、素敵なリゾートの持つ魔力に魅了されるかのように、少しずつ緊張を解いていきます。

初日の午後遅くには、デッキチェアに寝そべる私をそのままにし、妻だけがプールでのんびり泳ぐ場面もみられるようになりました。

「1週間の滞在か」
私はプールで泳ぐ妻の姿を見つめながら、このバカンスをどう過ごそうか、ぼんやりと考えました。ここには計6泊する予定です。時間はぜいたくなほど、たっぷりありました。

水着姿で気持ちよさそうに泳ぐ妻。私は妻の躰を見つめ、忘れかけていた興奮を少しばかり取り戻していました。

久しぶりに妻を抱こう。私はそんなことを思ったものです。妻がどう反応するかはわからないが、せっかく旅行に来たんだ。たまには新婚時代に戻ったように過ごすのも悪くない。

そんなことを考えながら、私はプールにいる他の客たちの様子も観察してみました。

若い男性、私と同年代、或いはもっと高齢な男性。女性と一緒に来ている方もいれば、グループで楽しんでいる客もいます。

そんな彼らが、私にはさりげなくですが、妻のことを観察しているように思えました。皆、水着姿の妻を密かに見つめているのです。

38歳になっても妻はまだスリムな体型を維持し、決して巨乳タイプではありませんが、小ぶりながら形よく丸みを帯びた乳房の持ち主です。

その知性的な顔つきも手伝って、妻の躰は、以前から私にはどこか男好きするものに思えていました。

「皆、佐代子のことを見てるんだ」

妻がやはり男性の視線を引くことを知って、私は少しだけ驚き、そして、誇らしく感じました。

「佐代子は気づいているのだろうか。周囲の男たちに密かに躰を見られていることを」

もしそれを知ったなら、妻はどんな気分になるのだろう。やはり恥ずかしがるのか、女性として嬉しさを感じるのか。それとも・・・・。

デッキチェアに横になりながら、私はそんな妄想を楽しみ、そして、知らず知らずのうちに興奮を高めていきました。

「プールで泳がれている方は奥様ですか?」
ジュースを飲んでいた私に、周囲にいた一人の男性が軽い調子で声をかけてきました。

「ええ」
「とてもお綺麗な方ですね」
「そうですか・・・・。ありがとうございます」

ただそれだけの会話でしたが、私はそのとき感じたものです。この旅行は、私にとって妻の魅力を再認識するものになるだろうと。


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