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目覚め(4)

2017 01 27
二日目の朝がやってきました。

「疲れはとれたかい、佐代子?」
「ええ。おかげさまで、ぐっすり眠ることができました」
「それはよかった」

昨日に続いて、南国の空は見事に晴れ渡っています。私たちはまぶしい朝陽に照らされた海を前に、優雅な朝食を楽しみました。

「今日はどうしようか」
特に予定があるわけでもなく、ただただのんびりすることがこの旅行の目的です。私の問いかけに妻は静かに笑みを浮かべました。

「またプールで泳ごうかしら」
「それしかやることがないかな」

到着直後には水着姿を披露することをためらっていた妻が、今はもうすっかりリゾートライフを楽しんでいます。

私は、妻のそんな姿に小さな驚きと喜びを感じながら、ふと、昨夜のことを思いだしました。

妻は、ホテルから贈られた水着を着るのだろうか。恐らく、これまでは一度だって妻が着たことのないような、大胆なカットのビキニです。

私は、その水着で裸を隠した妻の姿を想像しながらも、その質問をその場ですることは控えました。

昨夜、私は朝までずっと妻の手を握ったまま、眠りました。

ぐっすりと寝入っていた様子の妻とは違い、私は深い眠りにつくことができませんでした。体の中で、妙な興奮がずっとくすぶり続けていたのです。

それは、朝になっても続いています。私は、妻が着るワンピースの細い肩紐、白い肌、そして、僅かに覗く胸の谷間を見つめました。

プールには朝から滞在客が繰り出しているようです。ホテル前の砂浜にも同じように水着姿の客の姿が見えます。

「今日も暑くなりそうだね」
「ええ」

朝食を終えた私たちは、しばらく部屋でゆっくり過ごしました。独立したコテージ風の部屋で、小さな庭も備えています。

木陰に置かれた椅子に座り、妻はホテルのパンフレットを改めて興味深そうに見つめます。

「何か面白そうなものはあるのかい、佐代子?」
持参した小説を読みながら、私は妻から少し離れた場所のソファに座っています。

「昨日も少し見たけど、いろいろ体験プログラムがあるみたいね」
「せっかくだからどれか参加したらどうだい?」

妻が何かに興味を示しているような雰囲気でしたので、私は軽い気持ちでそう訊きました。

「いくつかありますけど、でも、やっぱりあなたには海釣りをしてほしいわ」
「そうかい?」
「せっかくなんですもの。私は別のもので時間をつぶせそうですから」

妻のその提案は悪くないように思えました。まだ何日もここに滞在するのですから、少しくらい変化をつけてもいいのかもしれません。

昼間は別行動で夜に妻と再会するというアイデアは、私に妙な興奮を与えてくれたものです。

「じゃあ少し考えようかな」

その日、私たちは昼前までそこで過ごし、また昨日のようにプールに行くことにしました。

水着に着替えるというとき、妻は昨夜ホテルからもらった贈り物を思い出したようで、少し迷うような素振りを見せました。

「佐代子、思い切って着てみなさい」
「あなた・・・・・」

「ホテルからせっかく頂いたんだから、試してみるべきだと思うけどな」
「でも、こんなビキニなんて私・・・・」
「大丈夫。佐代子ならきっと似合うさ」

私の説得に、妻はついに根負けしました。ベッドルームにこもった後、妻はホテルからもらった水着に着替え、上からタオル地のシャツを着て出てきました。

「サイズはどうだい?」
「ええ、大丈夫そうです・・・・・」

私は敢えて妻の躰に視線を注ぐことなく、さりげない風を装ってプールに連れ出しました。プールには数えられる程度の宿泊客しかいません。

しばらくデッキチェアで横になった後、私は妻を水着姿にさせ、プールの中に誘いました。恥ずかしいのか、妻は躰を隠すように素早く水に入ります。

「とてもきれいだよ、佐代子」
プールの中、私はビキニ姿の妻を抱きしめたいという欲情を感じながら、ただ手を繋ぎ、ゆっくりと歩きました。

時間が経過するにつれ、昨日と同じように妻がリラックスしてくるのがわかります。

やがて、私は一人プールサイドにあがりました。プールに残った妻は、美しいフォームでゆっくりと泳ぎ始めます。

私は妻を見つめました。周囲にいる何人かの客が妻を同じように見つめていることを感じます。

細く長い手脚が水を捉え、肢体が美しくくねっていきます。小さなビキニで隠された丸いヒップが時折水面から覗き見えます。

私は、妻が全裸で泳いでいるような錯覚を覚え始めました。周囲の男性が、裸の妻を視姦するように見つめている気がしてきます。

「よほど疲れているかな・・・・」
妄想を研究所でためこんだストレスのせいにしながら、私は妻の躰をたっぷり堪能し続けました。

「少し泳ぎ過ぎました」
しばらく後、ビキニを濡らしたままプールから出てきた妻は、笑みを浮かべながら私にそう言いました。その後、私たちは軽い昼食をプールサイドでとり、午後はビーチに出かけることにしました。

白い砂浜に、何人かのホテル客が散らばっています。パラソルの下で横になるカップル、波打ち際ではしゃぐ女性グループ、と様々です。

「海では泳げそうもないわ」
そう漏らした妻と私は砂浜に並べたデッキチェアで横になります。パラソルの下の空間は心地よく、本を読む私の隣で、妻はやがて目を閉じました。

ビキニを隠すように薄地のカーディガンを羽織っていますが、それは中が透けて見える素材です。股間に食い込むようなデザインのショーツが、妻の大切な部分をきわどく隠しています。

知性を感じさせる表情と濡れた唇、そして重なり合う美脚。白い肌に僅かに浮いた汗が、妙になまめかしく光っています。

私は妻の熟れた体つきを至近距離から見つめ、本に集中することができなくなりました。

1時間程度経過したころでしょうか。

「佐代子、飲み物でも買ってこようか」
私の問いかけに、妻は浅い眠りに就いていたのか、返事をすることなく少しうなずくだけです。

私はホテルのプールサイドまでゆっくりと砂の上を歩き、バーでフルーツカクテルを二つ買いました。

冷えたグラスを両手に、私が再び砂浜に戻ってきたときです。眠っている妻のそばに、私は水着姿の一人の男性が立っていることに気づきました。


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