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目覚め(35)

2017 06 09
階下の様子が気にならないはずはない。だが、佐代子は邪心を振り払おうとするように、瞳を閉じている。

着替えることもなく、佐代子は寝室のベッドで横になった。時計は確認していないが、恐らく午後10時を過ぎた辺りだろう。

静まり返った自宅周辺からは、何も聞こえてこない。1階から、3人の男性が何やら楽し気に話し合う声が届くだけだ。

朝まで彼らと共に過ごさなくてはならない。佐代子は、自らに課された義務を想い、仰向けになったまま、小さく首を振った。

閉じた瞳の中に、あのリゾート地での体験がよみがえってくる。

南国の太陽と碧く光り輝いていた海。解放感に浸る中、日常を捨て去り、彼の腕の中で歓びを教えてもらった自分。

川原の肉体の記憶が、佐代子の躰に刻み込まれている。

それを思うだけで、今もなお、佐代子の肢体は熱を帯びてくる。だが、それが決して許されることのない罪であったことを、人妻は既に知っている。

3人の男たちから私が受けるであろう仕打ち。それは犯した罪に対する罰だ。

だが、佐代子はそれで全て償うことができるとも思っていなかった。本当の罰は、いつの日か夫からもたらされるに違いない。

現実から逃避するように、佐代子は南国のビーチにいる自分を想像した。

瞳を閉じ、降り注ぐ日差しを想起する。穏やかな波の音が繰り返し届く。現実世界に響く3人の男たちの声が、やがてどこかに消えていく。

パラソルの下、一人デッキチェアの下で横になる。飲み物を買いに行った夫はいない。

水着姿をタオルで包み、誰もいない砂浜で休日を過ごす自分を想像する。現実から逃れ、過去の記憶に入り込んでいく佐代子。

いつしか、川原の腕に抱きしめられている自分がいる。抗うことなく、佐代子は横になったまま、彼の好きなようにさせた。

「佐代子さん、会いたかった」
情熱的なキスを求めてくる彼に、佐代子は素直に唇を開いた。そして、激しい彼の行為が始まった。

砂浜で裸にされ、力強い彼に愛される自分を佐代子は想像する。大胆に彼の上にまたがり、腰をくねらせる自分。

あっ・・・・・、あっ・・・・・・

声を漏らしてしまう自分の胸元を、彼の唇が這いまわる。彼の頭に腕をまわし、刺激を求めるように肢体を震わせる自分の姿。

「ご主人が見てますよ、佐代子さん」
川原のささやく声に、佐代子はうっすらと瞳を開く。

砂浜の彼方、草むらの陰からこちらを見つめている夫の姿が確認できる。佐代子は川原から離れようと、彼の上でもがいた。

だが、彼はそれを許さなかった。人妻をいじめるように、更にきつく腰をつかみ、激しく、淫らに振ることを求めた。

いやっ・・・・・・・・、あんっ・・・・・・・・・

夫の食い入るような視線を感じながら、佐代子はいつしか自分から腰を振った。たっぷり濡れた秘所が、彼のものを何度も締め付ける。

あっ・・・・・・、ああっ、もう・・・・・・・・・

意識が遠のいていく。心地よいステージが接近してくる。佐代子はやがて、迷宮の中に迷い込んでいく。

階段を静かに昇ってくる足音に、佐代子が気づくことはなかった。

午後11時を過ぎている。

リビングから聞こえていた声は、既に止んでいた。階段をゆっくりと響く足音。やがて、それは寝室のすぐ外側で途絶えた。

息を呑む気配は、しかし、ベッド上で横になる佐代子には伝わらない。いつしか、人妻は浅い眠りに陥っている。

寝室の照明は突いていない。闇の中でノブが動き、ゆっくりとドアが開く。男たちがそこから中に忍び込む。

彼らは、二人だった。

ベッドに横になる佐代子のそばに、二人はそっと近づいた。寝息を立てている様子の人妻を、立ったまま上から静かに見つめる。

照明を点けぬまま、二人はそのまま佐代子に視線を注ぎ続けた。

スカートから伸びる細い脚。シャツで隠された胸元が美しく盛り上がっていることを、彼らは既に知っている。

スリムな肢体は、あの島で目撃した時と何ら変わりはない。日常に溶け込んだ平凡な服で包まれた人妻の躰は、以前よりも一層男たちをそそっている。

時折肢体を僅かに動かし、人妻は寝息を立てている。唇が妖し気に動き、瞳を閉じた表情が物欲しげに火照っているように見える。

闇に慣れてきた男たちの目に、目の前に横たわる人妻の躰が別の意味を持って迫ってくる。彼らの息遣いが、僅かに乱れていく。

2人は会話を交わさぬまま、互いに視線を交わし、小さくうなずいた。彼らの表情には、こう書いてあった。

もう、待つことはできない、と。

一人が佐代子の美脚のそばに接近し、そっと手を伸ばした。そして、細い足首からふくらはぎをゆっくりと撫で始める。

佐代子の両脚を堪能するように、男の10本の指が素肌を這っていく。癒すように愛撫をしながら、少しずつその手は奥に進んでいく。

もう一人の男は、依然として立ったまま、佐代子の様子を見つめていた。その表情に変化が生じる瞬間を、彼は静かに待っているようだ。

男の手が、佐代子のスカートの裾に届く。少しずつ、じわじわとスカートを捲りあげ、彼は佐代子の太腿を露にしていく。

唾をのみ込みながら、彼は佐代子の太腿を大胆に揉んだ。

その瞬間、佐代子は夢の世界から、現実に引き戻された。ベッドにいることを思い出し、3人の男と今夜一緒であることを思い出した。

男の手が、佐代子の太腿を広げるように動いた。佐代子は思わずそれに抗い、肢体を起こして声を漏らした。

「やめてください」
3人連れの中の、若い二人がそこにいた。ネクタイを外したワイシャツ姿の二人は、酒を堪能したはずだが酔っているようには見えなかった。

ベッド脇で立っている男が佐代子を見下ろしたまま、ささやいた。

「今夜はつきあってくれる約束ですよ、奥さん」
「・・・・・・」

「覚悟してるんでしょう。旦那さんが出張の時に僕たちを招待して」
「・・・・・・」

薄闇の中で、佐代子は二人を見つめた。上半身を起こした人妻に、ベッドわきの男の手がそっと伸びる。

「このまま横になって」
僅かに抵抗し続ける佐代子の肩を強く押し、彼はその肢体を再び仰向けに寝かせた。そして、彼は佐代子の両手をとった。

「プールではあきらめましたが、もう逃がしませんよ」
佐代子の両腕を頭上に運び、枕元に強く抑えつける彼。佐代子は初めて覚える仕打ちに、思わず首を振った。

もう一人の彼の手が、佐代子の太腿を再び広げようと試みる。

「奥さん、緊張しないで」
内腿を何度も撫でながら、彼の手が佐代子の美脚の力を奪っていく。

彼らが言う通り、既に覚悟は決めている。それであれば、早くその罰を受け入れてしまえばいい。そんな感情が佐代子の理性を翻弄する。

「そう、もっと広げますよ、奥さん」
スカートを完全にまくり上げられ、佐代子は両脚をM字にし、少しずつその奥を露にしていく。

彼の手が、何度も佐代子の内腿を往復する。その度に、佐代子はたった今、夢の中で浸っていた快楽の気配を思い出す。

彼が、佐代子の白い太腿にそっとキスをする。確かな震えが、佐代子の全身を走り抜ける。

両腕を拘束していたもう一人の彼の手が、佐代子の胸元に伸びていく。シャツの下に盛り上がった人妻の胸の丘陵を、その手が包み込む。

声を発してしまえば、二人に屈してしまうような気がする。佐代子は瞳を閉じ、唇を噛みしめ、漏れ出す息を抑えこんだ。

太腿を彼のキスの嵐が襲う。同時に、乳房がシャツの上からたっぷりと揉みしだかれる。瞬く間に、佐代子の躰を妖しげな火照りが包み込んでいく。

「いい体してますね、奥さん」
乳房の先端を探るように動く彼の指。少しずつ太腿の根元に近づく彼の唇。2人の男の責めが、佐代子をゆっくりと高めていく。

彼の息吹が、ショーツに届き始める。指先で付近をまさぐられ、くすぐったさの混在した震えが、佐代子の下半身を走り抜ける。

ヒップを浮かすほどに、佐代子の腰が敏感に反応を示し始める。

佐代子の鼻から、色っぽい息が漏れる。

「奥さん、キスしますよ」
スカートの奥に潜り込んだ彼の唇が、佐代子のショーツの中芯にキスを与えた。

びくんっと震えた佐代子の躰が、ベッドで跳ねる。同時に、もう一方の彼が佐代子の唇を優しく吸った。

懸命に唇を閉ざしながらも、佐代子は彼の口づけから逃げることはできなかった。

男の手が、佐代子のスカートを脱がしていく。

唇を吸われたまま、佐代子は小さく首を振った。


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