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目覚め(42)

2017 07 12
寝室に静かに足を踏み入れたのは、午前3時になろうとしているころだった。

部下たちの話を裏付けるように、人妻は見事なプロポーションの裸体を隠すことなく、ベッドの上で横になっていた。

人妻の静かな寝息だけが、ベッドルームの空気を揺らしている。

それは妙に熱を帯びて、色っぽい寝息に聞こえた。男はかつて覚えたことのないほどに、激しい興奮を感じた。

「奥さん・・・・」
返事がないことはわかっていたが、彼は一度だけそうささやいてみた。

ベッドの端に座り、人妻の肉体を改めて見つめる。長い脚は男をそそらずにはいられないような肉付きを備え、眩しく艶めいている。

きめこまやかで、美しくすべやかな肌。きゅんと締まった腰つきと、見事な曲線を描いて張り出した桃尻。

そして、豊かな谷間をたたえた胸の双丘。

首筋から乳房の辺りに、僅かな汗が浮かんでいる。形のいい顎、そして、清楚で全うな人妻であることを告白している知的な表情。

その厚い唇を強く吸い、美脚を押し広げてやりたいという欲求が、男の冷静さを激しく揺さぶってくる。

クロスされた両脚の奥に隠された人妻の秘密の泉に激しく己のものを突く自分を、彼はいつしか想像していた。

若い部下2名に誘われ、ふざけ半分で出かけた南の島への旅行。

妻帯者でありながら、彼はそこで思いがけない別の自分に目覚めた。ここにいる人妻を見た瞬間から。

一流企業で順調に出世街道を歩んできた過去。ここまで順調に階段を昇ってきた自分にささやかな褒美をあげたい、そんな気分がどこかにあったのだろうか。

僅かの間だけ酷い人間になるということに快感を覚えてしまった自分。彼は今、その快楽をこの寝室で再現させようとしている。

そこにはもう、高層フロアに位置するオフィスで信頼できる部長として日々振舞う普段の姿は、微塵も存在していなかった。

寝息を立て続ける人妻を見つめ、彼はそっと立ち上がった。そして、寝室内のあらゆる引き出しを物色し始めた。

俺は何をやっているんだ・・・・・

そんな良心の声が、彼に届くことはなかった。目の前にいる人妻の魅力が、彼を狂人にさせていた。

人妻の身に着ける様々な衣服が、丁寧にたたまれて整理されている。それを決して乱すことなく、彼は次々に引き出しを開けていった。

なまめかしい下着が隠された引き出しを見つけても、彼は一瞬手を緩めただけで、そこを乱したり、何かに興味を示すことはなかった。

彼は、もっと別のものを探していた。

ここにはないのかもしれない。そんなことを感じながら、彼はなおも寝室内の観察を続け、そして、しばらくの後、遂にそれを見つけた。

それを手にした自分が、薄闇に包まれた寝室の鏡に映っていることに、彼は気づいた。

本当に俺なのか・・・・・

だが、彼はやはり自分を取り戻すことはなかった。いや、こちら側にいる自分こそが、本当の自分なのかもしれない。

彼は、そんなことさえ感じ始めている。

見つけ出したものをそっとベッドわきに置き、彼は自らの服をゆっくりと脱ぎ捨てた。人妻の官能的な裸体をじっと見つめながら。

息を呑んだ自分の気配が、寝室中に響いたような気がする。だが、人妻はなおも眠り続け、目を覚まそうとしない。

人妻の裸体をベッド上で転がすように動かし、彼女のしなやかな腕を操り、長い脚を折り曲げ、彼は手にしていたものをあるべき場所に戻してやった。

そして、再びベッド上の人妻を見つめ、思わずつぶやいた。

「奥さん、泳ぐのがお上手なんですね・・・・・」

会社の上司、同僚、部下。そして家族。いかなる人間が見ても、決して受け入れることのできない彼が、そこにいる。

男は強く人妻の腰を抱き寄せた・・・・・。

足を絡めとられるほどに深い泥のような眠り。

佐代子は覚醒の寸前にまでたどり着きながら、なおも、あの二人に与えられた快感の余韻の中を漂っていた。

その想像は、いつしか見も知らぬ男性に激しく愛される自分に変わっている。

脚を強く広げられる自分を想像し、彼がたくましいものを割り込ませて来ることを感じた。次の瞬間、佐代子は深く、甘い声をあげてしまう。

「ああんっ・・・・・・・」
体奥にまで太いものを挿入され、佐代子は震える手を上方に伸ばした。

彼の引き締まった胴体に指先が触れる。既に汗ばんでいる彼の肌。ゆっくりと彼に腰を振られ、佐代子は彼の裸体を撫でるように手を動かし始めた。

「あっ・・・・、あっ・・・・、あっ・・・・・」
ベッドが最初からきしむほどに、彼の突きは深く、正確なものだった。瞬く間によみがえる禁断の悦び。

瞳を閉じ、半ば夢の中を漂ったまま、佐代子は歓喜の息を漏らし始めた。

「あっ・・・・・、あんっ・・・・・・・、あっ・・・・・・・・・」
「奥さん・・・・・」

彼の声を、佐代子は耳元で初めて聞いた。体を倒してくる彼を受け入れ、佐代子はその手で男の背を強く引き寄せた。

彼に求められるがまま、佐代子は濃厚なキスを許した。唇を開き、彼と情熱的に舌を交し合い、互いの乱れた息を交歓した。

更に激しさを増す彼の腰の突き。両手で愛撫される乳房に、佐代子はいつもとは違う妖しげな快感を覚える。

彼のピストンに呼応するように、佐代子の腰がくねっていく。激しい行為の後、くびれた腰を抱き寄せられ、佐代子は彼の上に座るような格好になった。

胸元に顔を埋めてくる彼を抱きしめたまま、佐代子は自分から腰を振った。

「あっ・・・・、あっ・・・・、あっ・・・・・」

太腿を抱えられ、佐代子の腰は何度も彼の肉体の上に振り落とされた。その度に佐代子は顎をあげ、歓びの色を頬に浮かべた。

「ああっ・・・・・、あっ・・・・・・・、もっと・・・・・・・・・」

彼は狂ったように佐代子の乳房をしゃぶり続けた。そして同時に、その指先は佐代子の濡れた秘所を棹と一緒にいじめてくる。

「ああっ・・・・・・・・、そこっ・・・・・・・・・」
「こうですか、奥さん」

彼がぐいぐいと腰を回すように押し上げてくる。たまらない快楽の気配に翻弄され、佐代子は奔放に自分の腰を振った。

「ううんっ・・・・・、あっ・・・・・・・・・、ああっ・・・・・・・・・」

1時間以上、佐代子はそんな風に彼に愛され続けた。激しく乱れ、声をあげてしまう自分に、人妻は更に躰を熱くさせ、大切な部分を収縮させた。

「いきますよ、奥さん・・・・・・」

僅かにうなずく人妻を上に乗せたまま、彼は激しく腰を震わせた。彼のものを根元まで埋めたまま、佐代子は快楽で全身を震わせた。

「ああっ・・・・・・、いいっ・・・・・・・・・」

下腹部が震えた瞬間、彼の息が切れることを佐代子は感じた。野獣のような唸り声をあげ、彼は最後に佐代子の肉体を強く自分に打ち付けた。

スロープのはるか頂点にまで、人妻は一気に導かれた。

あああっ・・・・・・・・・・・・・

南国の眩しい太陽と花園の気配が、佐代子を包んでいく。

「あんっ!・・・・・・・・」
最後の嬌声を響かせ、佐代子は彼の裸体に強くしがみついた。

そして、人妻は力尽きた彼と一緒に、ベッドの上に裸体を投げ出した。

ハアハアハア・・・・・・

夢の中をさまよい続けたまま、佐代子は何かを感じ取ったように、うっすらと瞳を開いた。

視線の先に、鏡の中にいる自分の姿がぼんやりと捉えられる。

たっぷりと愛された自分が、あのリゾートホテルから贈られたビキニの水着姿であったことを知ったとき、佐代子の美唇は一層熱く濡れた。


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