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妻の素顔(5)

2010 01 31
外の喧騒が嘘のように、ホテル内は整然とした空気が支配していました。

欧米のホテルと変わらぬどころか、そのサービス、設備、雰囲気は、更に上のランクに属するのではと思えるほど、素晴らしいものでした。

「ホテル内は別世界ね」
「外国人向けのホテルだからな。さすがに豪華だな」

特別に高額なホテルを手配したわけではないですが、観光業が重要な産業の一つであるその国では、やはり外国人を迎えるホテルはサービス向上に力を入れているのでしょう。有名チェーンのホテルも続々と進出しているようです。

明日のピックアップ時間を確認し、私たちは運転手と別れました。チェックインを済ませた私たちは、ホテル内のレストランで軽い夕食を摂ることにしました。

いつも息子と一緒の行動に慣れているせいか、妻と二人きりでそんな風に過ごすことは、私を特別な気分で包み込むものでした。

見慣れているはずの妻の姿が、いつも以上に眩しく、そしてどこか性的な魅力に溢れているように映ります。36歳になった妻は、女として今、一番輝いている時期なののかもしれません。

若さに任せたみずみずしさだけではなく、濃厚な色気とでも表現したくなるような雰囲気が、今の妻には共存しています。スリムな外見は若い頃と全く変わらないのに、肉体が描き出す曲線は、以前にも増してなまめかしく見えます。

「綺麗だよ、優里・・・・」
私は食事を進めながら、正面に座る妻に思わずそう声をかけました。

「やだ、どうしたの、あなた・・・・」
「こんな風に優里のことをじっくり見る機会も最近なかったからさ・・・・」
「もう・・・・、恥ずかしいこと言わないでよ・・・・」

そんな言葉とは裏腹に、妻は少し嬉しそうな笑みを浮かべています。妻もまた、どこか心を弾ませ、刺激的なムードを感じている。そのとき私は、そう確信しました。

私の興奮は、ホテルに向かう車内からずっと続いていました。妻の肉体を今夜こそ激しく愛したい、という欲情が、どんどん高まっています。

会話を交わしながら、私たちは言葉にできない何かを伝え合うように、見つめ合う時間が多くなりました。私の燃えるような思いに、妻ははっきりと気づいたようです。

「そろそろ部屋に戻るか・・・・」
「そうね・・・・」

食後のデザートを終え、私たちは混雑するレストランを後にしました。さりげなく妻に手を伸ばすと、彼女もまた、旅先での解放感に誘われるように、腕を絡めてきます。

ロビーフロアは相変わらず多くの宿泊客で賑わっていましたが、客室に向かうエレベーターに乗り込んだのは、私たちだけでした。

「優里・・・・」
その個室に乗り込んだ瞬間、私は妻の体を抱き寄せ、荒々しく唇を吸いました。

「あんっ・・・・」
突然の私の行為に戸惑いながらも、妻はそれに抗おうとはしませんでした。私たちは、エレベーターの中で濃厚なキスを交し合いました。

「駄目、あなた・・・・、こんなところで・・・・」
私と舌を絡めあいながら、妻は色っぽい声でそう囁いてきます。

部屋のドアを開け、中に入った途端、私は妻をすぐそばの壁に押さえつけました。立ったまま、改めて妻の唇を吸い、彼女の体をいやらしく撫で回します。

「駄目っ・・・・・、あなた・・・・・・」
夕食用に、彼女はデニムからシックなドレスワンピースへと着替えていました。私は妻のすべすべとした脚の内側を撫で上げ、彼女の太腿を愛撫しました。

「いやっ・・・・・・、ああんっ・・・・・・」

壁に押さえつけたまま、私は妻のワンピースを強引に剥ぎ取ろうとしました。白い肌に包まれた妻の首筋、そして肩が露にされ、白い控えめなデザインのブラが顔を覗かせます。

妻の乳房をそんな風に見つめるのは、いったいいつ以来のことか、私にはわからないほどでした。私は妻の鎖骨の辺りに舌を這わせ、ブラに隠されたお椀型の美乳を揉みしだきました。

「優里・・・・・、ずっとしたかったんだ・・・・・・」
「はんっ・・・・・、駄目っ・・・・・、よして、あなた・・・・・」

妻の抵抗は、次第にか弱いものになっていくんだろう。そのときの私は勝手にそう思い込んでいました。妻もまた、この旅行であの過去の苦い記憶と決別したがっているのだ、と、私は考えていたんです。

妻がそう思っていることは事実でした。しかし、それは私が想像するほどに、簡単なことではなかったのです。やがて、私は気づきました。私に愛撫を与えられている妻の瞳に、うっすらと涙が浮かんでいることを。

「優里・・・・・・」
私は自分の行為をやめ、彼女をベッドに誘いました。そして、一緒にそこで横になると、妻を癒すように、優しくその体を抱きしめました。

「あなた、ごめんなさい・・・・・」
私の欲望を全て理解しているとでも言うように、妻がそうささやいてきます。

「謝ることなんかないさ、優里・・・・・」
それは私の本音でした。妻の気持ちを勝手に推測し、自らの欲情を満たそうとした自分自身の行為が、私には酷く恥ずかしく思えてしまいました。

「いいんだ、優里・・・・、何も言わなくても・・・・」
8年経った今でも、あの事件の傷跡はなまなましく妻の体に刻み込まれているのです。私は、ずっとそうしてきたように、妻をただ抱きしめ、それ以上の言葉を発しようとはしませんでした。

しかし、その夜の妻は、いつもの彼女ではありませんでした。何らかの形であの記憶を清算したいと、彼女もまた思っていたのです。

「あなた・・・・・、怖いの、私・・・・・・・」
「あの事件のことか、優里・・・・・」

思い切ってそう言った私に、妻は静かに頷いて見せました。

「あのときのことを思い出しちゃいそうで、どうしようもなく怖いの、私・・・・」
私は感じました。妻は何かを話したがっているのだと。私はすこしためらいながらも、質問を口にしました。

「優里・・・・、詳しく教えてくれないか、いったいあのとき何をされたのか・・・・」



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