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脅迫(9)

2010 03 01
「もう十分に体も温まったでしょう。服を脱いでも寒くはないはずだ」
部屋の中央にあるバーナーを見つめながら、赤木はその炎の向こう側にいる志織に言った。

服を脱げというその要求を、志織は想像もしていなかった。激しい戸惑いと覚えたことのない緊張に襲われながら、志織は悟った。この男は本気なのだと。

「もし・・・・、もし、私があなたの要求に抵抗したら?・・・・」
志織は、冷静な自分を懸命に装いながら、赤木にそう問い返した。

「それは奥さんだってわかっているでしょう」
目を閉じたまま、すやすやと眠り続ける奈津美のほうを見つめ、赤木が言った。

「それなら、ちゃんと約束して・・・・」
「何をですか、奥さん?」

「あなたの言うことを私が聞けば、娘はすぐにこちらに返すってことを・・・・」
「それは勿論ですよ、奥さん。私はただ、少しばかり楽しみたいだけですから」

奈津美からナイフを少し離し、赤木がそう答えた時だった。志織の隣でずっと横になっていた涼介の体が、少し動き、そして、うーん、と唸り声をあげた。

「おっ、そちらの坊やもお目覚めのようだな」
涼介が意識を取り戻しても、赤木に焦る様子はなかった。目をこすりながら、涼介はその場に起き上がり、そして不思議そうに目の前の光景を見つめた。

「あっ、赤木さん、戻ってきたんですか?」
「ああ。こちらのお嬢ちゃんと一緒にな」

その一言を聞いただけで、涼介は赤木の様子が一変していることに気づいたようだ。同時に彼は、赤木の手に握られたナイフを視界に捉えた。

「いったい、何してるんですか・・・・・」
赤木を、そして志織を交互に見つめる涼介に対し、赤木は自分がこの小屋を支配していることを示すかのように、自信に満ちた声で言った。

「確か涼介君と言ったね? 君は動かずにそこでじっとしてればいい。分かるだろう、妙なことを考えたら、この女の子がどうなるかってことぐらい・・・・」
「・・・・・・・」

「涼介君、今からこの奥さんが素敵なショーを見せてくれるらしいよ」
その挑発に乗るかのように、志織は赤木に激しい憎しみの視線を投げた。

「最低の男ね、あなたは・・・・」
「その言葉、よく覚えておきますよ。さあ、奥さん、私の指示に従うんでしょう?」

なおもしばらくの間、志織は赤木を睨み続けた後、涼介の顔を見つめた。体は大きくとも、やはりまだ子供のように、彼は目の前の状況に怯えているようだった。

「涼介君、心配しないで・・・・」
「志織さん・・・・、どうして奈津美ちゃんがここに・・・・・」

「私にもよくわからない・・・・。とにかく、私たちは彼に今、脅迫されているのよ・・・・」
「脅迫?」

こわばった表情で会話を交わす志織と涼介を、赤木は笑みさえ浮かべながら見つめている。その視線には、志織の決断を促す光が確かに宿っていた。

「もう一度確認させて。必ず娘を返してくれるんですね・・・・」
「ええ。約束は守りますよ、奥さん」

男の言葉を信じていいのだろうか。いや、そんなことを考えている余裕などない。自分達は今、極めて危険な場所にまで追い込まれているのだ。

志織は娘の顔を見つめながら、モスグリーン色のフリースに手をかけた。しばらくの躊躇の後、やがて決意するかのように、志織はそれをゆっくりと脱いだ。

「やっとその気になりましたね、奥さん」
赤木のその言葉を無視し、志織は赤いチェック柄の長袖シャツのボタンに手を伸ばした。床に座ったまま、時間をかけて、ボタンを上から順に外していく。

「志織さん・・・・・・」
志織が男に何を要求されているのかに気づいたかのように、涼介が心配そうな声をあげた。

「涼介君、お願い、私のこと、見ないでね・・・・」
「う、うん・・・・」

涼介に優しげな視線を送った後、志織は赤木を見つめた。そしてシャツのボタンを全て外し終え、裾をトレッキングパンツの中から引き出した。

「さあ、それを脱いでください、奥さん・・・・」
「わかってるわ・・・・」

覚悟を決めた様子で、志織はそのシャツを脱ぎ、床に置いた。白色の落ち着いたデザインのキャミソールだけで上半身を隠した志織は、どこか恥ずかしげな様子で赤木を見た。

「きれいな肌してますね、奥さん・・・・」
「・・・・・・・」

「それに、細い腕だ・・・・」
露にされた志織の肩、そして長い腕を見つめながら、赤木は満足げにそうつぶやいた。しかし、彼の要求は勿論これで終わりではない。

「奥さん、下も脱いでもらいましょうか・・・・」
男のその言葉を既に予想していたものの、志織は一瞬躊躇する様子を見せた。

「奥さんのその長い脚が見たいんですよ、私は」
赤木の隣に、ぴたりと密着する格好で娘の奈津美が眠っている。志織は再びその姿を確認し、茶色の革が光る登山靴に手を伸ばした。

紐を解き、それを脱ぐ。続いてパンツのベルトに手を伸ばし、それを外した。座ったままの格好で、志織はゆっくりとトレッキングパンツを脱いでいく。

「靴下も脱いで、その場に立ってください・・・・・」
ここは男の言いなりになるしかないのだと言い聞かせながら、志織は靴下を脱ぎ、裸足のまま、恥ずかしげな様子でその場に立ち上がった。

肩紐で吊るされた白色のキャミソールが、志織のウエストの辺りまで隠している。薄いピンクのショーツとに挟まれた腹部が、わずかに白い素肌を曝け出している。

胸の辺り、そしてショーツを手で隠しながら、志織はそこに立ち続けた。赤木の視線を濃厚に感じ、服を脱いだというのに、汗ばむような気分にさせられる。

「ねえ、これでいいでしょう?・・・・」
「奥さん、その両手をどかして・・・・」

言われるがままに、志織はゆっくりと手を体の横に移動させた。まるで下着モデルのように、志織は赤木にその見事な肢体を見せつけた。

「思ったとおり、いい体してますね、奥さん・・・・」
「あなたなんかに言われたくはないわ・・・・」

「ほう、ご主人だけのものですか、その素晴らしい体は・・・・」
強気な調子で抵抗の言葉を口にした志織を愉快そうに眺めつつ、赤木は更にリラックスした調子で言葉を続けていく。

「奥さん、ぐるりとその場で回ってもらえますか?」
「ふざけないで・・・・」
「奥さんのお尻も見たいんですよ」

初めて体験する羞恥心と屈辱を感じながら、志織はゆっくりと体を回転させ始めた。男の視線を肢体中に浴びていることを感じながら、志織は考えていた。

この後、男はいったい、何を要求してくるのだろう。下着を脱げとでも言ってくるのかもしれない。そんなことになったら、どうやって抵抗すれば・・・・・。

しかし、赤木が次に与えた指示は、志織の想像とは全く異なるものだった。



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